ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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349話 男らしく男だって告白した

「……おお、あれが……!」

「うちの高校の名物……」

 

「「ユニコーンサキュバスロリ、ユズちゃん……!」」

 

ざわざわ。

 

みんなが僕のことを指差している。

 

「……なんか変な呼び方されてるなぁ……」

 

「その……騒ぎが全国規模と言いますか、全世界規模と言いますか……」

「みんなを守ったんだもん! 英雄だもん!」

 

「問題はそのあとのいろいろなのですけど……」

「うぅ……やっぱりいい年した大人がこれを着ているのを高校生たちに見られるの、恥ずかしい……しかも女子の制服をだなんて……これじゃコスプレだ……」

 

廊下を歩けばひそひそ話され、食堂に行けば全員から視線を浴びせられる。

 

……有名になるって、大変すぎる……!

 

「きゅひっ」

「おまんじゅう? 女子更衣室とか勝手に行ってちゃダメじゃない」

 

そんな視線の一部を吸ってくれるのが、おまんじゅうたち。

ちょっとだけ癒やされる。

 

「ぴぴっ」

「チョコはそのお手伝いとかしないで。……みんな怒らなかったから良かったものの……」

 

僕の腕の定位置には白くてふわふわしたおまんじゅうとその上のメタリックなチョコ。

 

「チョコ先輩? その……おまんじゅう先輩はですね、すごくスケベさんなので」

「ぴ?」

 

……この子、最初からずっと一緒なのに考えてること全然よく分かんないんだよねぇ……久しぶりにズボン穿こうとして買ってもらったら、やっぱり謎の魔法で捨てちゃったしさ。

 

ズボンだって安くないのにね。

何回怒っても知らんぷりするんだから、もう。

 

「あれが……淫獣……!」

「でもかわいかったよ?」

「そうそう、まるでがっついてくるショタっ子みたいで」

「わかるー」

 

「必死なのが良いのよねー!」

「年下って、良いわよねぇ」

「えぇ……」

 

「でも……今日はどっちだ……?」

「わからん……」

「見た目では、もう女子としか……」

「なぁ……校外秘の情報なんだけど――」

 

……ま、さすがに校内では僕が男だって知ってる人が多いし、ちょっと気は楽かな。

 

「だが、性別可変なんだろ?」

「なら、やっぱり……」

「昨日はどっちだったのかしら……!?」

 

 

昨日って?

 

昨日は――――――あー、多感な時期の高校生たちだ、僕たちの関係でそういうのを連想するのはおかしくない。

 

……こうやってちょっと考えるとすぐ頭だけでもリリスモードに切り替えられるけども……あんまり知りすぎるのもそれはそれでなんか嫌だなぁ……またオフにしとこ。

 

なんか「ちょうちょモード」とか呼ばれてるけど……否定はできないけど……。

 

「柚希さん、あの誤解、学校内だけでも解かなくて良いんですか?」

「ゆずきちゃんってば、男の子と女の子、どっちにもなれるって知られてるもんねぇ」

 

あ、ちなみに、さすがに理央ちゃん以外の人たちにも、僕の本当の性別については話した。

 

さすがにね……その、こんな僕でも好きって言ってくれて、あとなぜかもう重婚の婚姻届とかみんなから出されたらね……。

 

けど、あのときは――やっぱり恥ずかしかったな。

 

 

「あ、そういえばみんな。言い忘れてたことがあるんだけど」

 

「? なぁにー?」

「はい、なんでしょう」

 

「? なにかありましたっけ、柚希先輩」

「今は――うん、ちょ――柚希さんモードだね……よし、突飛なことは言い出さないはず……」

 

とことこと歩いてくるひなたちゃんに振り向くあやさん。

優さんの髪をいじってる理央ちゃんに、弄られてる優さん。

 

「僕の性別は――――――男です。今まで黙ってて、ごめんなさい」

 

ぺこり。

 

立ち上がって、みんなの前で頭を下げる。

 

――そうだ、最初のころに初心者講習からずっと、みんなを騙していたんだ。

 

嘘がばれるのが怖くって、だからずっとずっと塗り固めて。

 

……チョコが体に張り付くとなぜか肌色に同化して胸とおまたが理央ちゃんのそれとそっくりな女の子の見た目にもなるし、リリスとしての権能でやろうと思えば本当に女の子にもなれるらしい。

 

でも、僕はそのどちらもしない。

 

「柚希先輩……」

 

「………………………………?」

「………………………………?」

「………………………………?」

 

顔を上げると――困った顔をしている理央ちゃんに、僕のついていた嘘を理解するのに時間がかかっている3人。

 

「……ゆずきちゃんはゆずきちゃんでしょ? かわいい女の子だよ?」

「え、ええ……こんなにもかわいらしい子は、そうそういないかと……」

 

「ぐふっ」

 

ああ。

 

会う人会う人に女の子って言われるし、男って言ってもなかなか信じてもらえない僕。

 

……意を決してごめんなさいしたのに、それすら信じてもらえないだなんて……。

 

「柚希先輩……」

 

「良いんだ……分かってたよ……それに、元はと言えば僕が悪いんだ……」

「いえ……私も、美人パーティーとか言ってそれに乗ってましたし……」

 

僕の背中をさすってくれる理央ちゃん。

こういうときは、理央ちゃんだけが頼りだ……。

 

「……柚希さんと次のステップに進むためには……柚希さん自身が成長するまで何年か待つつもりでしたけれど……もしかして性自認が……? なら、男の子として接してあげた方が……ええと、お友達に言われました『おねショタ』なるものを……」

 

「んー、ひなたはどっちでも良いけどなぁ。そもそもリリスさんでどっちでも楽しめるって……あ、おばあさまからお電話。もしもしー」

 

「え、ええと……? ちょ、ちょっと待ってください……? ……あ、もしもし? 月岡ですが、少々聞きたいことが。……えっ。ほ、本当に……!? 住民票が……!?」

 

あやさんはなにやら不穏な単語を調べてるし、ひなたちゃんには電話がかかってきて優さんは誰かに電話してるし。

 

……他の人とかに意見聞かないと信じられないほどなのかなぁ、僕って……。

 

「きゅひっ!」

「ぴっ!」

 

「いえ、あの、大切な場面ですからワタシたちは外へ行きますよ、先輩方……?」

 

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