ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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307話 なんだか慌ててる理央ちゃん

「………………………………あれ?」

 

「あ、ゆずきちゃん起きた」

「大丈夫ですか? 飲みもの持ってきますね」

 

「はぇ? ひなたちゃん? あやさん……?」

 

目が醒めたばっかりのときって、周りで何が起きてるかさっぱり分からない。

 

だからてっきり今起きたばっかりだって思ったのに、なんだか僕は普通に座ってて、部屋は明るくって、ひなたちゃんは外行きの格好をしてじっと僕を見ている。

 

「……?」

 

んー?

 

何があったんだっけ?

 

「あら、ゆずぅ」

「お母さん」

 

ぱたぱたと、足のサイズに合ってないからスリッパの音で1発で分かるお母さんが顔を出す。

 

あ、お母さんも外行き――まるで中学生とかみたいな格好だ。

 

今台所に行った、大人な女性の格好してたあやさんを見習おうよ……いい歳して。

 

「どこまで覚えてるかしら?」

 

「?」

 

「……ごめんねぇ2人とも。 ゆず、たぶん明日とか明後日になるまで飲み込めないと思うわぁ」

 

「大丈夫ですよ。 私たちはいくらでも待てますから」

「ゆずきちゃんも心の整理が必要だもんね! 大丈夫です!」

 

「?」

 

何が飲み込めるんだろう。

 

「……お餅?」

 

「あら、お餅食べたいの? ならおやつは焼き餅にしましょうか」

 

「良いですね。 お餅なんてお正月くらいしか食べませんから嬉しいです」

「待ってて! SPさんたちに買ってきてって頼んでくる!」

 

ほんわかとした顔のあやさんに、とてとて走って行くひなたちゃん。

 

「…………?」

 

うーん?

 

……昼寝しちゃってただけかなぁ……みんな、大体毎日来るし。

それともずっと寝ぼけたままお昼ごはん食べて昼寝してたのかな。

 

なんかものすごく大切なことを聞いたり言ったりした記憶があるんだけども、全然覚えてない……?

 

「んー?」

 

「……ユズ様」

「あ、エリーさん」

 

すっ、と――なぜかソファの裏から顔を出して立ち上がるエリーさん。

 

……ソファの裏で座ったりしてたの?

 

なんで?

 

あとなんで、またえっちな格好してるの?

 

やっぱり田中君が好きな露出ってのが好きなの?

田中君が好きな、見られるのが好きな性格なの?

 

「気持ちが昂ぶりすぎますと……今のユズ様では、使用可能になりました魔力の……そうですね、蛇口のコントロールが難しいと思われます」

 

「? ……あ、うん、確かに。 僕、魔法使えるようになってるんだよね」

 

あくまでもおまんじゅうとチョコとエリーさんとおやびんさん経由だったけども、僕は魔法を使える。

 

テイマーだから。

 

それが、あの女神様とのときに……なんかこう、すっごい攻撃しちゃってたのまでは良く覚えてるもん。

 

「ですので、なるべく気を静めるように……何かありましたらワタシをお呼びになるか、それでも無理なら上に向かって放ってください」

 

「?」

 

上?

 

上には天井しか無いよ?

 

「……極大魔法とは行かないでしょうが、大魔法を使われたとしましても……上空へなら被害はほとんどないでしょうから」

「よく分からないけど分かりました」

 

よく分からないけど、エリーさんがマジメな顔してるからとりあえずうなずいとこう。

 

なんだか、今の僕は頭が働かないんだ。

 

「ほーら、理央ちゃんもこっちに来て?」

「だ、ダメですぅ!? まだ私、心の準備が!」

 

「? 理央ちゃん?」

「ひゃいっ!?」

 

お母さんが廊下の方に行っちゃったと思ったら、どうやら理央ちゃんを呼んでたらしい。

 

「でも」とか「どんな顔して」とか「返事が」とか、でもでもだってだってを繰り返してる理央ちゃんと、「まあまあ」って強引な感じで引っ張ってる感じのお母さんの声。

 

……もう。

 

理央ちゃん、また何か悪いことしたの?

ダメだよ、もういい加減高校生なんだからさ。

 

僕の服とか下着とかコップとか歯ブラシとかを間違えて持ってっちゃうのはしょうがないから、ちゃんと返してね?

 

「……で、ですから、まだ気持ちが……あっ」

「理央ちゃん、おはよ?」

 

廊下から出て来させられた理央ちゃんは……顔が真っ赤。

 

……真っ赤?

 

あれ?

 

なんだか僕、つい最近に理央ちゃんのこんな顔を見た記憶が――――――

 

「……柚希先輩……まさか、記憶を……!?」

 

「?」

 

「大丈夫よぉ。 知っているでしょう? ゆずってば、困ったことがあるといったん忘れて寝てるときに考える子なのよぉ」

 

「……そうでした……役所の人とかがお家に来た後とか、よくこうなっていましたね……で、しばらく経ってから思い出すんですよね……」

「結論は決まっているのは分かっていても、やっぱり心の整理がつくまでは……ね。 まだまだ子供だから。 でも、理央ちゃん?」

 

お母さんが――あ、これは昔からの友達とかママ友とか僕の同級生とかの恋バナとかについて話してるときの、いたずらっぽい顔してる。

 

「あのときくらいに、あなたとのことでいっぱいなの。 ゆずは……ね?」

 

「あのとき? ~~~~~~っ!?」

 

「ええ。 母親の私を、支援なしで自力で稼いで養うって啖呵を切ったときくらいに……ね? つまりは家族と同じレベルであなたのことを」

「分かりました!! 分かりましたからぁぁぁ!!」

 

 

◆◆◆

 

 

※柚希くんは17歳♂です。

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