ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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35話 4姉妹パーティー結成 僕は下から2番目の妹

「あの、それで、改めて私のポジションなんですけど……」

「ええと、確かモンクだと、昨日……」

 

光宮さんやお母さんよりもおっきい夢月さんのお胸を満喫しているおまんじゅうのことを、はらはらしてるあいだに話は進んでいたらしい。

 

……良かった、吸わなくって……。

 

だっておまんじゅう、夢月さんのお胸にものすごく顔うずめてきゅいきゅい言ってたからさ……。

 

「はい! 私、体動かすのとか好きなので、接近戦が得意みたいなんです! 他の獲物もひととおりできるんですけど、このパーティーなら最前線がベストじゃないかなって。 ちょっとだけ戦った経験もありますし」

 

「いくつも適性あるの!? すっごーい!」

「ええ、すごいですね。 憧れます」

 

だんだん思い出してきた。

 

確か、電車でえんえん揺られてる中で説明されたところによると、光宮さんはモンク……拳1つで戦うのが最大の適性らしい。

 

中学までは空手とかやってたらしいし、大会では優勝したことあるらしいし、とにかく元気な彼女にはぴったりだよね。

 

……本当。

 

だからこそ、僕なんかに遠慮してダンジョン潜りしてなかったのが申し訳なさ過ぎたんだ。

 

光宮さんのかわいさとトーク力、そして適性。

 

さらには小学校のころから配信してれば、今ごろはこんなド田舎じゃなくって都会でぶいぶい言わせられてたはずだもん。

 

もしかしたら今ごろは有名配信者、しかも上位組に……ううん、きっとなってたはず。

 

……仲が良くってお世話焼いてくれて、優しい幼馴染みがいなくなっちゃうのは寂しいけど、彼女の事を考えたらダンジョン潜りで有名になった方が良かったはずなんだ。

 

でも。

だからこそ……遅くなっちゃったけども、今からでも。

 

僕たちの配信で目立って、さっさと僕たちを飛び越えて大人気になってね。

 

僕は、そのためにユニコーンなおまんじゅうの知名度を使うんだ。

 

僕、光宮さんの子供、抱っこしてみたいんだ……あ、違う違う僕のって意味じゃなくて、光宮さんと誰かとのあいだに産まれた、光宮さんのちっちゃいころみたいな子供を、

 

「………………………………」

 

なんだろ。

 

なんで、光宮さんが他の格好いい男と……って想像しても、今まで何ともなかったのに。

 

なんか、ちくってする。

 

……なんだろ、これ。

 

「……じゃあ、剣使う私と前衛できるね! 良いんじゃない?」

 

「ええ、前衛か中衛が必要だとは思っていましたから……私は賛成です。 パーティーの戦術的にも、なによりも柚希さんのお友達ということでも」

 

僕が変なもやもやに惑わされてるあいだにも、みんなの話は進んでいく。

 

ひかりさんは大剣使いだから前衛。

 

別に普通の剣でも良いらしいんだけども……その、まだ元気な小学生らしく、マンガとかアニメみたいにぶんぶんでっかいのを振り回したいらしい。

 

ちっちゃい子がでっかい武器ぶんぶん振り回すのはすっごい違和感だけど、ダンジョン配信とか観てるとそれなりにあるから珍しくはない。

 

で、夢月さんはソーサラーだから、魔法で遠距離攻撃な後衛。

 

……夢月さんも僕みたいに遅咲きなのかな。

それともこういうのが怖くって、今まで受けなかったのかな。

 

そうだと思うと、ちょっと親近感。

 

……ついでで僕もまた、後ろで突っ立っておまんじゅうに戦ってもらうだけだから、後衛。

 

そうなるとひかりさんだけが大変だから……ってのは、この前に3人でパーティー組もうって話したときに話題になったんだよね。

 

「私、友達と……まぁ、そこそこ潜ったことあるので。 途中加入ですけど、お役に立てると思います!」

 

「まあ、それは心強いですね」

「私たち、完全初心者だもんねー」

 

「そこそこ」止まり。

 

本当、「友達に、どうしてもって頼まれちゃって」ってのが年に何回か。

 

才能もポテンシャルもあるのに、「そこそこ」程度。

 

……だから、これからは「僕と一緒」ってことならきっと、僕に気兼ねなく潜れるよ。

 

「でも、こんなに早くパーティー揃うだなんて! これならすぐにでも潜れそう!」

「ええ。 少し不安ですけど、でも、3人もお友達と一緒ですと……なんだかわくわくしてしまいますね」

 

おまんじゅうを渡しては受け取って抱っこし合ってる2人は、なんだか嬉しそう。

 

……そうだよね。

 

女の子だって、ダンジョンに潜ってゲームみたいにモンスターばっさばっさするのは楽しいよね。

 

僕も、基本無料のゲームとか、電気屋さんのワゴンで売ってる古いゲームとかしかしないけど、剣と盾と鎧でどっしりと構えて強いモンスターと戦うのとか楽しいもん。

 

「……柚希先輩、良かったですね」

「うん。 理央ちゃんもありがとね」

 

「……今、初めて迷わずに……はぅぅ……」

 

光宮さんには、何から何までお世話になってる。

 

幼稚園からずっと、10年以上も、事あるたびに面倒見てもらってたんだ。

 

「きゅい?」

 

おまんじゅう。

ユニコーン。

 

ものすごくレアらしくって、まだ赤ちゃんなのにあんな攻撃できる子。

 

そんな子が、なぜか僕を気に入ってくれて、力を貸してくれる。

 

「ひかりさん。 ユニコー……おまんじゅうさんが、星野さんが恋しくなってしまったようです」

「あ、ごめーん! やっぱりお母さんの方が良いよね!」

「きゅい!」

 

「……お母さんじゃないですけどね」

「きゅいきゅいきゅいっ」

「あははっ、もうっ」

 

それに、初心者講習で一緒になっただけなのに、これからも一緒にパーティー組もうって言ってくれたひかりさんに夢月さん。

 

そして……やっぱりお母さんだって思われちゃってるのか、僕に飛び込んできて胸元に……吸い付いてこようとするから、さりげなく反対向きにして抱っこしてあげた、おまんじゅう。

 

僕は、この子たちとダンジョンへ潜るんだ。

 

ダンジョンに潜って、いっぱい稼いで……ちょっとは男らしいところも見せつつ、今の生活から脱出して。

 

それで、都会の良い病院にお母さんを預けられるだけ、がんばるんだ。

 

……あと、わがまま言って良いのなら。

 

留年する前に高校に復帰して、ちゃんと授業も受けたいんだ。

 

「………………………………」

 

……もひとつ、わがまま言うなら。

 

ダンジョンの中って、魔力で体動かしやすいらしいし、レベルが上がれば何時間歩いても平気らしい。

 

だからそんな生活してたら、ムキムキになって、さらには成長ホルモンが今さらにでも出て、男らしくなれるんじゃないかなって。

 

そうしたらもう、今日みたいに女の子な格好しなくても

 

「……ぎゅい……」

「ん? 変なとこ撫でちゃった? ごめんね」

「きゅい!」

 

何考えてたんだっけ、僕。

 

まぁいいや、みんなに着いて行こうっと。

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