ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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338話 怒ってないよ

「そんなぁ……柚希先輩の唇を無意識で奪ってたとか、悲しすぎるけど心当たりが多すぎて……けど、その中のひとつでも思い出せたら……!」

 

【理央様……】

【心当たり多すぎるのかよ!!】

【ああ、お風呂突撃する子でしたねぇこの子……】

 

【理央様……女の子同士じゃなきゃ犯罪だったぞ……?】

【百合はすべてが許されるが、それにしてもなぁ……】

【ユズちゃんに嫌われてなくて本当に良かったね……】

 

【嫌われてたら普通にアウトだからな】

【嫌われてなくてもいたいけな年下を拐かした時点でアウトでは?】

【確かに】

【草】

 

ぶつぶつぶつと、今度は静かにつぶやき始める理央ちゃん。

 

「あ、おまんじゅう。 あと5分くらいでやるから待ってね。 どうせ理央ちゃんだからそのくらいかかると思う」

 

【草】

【草】

【「どうせ」とか言ってて草】

【ああ、いつものことなのねこれ……】

【これがいつもなら、そりゃあ扱い雑にもなるよね……】

 

「       」

 

「ぴ」

 

「あ、おまんじゅうはいつものあれか。 チョコ、負担かけるけどおまんじゅうのこともお願いね。 おまんじゅう、役に立たないからチョコだけが頼りなんだ」

 

「ぴ!」

 

おまんじゅうの鎧になってるどっかからチョコの声が返事をしてくれる。

 

……こういう形態になってるときの口って、どこにあるんだろうね……?

 

【速報・理央様、夢遊病】

【しかもユズちゃん襲ってた】

【そして抵抗しなかったっぽいユズちゃん】

【まぁ理央様のこと普通に好きっぽいし】

【自覚はしてなかったけどね】

 

【あー、友達として、しかもたぶんユズちゃんの精神年齢に合わせて「小学生の女の子同士のじゃれあいとか愛情表現でキスされてた」って思ってたのかも】

 

【あー】

【あー】

【納得したわ】

【ユズちゃん、ほんっとピュアらしいからね……】

【たぶんインキュバス解いたらまた天然ものに戻るよね】

【確かに】

 

【てかちょっと待って!? ユズちゃん、今、おまんじゅうちゃんがセミファイナルしてるって言った!?】

 

【あっ】

【草】

【え、でも普通に立ってるけど】

【立ってるっていうか浮いてるっていうか】

 

「      」

 

【おい、よく見ろ……こいつ、白目剥いてやがる……】

 

【草】

【草】

 

【あの、ここ、結構な上空  ユズちゃん、またがってる】

【ユズちゃんの言い方的に、たぶんチョコちゃんが姿勢制御とかしてるっぽいから……】

【マジで有能なシルバースライム】

【チョコちゃんマジイケメン】

 

【それに対してこの淫獣は……】

【それに対してこの駄馬は……】

【役に立つどころか足引っ張ってない?】

【最初の頃は淫獣でも役に立ってたから見逃したが……】

 

【こいつ……今の理央様と同レベルじゃないか……】

 

【草】

【草】

【さすがにそれはかわいそうだと思う】

【だよな!】

【さすがに、もうちょっとだけは上等な生物だと……】

【草】

 

「……降参です……柚希先輩、そのときのこと覚えてる限りで良いので詳しく濃密にお願いします……うぅ、柚希先輩の唇、何十回も奪っておいて私って……」

 

「え?」

「……またですかぁ!?」

 

「や、そうじゃなくって」

 

この僕よりも物覚えが悪い理央ちゃんに、呆れ半分で言う。

 

……ていうかたぶん日常が充実してたから、僕なんかとの思い出を忘れただけなんだろうけどね。

 

………………………………。

 

「……お、怒ってます……?」

 

「………………………………怒ってないよ」

 

ふー。

 

落ちつこう。

 

理央ちゃんのことは、僕がいちばん知ってるじゃないか。

 

この子は、こういう子だって。

 

【ユズちゃんが……!?】

【怒りを……!?】

【今一瞬、目つきが……】

【ユズちゃんが怒るだなんて】

 

【あ、でもすぐに戻った】

【えらい】

【けど、ユズちゃんにこんな顔させるって本当に何やったんだ理央様……】

【まさか……】

 

【待て  審判はユズちゃんから聞いても遅くはない……】

 

「……ふぅ。 で、キスされてたときのことでしょ?」

 

「はいぃ……うぅ、私のばかぁ……」

 

「幼稚園のときね」

「幼稚園の。 ………………………………はいぃ?」

 

【草】

【そら忘れるわ】

【草】

 

【むしろ忘れる方が正常だよね】

【むしろユズちゃんが覚えてるのが奇跡的なレベルでね】

【女の子は早熟で、小さいころのこと覚えてる確率高いから……】

 

【ちょうちょなのに?】

 

【草】

【ちょうちょ言うな!!】

 

【もしかして:ちょうちょの影響、ちっちゃいころはなかった】

 

【あっ】

【それだ】

【なるほど、まだユズちゃん家の地下のダンジョンの魔力が少なかったとかそんな理由か】

 

「……柚希せんぱぁい……さすがに幼稚園のことはノーカン――」

 

「理央ちゃん……本気で覚えてないの? 君、校庭で遊ぶ時間にいつも僕を、ちょうど遊具と木で隠れる場所に引っ張ってって、何分もちゅーしてきてたんだよ? ほとんど毎日……他の子に見られても平気でさ……」

 

「う゛ぇっ!?」

 

え?

 

この反応……ほんとに覚えてないの?

 

「おかげで他の子と遊ぶ時間なくって寂しかったんだから。 なのに、僕がやだって言うとわんわん泣くし、んで、良いよって言ったらけろっとしてちゅーしてくるし」

 

「あっ、あのっ! 柚希先ぱ――――――――」

 

「幼稚園の……最初は覚えてないけども、少なくとも年中さんで、気がついたら毎日それをされてた。 で、僕たちの家のどっちかにお泊まりとかするときは、一緒のお布団で寝るときに僕が眠くなって寝ちゃうまで、ずーっとちゅーしてきてて離してくれなかったのも、本当に忘れたの? 本気で?」

 

「     」

 

【悲報・ユズちゃん、おこ】

【まぁねぇ……】

【あーあ】

【そこまでしといて忘れるとか……】

【いくら幼稚園でも、それはなぁ……】

 

【判定は?】

【理央様がギルティ100%だが?】

【草】

【理央様……本当にぽんこつなお方……】

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