ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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333話 【泣かせて笑わせてくるユズちゃん】

「――母親はね。 子供のためなら、命だって惜しくないの。 ……その逆に、子供に命を投げ出されるようなことをされるのが、いちばん堪えるの。 他の、なによりも……」

 

「……お母さん」

 

ごめんね。

 

僕が頑固でいじっぱりだから、ずっと我慢させちゃって。

 

【ぶわっ】

【イイハナシダナー】

【うわぁ急に泣かせてくるな!?】

【草】

 

【視聴者のメンタルを乱高下させてくる配信者の鏡】

【末裔のメンタルはもうボロボロ】

【ああ、血糖値スパイクと血管的な……】

【草】

 

【さすがはサキュバスのお姉さんなことだけはあるな……この状況にまったく動じていない……すべてを、あるがままに受け入れている……】

 

【そうだったわ……】

【ままぁ……】

【お姉ちゃんだよ?】

【そうだった……】

【草】

 

【あの、画面の端っこででっかいミサイルが木っ端みじんに】

【お空でちかちか光って爆発したりするの、こっちからでも聞こえてるのに……】

【せ、成長したちょうちょだから……】

 

「………………………………」

「………………………………」

 

僕たちは、抱き合う。

 

……ちょっと目から汗がにじんじゃったのを、お母さんの服に染みこませながら。

 

僕のシャツの肩あたりも、なんだかあったかくなるのを感じながら。

 

「………………………………」

「………………………………」

 

「……あれ?」

 

「あら?」

 

――ふらっ。

 

「……大丈夫?」

「ええ……なんだか力が、すーって抜けた感じね?」

 

きょとんとした感じのお母さんが、僕の腕にしがみ付いてきている。

 

「なんか相性良かったのか、魔力、そのままもらえちゃった」

「やっぱり親子だからかしらねぇ」

 

僕たちは2人で首をかしげる。

 

不思議なことってあるんだね。

僕、てっきり魔力はキスじゃないともらえないって思ってたよ。

 

【草】

【かわいいね】

【かわいいね】

【見ろよ……ユズ姉妹がきょとんとしている】

【やはりちょうちょか……】

 

【え? でもなんで?】

【ちゅーしてないのに……】

【ちゅー……】

【うぅ……】

 

【姉妹百合だけが性癖なのに……】

【↑もっと性癖広げよ?】

【草】

 

【まさか、マジでユズねぇが経産婦……】

 

【そんなはずがないだろ】

【だからありえないって】

【常識的に考えよう?】

【だよなぁ】

【こんな見た目で経産婦……ふぅ……】

【お巡りさんここです】

 

【たぶんあれだ、血を分けた姉妹だからとかなんとかあるんだろ】

 

【あー】

【臓器移植とかでもそうだもんな】

【それか】

【遺伝子的に近いとかそういう理由か】

 

【びっくりした……一瞬だけでもユズちゃんとユズねぇが母娘じゃないかって思っちゃったじゃないか……】

 

【そんなことあるはずがないのにね】

【本当にな】

【どう見たって中学生以下の母親とどう見たって小学生から園児の姉妹だもんな!】

【イマージナルパパンが居たとしたらどうあがいても犯罪者だもんな!】

【草】

 

【あの、でも、本人たちの認識】

 

【ほら、ちょうちょだから……】

【そうだった……】

【ちょうちょはすべてを歪めるんだ……】

【草】

【うん……良い意味で天然姉妹だから……】

【これもたぶんサキュバスの血の影響とかなんだろうしなぁ】

 

「じゃ、お母さんもありがとね」

「ええ、がんばってね」

 

ふらふらしてるお母さんの前に、転移陣。

 

ちゃんと出た先も……よし。

 

「じゃ、ということでエリーさんも協力してくださいね」

 

「……え、ワタシ!? ワタシですか!? 理央様でなくて!?」

 

「? はい、そうですね」

 

「理央様でなくて本当によろしいので!? だって理央様ですよ!?」

「よく分かりませんけどエリーさんが良いかなって」

 

「理央様! どうか先に理央様を!!」

 

「エリーさんうるさいです。 理央ちゃんみたいですよ?」

 

お母さんを――ふらふらしてたから丁寧に戻してあげて、そのままエリーさんを引っ張り出した僕。

 

……けど、なんで紐の格好してるんだろ……寒くないのかな。

 

【草】

【草】

【エリーちゃんが】

【めっちゃ慌ててる】

【そらそうよ……】

 

【申し訳なさそうな目をちらちらと下に向けている】

【そらそうよ……】

 

【でもユズちゃんには逆らえないエリーちゃん】

【そらそうよ……】

 

【おいたわしい……】

【かわいそう】

【かわいそう】

【立場を利用したパワハラか】

【※今からセクハラかまそうとしています】

【ま、まあ、ユズちゃんだし……】

 

【なにがかわいそうって、状況を完全に理解した上でテイマーとしても種族としてもユズちゃんに逆らえなくって、さらに理央様の心情も理解してそうってところがな】

 

【エリーちゃん……】

【痴女なのに見てもむらむらしないよエリーちゃん……】

【かわいそすぎてなぁ】

【かわいそうなのはちょっと……】

【俺は2人ともノリノリじゃないとダメなんだ……】

 

【優ちゃん、教官さんとあわせて、かわいそうな3人の1人だもんな……】

 

【被害担当とも言う】

【かわいそう】

【やっぱり最初にユズちゃんを堕とせなかったから……】

【ああうん、魔族としてユズちゃんの唇奪えてたらねぇ……】

【あのときも今の女の子の姿なら簡単だったかもしれないのにねぇ……】

 

【エリーちゃん、普段は女の子だしサキュバスだったって考えると、あのときちゅーされててもみんな最終的にOKしてただろうし……】

【末裔たちはちょろいからな】

 

【エリーちゃん……】

【ことごとく裏目に出るエリーちゃん】

【かわいそう】

【かわいそう】

 

【信じられるか? この憐憫の嵐が、ついこないだ人類に牙剥きかけた魔族に向けてのものなんだぜ……?】

 

「エリーさん」

「や、やはり駄目です! 理央様が――」

 

む。

 

エリーさんが頑固だ。

 

そうだ、理央ちゃん。

 

普段の理央ちゃんなら――うん、これで行こう。

 

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