ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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347話 高校復帰……したけどなんか変

「……ということで、ようやくに学校に戻る許可が出たので……帰ってきました。星野です」

 

最後に登校してから――5ヶ月。

ぎりぎり半年は経っていない……はず。

 

……みんな、覚えてる顔よりもちょっとだけ大人になってる。

 

僕とは違って、ちゃんと成長している高校2年の同級生たちが――

 

「「「「うおぉぉぉ――――――!!!」」」」

 

びりびりびり。

 

教室中が震えている。

思わずで耳を押さえちゃうのはしょうがない。

 

「………………………………?」

 

みんな、そんなに僕が帰ってきたことをこんなに……そうじゃないよね。

 

「心配かけちゃいましたけど……学費も払えましたし、あと、みんなのノートのおかげで勉強にもなんとかついてける……はずなので」

 

「そうじゃないよユズちゃん!」

「そうだぞユズちゃん!」

「もっと自信持ってユズちゃん!」

「学校のアイドルのユズちゃん!」

 

「?」

 

あれ?

今、クラスの人たちが僕のことを「ユズちゃん」って――

 

「みんな、ずっと待ってたんですよ柚希先輩……バイト漬けでも学費、払えなくって休学しちゃってた、柚希先輩っていう級友のことを……ずっと、見守りながら……!」

 

「……理央ちゃん」

 

がたりと跳ねる理央ちゃんの髪の毛。

 

いつも美容院で流行りの髪型にチャレンジしてる――けども、最近は伸ばすのにお熱らしい彼女の髪は、半年近く前からかなり伸びている。

 

「そうだよゆずきちゃん。みんな、友達として心配してたんだって。友達が学校行けなくなってたら心配するのは当然だし、ノート取ってあげるのも当たり前のことなの。だって友達だもん」

 

「……ひなたちゃん」

 

ひなたちゃんのツインテール――じゃない、サイドテールってのだったね――がぴょこんと跳ねる。

 

お嬢様学校の清楚な制服を着こなしているひなたちゃん。

夏服でもどことなく清楚な雰囲気があるのはさすがだね。

 

ひなたちゃんのもともと長かった後ろ髪は、今や、がたりと中腰になると腰までをカーテンみたいに覆い隠すほど。

 

「学友の方――しかも半分くらいは小学校から、残りの方も多くが中学からずっと一緒の、地元の方々だそうですね。だからこそ……私のような都会っ子では想像もできないような固い絆で、まるで家族のように待ち焦がれていたみたいですよ?」

 

「……あやさん」

 

あやさんが――うちの高校の制服に身を包み、その女の人らしい体が窮屈そうな姿で……座っている机もイスも窮屈そうにしている。

 

彼女の暗い色の長いストレートの髪は、今は軽く結っている。

そうでもしないと床に着いちゃうんだって。

 

「え、ええと……こほん。柚希さんは、これまでが大変でしたけど……今日からはまた、ただの高校生として。普通の高校生として普通の高校生活を――一生に一回しかない時間を、過ごすんです」

 

「優さん……」

 

優さんが――普段は縛っていた髪を解いてふわりと広げて少し幼い見た目になっていて、けれども理央ちゃんよりは大きいそのお胸の縛りを解いて、クラスで1番背の高い男子と同じくらいの座高ですらりと制服に身を包んでいる。

 

「あ、大丈夫だよゆずきちゃん! ひなたたち、先に何日か一緒に居たから、もうすっかり仲良しなの! ね!」

 

「はい! 日向様!」

「小5ロリがうちのクラスに……」

「しかもあっちの学校の制服のままとか……」

「ひなた様! うちの親の再就職先! ありがとうございます!」

 

「――ねぇ、みんな。『様』は禁止って――――言ったよね」

 

「はい! ひなたちゃん!」

「失礼しましたひなたちゃん!」

 

「うんうん、ひなたたちは同級生だもん!」

 

なんだか熱狂的な顔と声を向けられているひなたちゃん。

 

「………………………………」

 

……ひなたちゃん?

 

「………………………………?」

 

あれ?

 

そういやどうしてひなたちゃん……ああそっか、確か飛び級して高校2年生になってるんだったっけ。

 

「……けれど、その……い、痛々しくないでしょうか……?」

「いい大人が……ですし……」

 

「そんなことないです夢月さん!」

「あやさんは一昨年まで高校生だったんですから!」

「大学生のお姉さんが高校の制服を着てるとか……ふぅ」

「素敵なジャンルです!」

 

「月岡さんだって3年前まで女子校の王子様だったって聞きますし!」

「普通に女子の制服でも、素敵……」

「普通にしてても王子様っぽいよね」

「俺、男だけど、優さんの男らしさに正直興奮する」

 

ちょっとだけ小さく見える机に縮こまるあやさんに優さん。

 

2人は――たとえるならお母さんが小学生の服を着てきゃっきゃしてるときのあの雰囲気がある。

 

けども恥ずかしそうにしているし、サイズは普通に合っているから、お母さんみたいな痛々しさは欠片もない。

 

毎回幼く見られるたびにタップダンスしてどやっとして「私もまだまだ若いんだから!」とかいうあの母親の痛々しさは、息子として1番見たくない光景だもん。

 

「はぁ……柚希先輩と、夢の同じ教室に……」

 

「いや、理央ちゃんはHR前と休み時間とお昼休みと帰りのHRにいつも居たでしょ……」

「正直違和感ないよなぁ」

「ペッ」

「おい、残念理央様扱いは敷地内では厳禁だぞ」

 

理央ちゃんが――理央ちゃんが、いつも休み時間に襲来してたときみたいに自然にうちの学年に溶け込んでいる。

 

普段と違うのは、なぜか普通に机とイスに座り筆箱とノートを置いていること。

 

「………………………………」

 

「………………………………?」

 

あれ?

 

なんでこうなってるんだっけ?

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