ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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351話 捕食回避

「――つまり、ゆずきちゃんが男の子ってことはぁ……」

 

ぺろり。

 

「ひなたちゃん……?」

「――ゆずきちゃんとえっちしたら、赤ちゃん、産めるんだよね……?」

 

「? 赤ちゃん?」

「……ちょうちょモードだったらぁ、もっとおいしいもんねぇ……」

 

じり。

 

ひなたちゃんが――怪しい目をして僕を見てくる。

 

「ひ、ひなたちゃん!」

「りおちゃん?」

 

くるり。

 

「い、いつもみたいには行かないもん! 今回こそは私の方が正し――」

 

「――――ずっと我慢してきたゆずきちゃんの初物。みんなで譲るよ?」

「えっ」

 

ぴたり。

 

止めてくれようとしていたはずの理央ちゃんが、止まる。

 

「ひなたたちは、仲良くしたいの。だからちゃんと守るよ? 理央ちゃんは、必ず1番。なんなら、最初の数日くらいはぜーんぶ理央ちゃんだけ」

 

「ごくり……」

「理央ちゃん?」

 

「ひ、ひなたさん! そういうのはきちんと双方の意思の確認を――」

 

「あやちゃん、言ってたよね。学生結婚に憧れがあるって」

「えっ」

 

「?」

 

学生結婚?

 

「ひなたたちがゆずきちゃんと結婚するのは決まってるけど――4年生卒業する前に『おかあさん』になれるのは――今、だけなんだよ?」

 

「!?」

 

ひなたちゃんの様子がおかしい。

あと、あやさんの様子もおかしくなってる。

 

理央ちゃん?

 

前からずっとおかしいから気にする意味はないし、肝心なところで動きが止まるからほっとけばいい。

 

「ひ、ひなたさん! そういうものは雰囲気で流すのは――」

 

「どう見てもひなたとおんなじ小学校の女の子なゆずきちゃんに発情してた優ちゃんは黙ってて」

 

「     」

 

あー、そういえば優さんのあの匂いは理央ちゃんとおんなじで、春ごろ庭に来る猫とかのとおんなじだよね。

 

けどそれ、今は、みんなから来てるんだけど……なんか怖いから言うのやめとこう。

 

「……あの、発言よろしいでしょうか」

 

「あ、エリーちゃん。居たんだ」

「う゛……は、はい、ユズ様がその……一定以上の危機を覚えていましたので……」

 

「――――そうなの?」

 

「うん」

 

ずっと――この雰囲気だと、たぶんとっくにひっくり返ってるだろうおまんじゅうを連れてくために出てったエリーさんは、そのすぐあとに部屋に転移してきて、ソファの後ろに隠れてた。

 

たぶん、いざってときにこうして守ってくれようとしてるんだ。

今度、なにかお礼しないとね。

 

「なんで、言ってくれなかったの」

 

「だって、ひなたちゃんが怖いから」

「え」

 

ぴたり。

 

「……ひなた……怖い?」

「うん」

 

さぁぁぁぁ。

 

彼女の顔が青くなる。

 

「……どのくらい?」

 

「んーと……その匂いが特に濃いときの理央ちゃんがお風呂に押しかけてきて鼻息荒く揉んできたときくらい」

 

「……ごめんなさい。ちょっと落ち着くね」

「うん、ありがとう」

 

しゅんとしたひなたちゃんが数歩下がって、ぽすっとイスに腰掛ける。

 

「あ、あの、理央さん……?」

 

「    」

 

「無理もありません……いえ、私たちが言えたことではありませんけど……」

 

理央ちゃんは顔を真っ赤にして硬直している。

 

――僕がいつも、今みたいな生命の危機を覚えたときにやってるように、なんとかして彼女の上に乗っかって耳元でささやいたときみたいになってる。

 

「……そうですね。年上の女性4人から」

 

「あの……ユズ様は一応、ひなた様と理央様よりは年上で」

「あ」

 

「………………………………」

「………………………………」

 

「……年上2人と年下2人とは言え、迫られたら怖いですよね」

「はい、ちょっと怖かったですけど……今なら大丈夫です」

 

部屋の空気が、ちょっとだけ涼しくなる。

 

「あ、でも大丈夫です。いつも理央ちゃん、お風呂とかで僕が全裸になって安心してるところに全裸で突撃してきて、あの匂い振りまいてきて僕のこと揉みしだいたりちゅーしようとしたりおまた開いてこようとしたり舐めたりしようとしたりさせてこようとしたりしててくるので。ちからづくで無理やりえっちなことしようとしてくるのは、ちょっと怖い程度で慣れてますから」

 

「     」

 

「あの、もうこんな流れになったのでぶっちゃけます……ユズ様、何度も申しますように幼体ですので……あと10年――いえ、リリスとして覚醒しているのでその半分程度は生殖能力が発現しないかと。お詫びにはならないと思いますが、ワタシの権能でみなさんが今後5年間成長しないようにすることも可能だとお伝えしておきます」

 

「     」

 

「うん、ありがとうエリーちゃん。ごめんね、ゆずきちゃん」

「ううん、良いよ。僕こそ黙っててごめんね」

 

「     」

 

「じゃ、りおちゃん? ――ちょっとおはなし、しよっか?」

 

「……さすがにたしなめる程度はしませんと……ね? いくら好きでも、限度というものがありますから……ふふ、怒ってはいませんよ?」

「う、うん……たとえ相手が男子で自分が女子であったとしても、きちんとした手順を踏まないでそこまでするのは……自制できないといけないと思いますし」

 

「     」

 

「     」

 

ぎー……ぱたん。

 

僕は、静かにドアを閉め――いつの間にか抜け出していたチョコに包まれてぽんぽんと飛び跳ねさせられているおまんじゅうを発見した。

 

……おまんじゅう……それで良いの……?

 

 

 

 

ああ、あのとき。

 

――リリスモード起動すると、あのときがいかにやばい状況だったのかって分かるんだ。

 

もうちょっとで僕は、女の子4人に囲まれて脱がされて逃げられなくされて。

 

ちょうちょモード――自然体の僕が「怖い」ってはっきり言わなかったら、たぶん今ごろは……その、貪られてたと思う……。

 

たぶんエリーさんも4人には敵わないし……?

 

「しかし、サキュバスなユズちゃんだから……」

「ああ……!」

「きっと、月岡もとい優さんまで含めて……」

「いや、エリーちゃんも含めてなんと6人で……」

 

――そんな事情も知らずに妄想を膨らませているみんな。

 

……ごめんね?

 

ちょうちょモードの僕だとよく分からないままだけども、リリスモードになるとその妄想内容まで理解できちゃって――ほら、サキュバスさんたちと同じく、僕に向けられた……えっちな気持ちが、そのまま僕の栄養になっちゃう……。

 

学校にいるだけで、膨大な魔力が貯まって行っちゃう……。

 

指摘したら絶対困るから言えないし……どうしよう、これ。

 

廊下で見てくる生徒の半分以上から――男女問わず、少しずつ魔力とか巻き上げてる形だからなぁ……いいのかなぁ、これ……。

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