ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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376話 試される大地へ飛行機の旅

「わー、見て見てー! 試される凍土が見えてきたよおまんじゅう!」

「きゅい……!」

 

飛行機――軍の、映画とかで観たことがある、トラックの荷台みたいなとこに左右の壁に据え付けられたイスに座って乗るタイプのでっかいやつ――に乗った僕たちは、初めての飛行機の旅を満喫していた。

 

「ぎゃわっ……!」

「りおちゃ――いいや、ゆずきちゃんかわいいもん」

 

「ひなたさんが……」

「恋する乙女は、いきなり成長するものですから……ええ、女子校で男役をやっていたので、よく分かります……」

 

「良いわねぇ、若いって」

「お母様お母様? お母様、ご自宅の地下のダンジョンによる影響と魔族になった影響で、肉体年齢はみなさんとそう変わらな……」

 

「わうんわうん!」

「に゛ゃあああ!」

「羽だとこんなに高く飛べないから新鮮ねぇ」

「ああ、こうも地上から離れると淫の気にあふれる女性を探せないな……」

 

僕たちの前、トラックでいう荷台の真ん中。

 

そこにはでっかい檻が据え付けられ、そこにはお母さんのテイムしたモンスターとか、僕が支配下に置いたことになってるサキュバスさんたちとインキュバスさんたちが、合わせて数十。

 

残りはお留守番――運びきれないから――ってことにしてるけど、実は大半は、あの謎の空間に置いてきてる。

 

エリーさんとお母さんに何回も何回もしつこくこれでもかともう良いからって感じで言い含められたから理央ちゃんにも言ってないけども、いざってきときには――呼べば、普通に、どこに居ても召喚できるらしい。

 

ただそれは「秘密兵器だから」なんだって。

 

秘密兵器。

なら、しょうがないよね。

 

あと、実はお母さんと僕の魔力も結構回復してるんだって。

まぁあの戦いからずいぶん経ったし。

 

だから、いざってときにはお母さんも僕も――紐しかない格好になれば、かなり強くなれるんだって。

 

けど、これも最終兵器なんだって。

最終兵器なら最後まで取っとかないとね。

 

「――先ほどもご説明しましたが、試される大地の何割の地域が、11年前より凍り付いたままです」

 

「はーい教官さん! ダンジョンの影響なんだよね!」

「はい、その通りですひなたさん。ためにダンジョンの制圧が完全ではなく、しばしばエリアごとモンスターの支配下になってしまいがちです。幸い、スタンピードはそれほど多くは起きていませんし、人が少ないので被害はほぼ皆無ですが」

 

「この大きな島の広い大地で放牧や農業、漁業の拠点になっていた……のが、昔のことなんですよね?」

「ええ、私の子供の頃は国民の食卓を支え、かつ豊かな自然で観光でも賑わっていました。あと、浅瀬での魚介類も……」

 

試される大地。

 

僕たちが向かってる場所。

ここは、昔はたくさん人が居たらしい。

 

「そのひとつ――1年前までは国内最深、最大級だった250階層のダンジョン。……その最下層から先が未確認ということでで、予定作戦期間は1ヶ月ですか」

「柚希さんとお母様の戦力なら、その半分でも可能とは思いますが……万が一があってはいけませんから」

 

「その節は誠に申し訳ありませんからどうか――」

「ああ、エリーさんを責めているわけではありません。この前のように、魔王を名乗る勢力が奇襲をかけてくる可能性を想定しているだけで……」

 

250階層。

1ヶ月。

 

「ピクニックみたいで楽しみだね、おまんじゅう、チョコ」

 

「きゅい?」

「ぴ!」

 

久しぶりに遠出して、しかも初めての飛行機に乗って、しかもしかも久しぶりにダンジョンをちゃんとした形での攻略。

 

わくわくしてきたね。

わくわくしてくるとトイレに行きたくなっちゃうのが困っちゃう。

 

「ピ、ピクニック……」

 

「ゆずきちゃんがピクニックって言ったらピクニックなんだよ、りおちゃん」

「はい……うぅ、理不尽すぎるぅ……」

 

 

 

 

「……はぇぇぇぇぇー……」

 

「      」

「りおちゃん、耐性付けないと」

 

「      」

「優さん、がんばってください!」

 

でっかい飛行機で降りた先には――体育館くらいでっかい石棺に、それを取り囲むおっきな施設。

 

普段見るようなゲートとは違ってそこここに銃を構えた軍人さんが構えていて、見るからに物々しい。

 

そして――僕たちの目の前には。

 

「試される大地、第1から10連隊。および上級者パーティー30組が、すでに準備済みです!」

 

ざっ。

 

まったくおんなじ服装をしている、ものすごい数の軍人さんたち。

それとは対称的に、服も装備も年齢もばらばらなダンジョン潜りさんたち。

 

「あれが……」

「ユニコーンの……」

「聖女……」

「サキュバスユニコーンちょうちょ聖女ロリユズちゃんか……」

 

「優ちゃーん!」

「ユズちゃんたちも、今日はよろしくー!」

「今日はがんばろうねー!!」

 

その中から、聞き覚えのある声が。

 

「優さんは今回、普段のパーティーの人たちとなんですよね」

 

「はい。戦力の関係で……やはり私がリーダーをしないとということですので。……あと」

「あと?」

 

ダンジョンで見かけるときのかっこいい装備な優さんが――ふっ、と、おめめを真っ暗にしながら言う。

 

「……どうせもう私は……年端もいかないと思っていた見た目小学生女子の柚希さんに欲情した同性趣味かつ幼女趣味な女ということが、全世界に知れ渡っていますから。……ええ、ですからもう何も恐れるものはないんです……」

 

「? そうなんですかぁ」

「はい……」

 

なんだか良く分からないけども、優さんがかわいそうな感じになっている。

 

「元気出してください。僕とはぐしたりお風呂入ったりする程度で良いならいくらでもしてあげますから」

 

「………………………………そういうのは、作戦が終わるまで我慢します」

「? そうですか?」

 

大人の女の人って難しいことで悩んでそう。

 

みんながもっと、理央ちゃんみたいに考えなしに行動するか、ひなたちゃんみたいにやるって決めたら全力でやったりすれば良いのにね。

 

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