ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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315話 思い――出しちゃった

「……ふぁぁぁ……」

 

僕は目が覚めた。

 

とってもよく寝たんだ。

快眠だ。

 

「…………………………ふぁ?」

 

「あら、おはようございます、柚希さん」

「おはよー、ゆずきちゃん」

 

「!?」

 

――ぱちりと目を開けた先には――昨日も一緒だった、2人の顔。

 

「……!? ……!?」

 

「? どうしたのゆずきちゃん」

「さぁ……? これまでも、こうしたことはありましたが……」

 

そうして――思い、出した。

 

昨日の夜のことを。

昨日の夜――正確には深夜、正確にはここじゃない謎の空間。

 

そこで、僕は――――。

 

「あれ? ゆずきちゃん、顔が赤くなってる」

「熱でしょうか……?」

 

「……う、ううん、なんでもない! 大丈夫!!」

 

顔を近づけてきているあやさんに、下からのぞき込んできているひなたちゃん。

 

そんな2人が――あやさんはおっぱいがおっきくて、ひなたちゃんは――ぶかぶかのパジャマのシャツの下のキャミソールまでが首から下の空間を広げているから薄い彼女の胸元が――。

 

――ぶわっ。

 

出たことのないような毛穴からの出たことのないような汗が、一気に噴き出す。

 

「――あ」

「――う」

 

「ご、ごめんなさいっ! ちょっと寝汗かいちゃって……お、お風呂! シャワー浴びてきます! ひ、ひとりで……!」

 

急いで2人から離れ、スリッパを履くのももどかしくはだしで逃げ出す僕。

 

……ああ、恥ずかしい。

 

いろいろと、全部が恥ずかしい。

あと、なんか変な臭いの汗が恥ずかしい。

 

……確か、人って、変なストレスかかると変な汗かくんだよね。

 

僕、こういうタイプのは出たことなかったから分からないけども……恥ずかしい。

 

「……あや、ちゃん」

「……ええ」

 

「……今、のって」

「……もしかすると、エリーさんたちの種族特性という、フェロ――」

 

 

 

 

「ふぅ……」

 

珍しく朝シャンってのをした僕は、ひと息ついた。

 

……しょうがないじゃん……昨日の夜の変な夢。

 

……その……えっちな夢。

 

田中君のコレクションひとつにあったみたいに、えっちなサキュバスさんに見せられる、女の子のはだかとかが出てくる夢。

 

幸いにも――っていうか夢の中で女の子のはだかなんか想像しちゃったら、もうその子と顔を合わせられなくなるけども――はだかで、その先で男の人と女の子で激しいプロレス?するのは見なくて済んだ。

 

……エリーさんのえっちな紐の服は見ちゃったけども、あれは彼女の普段着だし。

 

「………………………………」

 

あと。

 

……やっぱり、おへそから下――おへそからおしりまでが、ずっとむずむずしてるんだ。

 

これって、なんなんだろう……病気とか、リリス?ってのになる代償とかじゃないと良いなぁ……。

 

「ぴ」

「あ、チョコ」

 

「きゅひひひひひひひひひひ……!!」

 

「と、おまんじゅう……は、朝から何ひっくり返って引き回しにされてるのさ……」

 

もはや日常の光景になってる、チョコが一部分だけを伸ばしておまんじゅうを縛ってのお散歩。

 

もう、完全に上下関係逆転してるよね……?

ていうかおまんじゅうが勝手に落ちたとも言うけども。

 

「おまんじゅうは良いよね……悩みとかと無縁で」

「きゅ、きゅひ、きゅひひひひ……」

 

……最初の頃はこんなに残念な子じゃなかったのに、どうしちゃったんだろ。

 

それともユニコーンって種族はみんなこうなの?

 

……子供だからかなぁ。

 

「あら、ゆず、おは――」

「あ、お母さん」

 

お風呂上がり、洗面所に入り込んでいた2匹と話していた僕は、ドアを開けて入ろうとしてきていたお母さんと目が合う。

 

「………………………………」

 

「あ、寝汗ひどかったからシャワー浴びたんだ」

「………………………………」

 

 

お母さん、まだ眠いのかな?

 

「僕、まだ服も着てないから、ここ使うのはもうちょっと」

「ゆず」

 

お母さんが――後ろ手で、ぱたんとドアを閉める。

 

「? おか――」

「――ふーん、ほーお。 へーえ?」

 

――そして、しゃがむ。

 

てっきりおまんじゅうたちの不思議な生態を眺めるためかって思ったら、その目線の先には僕の――

 

「……な、何見てるの!? ぼっ、ぼくののすぐ前に顔近づけて!?」

 

「……あら。 あらあら♪」

 

慌ててタオルと両手で僕のを隠して後ずさる。

 

……そういえば。

 

たぶん昨日までなら――こういう風にお母さんから見られたところで、なんとも思わなかったはずなのに。

 

なんでだろ。

よく分からないのに恥ずかしい。

 

「……やっぱり。 ようやくなのねぇ」

「な、なんのこと!?」

 

口元を覆って、いたずらっぽい顔で僕を見上げてくるお母さん。

 

「だ、だから、着替えてるって! 別に夢の中のおやびんさんとエリーさんのせいじゃ――」

「昨日の理央ちゃんからの告白で、とうとう女の子を意識するようになったのね?」

 

僕たちの声が、同時に響く。

 

「………………………………?」

「………………………………?」

 

ふたりで、相対的な角度を維持しながら首をかしげてちょっと。

 

「……………………………………へ?」

「……エリーちゃんに、おやびんさん?」

 

え?

 

告白?

 

「………………………………?」

 

「………………………………」

 

「――――――――ひゃああああああっ!?」

 

「……あらあら、別件だったの。 でもそれはそうと、ようやく思い出せたのねぇ」

 

 

◆◆◆

 

 

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