ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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325話 空を飛んだ僕

「みんなはそこに居てください。 特に理央ちゃんはそのまま動かないでね」

「なんでですかぁ!?」

 

「いや、ほら、理央ちゃんってば絶対なんかやらかすし……」

「しませんよ!? ……しないからひなたちゃん、抱きしめないでぇ!?」

 

【草】

【ひなたちゃんに羽交い締めにされてる理央様】

【信用がなさ過ぎる】

【だって理央様だし……】

【ユズちゃんのいきなりの行動>>理央様】

【理央様……】

 

【てか待って!? 俺たちにかかってる変な魔法って何!?】

 

【俺たち変な魔法かけられてたのか……】

【いや、知らんし……】

【なにそれこわい】

【ユズちゃんがいきなり進化したのも痴女になったのもなにかしでかしそうなのも怖すぎる】

【こわいよー】

 

僕は窓際に立ち――町が一望できる、高い天井から床までの広いガラスを眺める。

 

「おやびんさん」

 

「ん? どうしたユ……うぉぉぉ!?」

 

ぶぉん。

 

僕は「おやびんさんの力を使って」世界を渡る魔法を流用――転落防止とかで開けられない窓に、丸い穴を作る。

 

ひゅううう。

 

冷たい風が、流れ込んでくる。

 

「柚希さん……!?」

 

「あやさん、理央ちゃん抑えててください。 理央ちゃんなら……なんだか思わずで落っこちそうなので怖いんです」

「しないですよぉ!?」

 

いや、しそうだし……君ってそういうところあるからさ。

 

【草】

【悲報・理央様、ユズちゃんから信用されてない】

【まぁねぇ……これまでがこれまでだったからねぇ……】

 

【ああ、ユズちゃんがちゃんと考えられるようになると、理央ちゃんの扱いがこうなるんだ……】

 

【なんか雰囲気も変わっちゃったし】

【あのちょうちょはどこへ……】

【背中についてるよ?】

【それはただの羽だ……私が求めているのはあのちょうちょなんだよ】

【このユズちゃんはダメだ、賢すぎる】

【草】

 

ふわり。

 

反重力魔法の羽で浮き上がった僕は――

 

「おいで」

 

「きゅい!」

 

ぴょんと飛び乗ってきたおまんじゅうを抱きしめた僕は――飛ぶ。

 

【ひぇっ】

【じょばばばば】

【ユズちゃんが飛び降りたぁ!?】

【あ、ちゃんと飛んでる】

【こわすぎる】

【ロリが勝手に痴女衣装を纏ってガラスくり抜いて飛び降りる事案】

 

ふわり。

 

ふわりふわり。

 

羽の力と風の力で、すいすいと高度を上げていく。

 

「あ、護衛のみなさん。 いつもありがとうございます」

 

足の先に見える高層マンションの屋上には――長い銃を抱え、呆然と立っているサングラスのお兄さんたち。

 

すごそうな人たちがぽかんとお口開けて見上げてきてるのって、なんだかおもしろい気がする。

 

【護衛さんたちかわいそう】

【かわいそう】

【護衛対象が勝手に自分から脱出して飛んじゃってかわいそう】

【かわいそう】

【お仕事ないなった……】

 

ふわりふわり。

 

ひらひら。

 

「……羽、動かすのって難しいなぁ……」

 

やろうと思えば――僕の指揮権を渡せば、息をするようにすいすいとどこまでも飛び回れるのは感覚で分かっている。

 

けど、僕はそういうのが嫌なんだ。

 

ズルは、イヤ。

 

そんな変なこだわりで、ずっとお母さんとかに迷惑かけてたのは理解してるけども……それでも、イヤなんだ。

 

【あっあっ】

【どんどん高くなってる】

【ああ……だんだん空の方が近くなって……】

 

【こわいよー】

【どっちが?】

【この映像がか? それともユズちゃんの身の安全か?】

 

【ユズちゃんが今から何するかに決まってんだろ!? 俺、今親友3人に囲まれてじりじりしてるんだからぁぁぁでも末裔の義務として実況してるんだぞぉぉぉ】

 

【草】

【草】

【ああ、サバトに巻き込まれた言質の末裔か】

【好意がないと襲わないらしいよ  よかったね、親友3人ともお前のことが好きらしいぞ】

 

【嫌に決まってんだろ!? 幼なじみだけど最近は疎遠になってたやつらが急に襲ってきてるんだぞ!?】

 

【……お前たちの性別は?】

【え? 俺が男でこいつら女だけど?】

 

【は?】

【ペッ】

【なんだ、心配して損した】

【さっさと襲われて一生馬車馬のように働け】

【3日3晩楽しんだあとに絶望しろ】

【子供に恵まれて健やかな家庭を築け】

【その子たちを一生満足させ続けろカス野郎】

 

【草】

【微妙に優しくて草】

【口が悪いだけで完全に祝福してて草】

【それ……たぶん末裔、お前がその気にさせたままだったからそうなってるんだぞ……】

【そうだぞ】

 

【幼なじみの異性が居るとか末裔の面汚しめ……さっさと末裔から卒業しろ、もう戻ってくるな】

【やっぱり優しくて草】

 

「……ふぅ。 このくらいかな」

 

けっこう強い風が吹いているらしい、高いところ。

 

遠くの山とかが青みがかってかすれるほどの標高。

 

下を見ると、さっきのお兄さんたちどころか僕の新しい家もかろうじて点で見える程度の距離だ。

 

【ひぇっ】

【こわいよー】

【高いところからの映像って見てるだけでこわいんだけどー】

【VRで見てるからめっちゃ怖い】

【草】

【草】

【お前……なんでユズちゃんの配信をわざわざVRで……】

 

【さっきの痴女コスユズちゃんを3Dで触れそうな距離で眺めた俺は勝ち組だ】

 

【!!!!】

【!?】

【ちょっとVR機器買ってくる】

【スマホでVR……どうやるんだっけ……】

【草】

【いやいや、今それどころじゃないってばぁ!?】

 

 

◆◆◆

 

 

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