ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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309話 ひなたちゃんとあやさんとお風呂と匂いと

「わ、わぁ……」

「本当に……男の子、なんですね……」

 

「……あんまり見ないでください」

 

高層マンションの高い部屋の高いフロアってのは、お風呂までお高いらしい。

 

だから――たぶん4人5人入っても平気な広さのお風呂があるんだ。

 

……あと、来たばっかのころはなぜかお風呂の壁が全部ガラス張りですっけすけで見放題になっちゃってたから、お願いして隠してもらっている。

 

……食べたりする場所からそのままお風呂入ってるのまる見えとか、お金持ちの人の趣味は分からない。

 

教官さんいわく、「急遽必要になりましたので、セキュリティー面でピックアップしたところへ手当たり次第に交渉してここがいちばん最初だったので……改装も間に合わず」ってことらしい。

 

なんと2つもあるトイレも、両方ともやっぱりガラス張りだったし……お金持ちの人ってそういうもんなのかなぁ。

 

そんな思考に現実逃避していた僕は――やっぱり広い湯船に入ってきた2人が、なぜかふとももがくっつく距離だったから戻って来ざるを得なかった。

 

「ゆずきちゃーん♪」

「……前、隠したほうが良くない?」

 

「りおちゃんは隠してる?」

「隠してない……」

「じゃあ良いよね?」

「……うん」

 

そうだよね、ひなたちゃんはまだ小学生だし、男とか女とか全然気にしない年頃なんだろうね。

 

僕のこと、男って知っててこれなんだもん、この子の将来がちょっと心配。

 

「で、では、私も……!」

 

「隠したほうが……って、そのバスタオルじゃ」

「ええ……もともと巻ききれませんねぇ」

 

あやさんは背も高いし女の人らしい体つきしてるから、ぜんぜん足りないらしい。

 

用意していたのは、とりあえずで買って使い始めたばかりのバスタオル――お母さんも僕も小さなタオルしか使わないから、新品のそれ。

 

サイズ的に、あやさんには全然足りないものだった。

たぶん僕たちの背丈に合わせて買ってくれてあったんだろう。

 

……お母さんが見たら、怒るかもね。

「そんなに大きいなら男を引っかけ放題なのに!」って。

 

しょうがないよね、僕たち母子は成長しない宿命らしいから……うん。

 

お母さんも、僕を産んだクセにおっぱい小さいし、僕のだって――

 

「……ゆずきちゃんに生えてるおちんちん、ちっちゃいね」

「う゛ぅ……」

 

「だ、大丈夫です! 小さいのもかわいいですよ!」

「あやさん……それ、理央ちゃんとおんなじ慰め方です……」

 

……うん、しょうがない。

 

どうしようもないんだ。

 

 

 

 

「ゆずきちゃんも、そろそろ美容院行かないとねぇ」

「ええ……こんなに長いのですもの。 綺麗に整えないともったいないですよ」

 

「2人だって長いですよね」

 

ひなたちゃんが、僕の肩の周りでクラゲみたいになってる髪の毛を軽くゆったり解いたりして遊び始めて少し。

 

普段はツインテールにしている彼女も、今はすっかり下ろしていて僕よりも大きいクラゲになっている。

 

「本当は髪の毛が傷んでしまうのですけど……今日くらいは、良いですよね」

 

そう言うあやさんは、こぶし2個分くらいの大きさのおっぱいにそれぞれ張り付いている髪の毛を気にしながら言う。

 

後ろの髪の毛は、もはやもずく――すごい長さと密度になりながら水面近くをたゆたっている。

 

「     」

「ぴ♪ ぴ♪」

 

そんな僕たちのあいだを、おまんじゅうに巻きつくようにして――ああ、おまんじゅうがペガサスみたいになってたときも、鎧みたいにしてたもんね――ちゃぷちゃぷと変形しながらぷかぷかと泳いでいるチョコ。

 

……おまんじゅう、ひっくり返って息できるのかなぁ……あ、鼻は水面から出てるんだ。

 

さすがにそこはチョコが浮かせているのかな。

 

「あははっ、ふたりとも、ゆずきちゃんのこと大好きなんだ」

「こんなに懐いているだなんてすごいですね、柚希さん」

 

「最初のころからこんな感じでしたから……」

 

恥ずかしさも、最初だけ。

 

何分も経てば2人の裸にも見慣れてくるし、僕も見られるのが気にならなくなってくる。

 

それに、お風呂で頭がふんわりしてるから気持ちいいんだ。

 

「ほへー……」

 

「………………………………」

「………………………………」

 

最初こそ。

 

最初こそ、脱衣所で自分から脱ぎ始めた2人とか、僕が脱ぎ始めるとじっと見てくる目線とかがちょっと怖い気がしたけども、そんなことないよね。

 

だって2人とも、良い子だし良い人だもん。

 

「……ゆずきちゃんは、女の子が好きなんだよね?」

 

「うぇ? う、うん……そう、なるのかな……?」

 

女の子が好きとか堂々と言うと田中君みたいだからちょっとやだけど、別に男が好きなわけじゃないし。

 

……小さいころはなぜか男からばっかり好きだって言われてたけど、あれだってただ友達として好きって意味だろうし。

 

うーん。

 

好きって、何だろう。

 

好き。

 

理央ちゃん。

 

……あれ?

 

僕、今日の昼間――確か出かけて、そこで何か大切なことを――

 

「男の子なら、もっと好きになる? えっちな気分とかになるの?」

 

「………………………………へ?」

 

僕が何かを思い出しかけども――そんなどうでも良いことよりも、とんでもないことを言い出したひなたちゃん。

 

「ひなたさん。 柚希さんには、まだそういうのは……」

 

「でも、お母様が言ってたよ? 男の子は女の子のはだか見るとむらむらしちゃうから、高学年からはプールの授業も別なんです、って」

「そ、そうはそうですが……ほら、柚希さんは生えたばかりですし……」

 

「………………………………」

 

……うん、落ち着こう。

 

きっと、理央ちゃんみたいに興味本位で聞いているだけなんだ。

そうに決まってる。

 

「……女の子のときも、わたしたち見て、えっちな気持ちになってくれるのかな」

 

「……そうなってくれるように、もっと好きになってもらえるようにがんばらないとですね。 もちろん、ゆっくりと」

「うんっ」

 

「……?」

 

女の子のとき?

 

よく分からないけども……うーん、気まずいなぁ。

 

女の子同士って、こういう話しがちだからなぁ……クラスでも良く、女子たちに囲まれてるとそういう話題になって、すぐ僕が聞いても分かんないけど確実にえっちなこと言ってる雰囲気で、なんかみんなの匂いが変になるし。

 

あ、そういえば今も……ちょっとだけ。

 

あやさんとひなたちゃんから漂ってくる汗の匂いが、そういう話のときに漂う匂いに近くなってるかも。

 

理央ちゃんが真っ赤になってると振りまく、あの匂いに。

 

 

◆◆◆

 

 

去年から恒例のないないがありますので、次回は16日木曜日からとなります。

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