ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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378話 【ユズちゃんの大規模校難易度攻略配信】1

「……えーっと、そんなわけで当該作戦は我が国家が11年前より喪失したも同然の領土及び領空を奪還することで各都市を再建することでの支持率の回復、並びに合衆国よりの圧力を――え? ここまで読まなくていい? そうですかぁ」

 

カメラに近すぎるからって離されて、なんか偉そうな人から見られつつも渡されてた台本を読み上げてた僕は――なんか偉そうな人から止められた。

 

「もう読んじゃった分は良いんですか? え? まだ大丈夫なとこ? ならいいや」

 

起こられる気配はないっぽい……や、笑ってるからいいや。

 

【草】

【草】

【あの……走ってきた人、幕僚長……】

【すごく威厳がありそうな人が、ただの孫を世話するおじいちゃんと化している】

【これが……ちょうちょの力か……!】

【ああ……!】

【草】

 

【でもユズちゃんはがんばった】

【えらいね】

【まさか、結構長い作戦概要を……かわいく折りたたんであったカンペ使ってでもきちんと読み終えるとは……】

【感動した】

【\50000】

 

【でもユズちゃん、緊張しいで思わず余計なことまで読んでたね】

 

【この配信の目的が、実は合衆国から要請っていう名の命令だったとか】

【この配信の目的が、実は万が一ユズちゃんが裏切りそうになった瞬間にユズちゃんたちを攻撃するためにひとまとめにしたとか】

 

【この配信の目的が、ユズちゃんがどんだけまだ力隠してるのかってせっつかれてのものだとか】

【この配信の目的が、もしユズちゃんが本当に好意的なちょうちょなら合衆国に連れてって大サバトさせるために議会と世論を納得させるものだとか】

 

【草】

【草】

【合衆国かわいそう】

【かわいそうか……?】

【いや、あんまり……】

【草】

 

【なぜ止めなかった周囲の人間!!】

 

【だって……】

【理央様たちはきょとんとしてたし……】

【ひなたちゃんはきょろきょろした後「まぁいっか」って顔してたし……】

 

【カンペ過ぎたあたりから軍人の人たちはざわざわし始めてたけど】

【なぜかあのじいさんもとい幕僚長が止めてたし……】

【一部ダンジョン潜りたちの顔が真っ青に】

【そらそうよ……】

 

【けどほとんどがだいたい合衆国関係ので草】

 

【まぁだいたいあの国が黒幕だし】

【11年前からはそんな余裕なくなってるから……】

【1年前から何度もうちの国来ては忙しそうにしてるし……】

【合衆国もかなりのエリアがダンジョンの支配下だからなぁ】

【それだけ必死なんだろうよ】

 

【\100000000】

 

【いちじゅう……おくぅ!?】

【ひぇっ】

【え? え?】

【もしかして:ユズちゃんのうっかり、予想以上にやべー情報】

【草】

【あーあ】

 

【ま、まあ、ユズちゃんに任せたのが悪いから……】

 

【それな】

【子供の手の届くところに機密情報置いといた大人が悪いよね】

【それな】

 

【でも、この原稿はうちの国の軍の人が……あっ】

【え?】

 

【幕僚長が止めなかった……あっ】

【え?】

 

【……ユズちゃんはかわいいなぁ!】

【ちょうちょかわいいね】

【ユズちゃんの新衣装なケープワンピかわいい!】

【でもそろそろお口閉じてなぜか不敵な笑みを浮かべてるおじいちゃんと見つめ合うのは止めようね】

【草】

 

「……あの、私たち……何か盛大に巻き込まれて」

「りおちゃん、こういうのは理解しちゃダメなんだよ」

 

「?」

 

「……ではこれより、私たち軍関係者は援護の任務に就きます」

「え? あ、はい、お願いします」

 

飛行機の中で何回も読んでた文章の、さらに先を読んじゃった僕は――その文章の中身を理解して考え込んじゃって。

 

で、思わずでリリスモードが起動しようとしてたのをなんとか押し込めてた。

 

けど暇だったから、おじいちゃんの立派なおひげを見てた。

なんか笑ってたし、もっと見てあげれば良かったかな。

 

「各員は所定の配置に――――」

 

「……柚希さん。私たちダンジョン潜りも、柚希さんたちの援護に回ります」

「あ、はい、優さんもがんばってください」

 

なんだか足取りも軽快に行っちゃったおじいちゃんと入れ替わりに優さん。

 

「やっぱり優さんはかっこいいですね」

「ふぇっ!?」

 

僕は、彼女を見上げる。

 

理央ちゃんみたいな動きを重視した防具でもなく、ひなたちゃんみたいに全身をがっちりと固める鎧ってわけでも、あやさんと僕みたいに布でできた軽い服ってわけでもなく。

 

「騎士様って感じ。僕も優さんみたいなかっこいい格好したかったなぁ」

 

「      」

 

【あ】

【あーあ】

【優ちゃんかわいそう】

【おいたわしい……】

【何このサキュバス】

 

【恐らくは優ちゃんにクリティカルであろう言葉を全世界同時中継の場面で投げつけるとか】

【おかげで、やっぱこの格好してると優男にしか見えない優ちゃんがメスの顔に……全世界に向けて……】

 

【かわいそう】

【かわいそう】

【でもかわいいよね】

【分かる】

 

【中性的な高身長美人からしか得られない栄養素があるよね】

【分かる】

【普段はキリッとしてるイケメン女子が、たったひと言で「女」になるのがこれ以上なくたまらないんだ】

【分かる】

【それを供給してくれるのがユズちゃんだよ】

 

【ありがとうユズちゃん  無自覚小悪魔サキュバスなロリっ子に翻弄される高身長ロリコンレズイケメン女子っていう新しい扉をこじ開けてくれて】

 

【おねロリって……いいよな……】

【ロリおねじゃね?】

【ショタって可能性は……もう、ないのよね……】

【草】

【サキュバス過ぎてとうとうユズちゃんをショタって言い張ってる勢力が壊滅しかけてて草】

 

【大丈夫大丈夫  世界中に小さな女の子がマジで好きだっていう性癖暴露されちゃってるけど、属性にクリティカルヒットっぽいユズちゃんと一緒になれたんだ、きっと優ちゃんも喜んでるよ】

 

【草】

【おいたわしい……】

【つくづくかわいそうで草】

【正直興奮する】

【分かる】

【えぇ……】

 

【ああ、大規模作戦だってのに緊張感の欠片もないサキュバスユニコーンちょうちょ聖女ロリユズちゃん配信の、この空気感よ……】

 

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