ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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379話 【ユズちゃんの大規模校難易度攻略配信】2

「じゃあ、みんな行きましょう」

 

「もちろんです柚希先輩!」

「はーい! ゆずきちゃんたちはひなたの後ろに下がってね」

「今回は魔力回復のポーションが支給されますから、私も魔法で支援し続けられますね」

 

「魔お――こほん、ユズ様が配下、サキュバス50にインキュバス50……如何様にもお使いくださいませ」

「「魔お――聖女ユズ様のために」」

 

「おう! 俺様たちも存分に暴れてやるぜ! なぁ野郎ども!」

「「へい! おやびん!!」」

 

「はーい、みんなぁ、私たちとみなさんの周りで、良い感じで戦ってねぇー」

「「わおにゃぁあん!!」」

 

「あ、お母さん、連れてきた子のうち……あの猫とあの猫とあの犬とあのハーフの子は僕がテイムした子みたい」

「あら、そうだったの。間違えて連れてきちゃったわぁ」

 

「ダメじゃないお母さん、大切なときに間違えちゃ。僕、おまんじゅうとチョコしか面倒見られないよ」

「大丈夫よぉ、みんな一緒に育ててるし、私たち姉妹だから大丈夫なの!」

 

「お母さんはお母さんでしょ……」

「姉よ!!」

 

「そうです! 柚希先輩はみんなの妹です!」

「そうだよ? ゆずきちゃんはひなたの妹なの」

「あ、あの……みなさんの目が……」

 

【草】

【草】

【草】

 

【開幕グッダグダで草】

【草】

【やべぇちょうちょだ!】

【気をつけろ、鱗粉で頭がやられるぞ!】

【草】

 

【ああ、やっぱこれだよユズちゃんの配信って】

【末裔たち一同が深く同意するわ】

【ほんそれ】

【初期は……初期はほんとうにまともだったんだ……】

【本当か?】

 

【ごめん盛った  ときどきまともになってただけで、基本ユズちゃんはひっらひらしてて理央様がシャウトしてて、まとも要素はあやちゃんとひなたちゃんだけだったわ……】

 

【だよな!】

【草】

【ひなたちゃんは、もう……】

【あやちゃんだけが癒やし】

【癒やしを共有するはずの優ちゃんは別行動だし……】

【もうダメだ……】

【草】

 

【てか美男美女のサキュバスインキュバスたちにも劣らない美女is誰?】

【さぁ?】

【あのおっぱいっ子、なんか羽生えてるんですけど……】

【一人称「俺様」、呼ばれ方「おやびん」……え?】

【もしもしユズちゃん?? なんかワイバーンたち人化してない??】

 

【これは人外スキーたちも激怒】

 

【いや、これはこれで】

【別に普段がワイバーンモードなら……】

 

【おやびんちゃんの羽がどこから生えてるのか見せてくれたら3ヶ月くらいいける】

 

【おやびんちゃんの角?の生えてる根元見せて  \300000】

 

【$50000】

 

【草】

【ひぇっ】

【えぇ……】

【何この配信】

【こわいよー】

【やべーやつらが召喚されてて草】

【ユズちゃんの配信だからね……】

 

これまで何回も通った、ダンジョン前のゲート。

 

そのどれよりも雰囲気が重々しくって、飾りつけどころか案内標識もなくって。

どこを見てもごつい銃を構えた完全武装の兵士さんたちがこっちを見てくる。

 

……ここは、それだけ厳しいところなんだ。

 

僕も、がんばらなくっちゃ。

 

「あれが……」

「ああ……!」

「俺、生きてて良かった……」

 

「生ユズちゃんをこの目で……うぅ……」

「ユズちゃんと愉快な仲間たちをライブで見られるとは」

「良いよなぁ、一緒に攻略できるやつら」

 

周りでわんにゃんうるさいからあんまり聞き取れないけども、どうやらあの軍人さんたちは自分たちも戦いたかったらしい。

 

「………………………………」

 

「? ゆずきちゃん?」

「ちょ、ちょっと待ってください! あ、あの、今柚希先輩が……」

 

たたっ。

 

僕は、ダンジョンへの階段を――何十人が横に並んでもへっちゃらな、まるで地下神殿の入り口みたいな階段を降りる前に引き返す。

 

【!?】

【は?】

【草】

【悲報・ユズちゃん、なんかいきなり帰ろうとしてる】

【なぁんでぇ……?】

 

【もしかして:ちょうちょ発動】

 

【草】

【草】

【あー】

【ひらひらしちゃったかぁ】

 

【待て、どうやら……】

 

「……軍人さんっ」

 

僕は――やっぱりダンジョンに近づくと体が軽くなって気分が良くなる僕は、一瞬で数十メートルを戻り。

 

銃を下に向けつつお口をぽかんと開けている軍人さんたち――口元以外がっちがちに固めているからどんな人なのかは分からないけども、女の人も男の人も、背の低い人も高い人も――たぶん若い人も歳を取った人も居る。

 

そんな彼らに、僕は言う。

 

「いつも町を守ってくれて、ありがとうございます。僕が戦えなかったときも戦えるようになってからも、ずっとみんなを守ってくれて、ありがとう。前から言いたかったんです」

 

「       」

「       」

「 ゛     」

「    ゜  」

「       」

「       」

 

僕は、知っている。

 

バイトで裏方とかしてると、よく分かるんだ。

 

ああいう、お客さんからは全然見えなくって「え? 居たの? え? そんな仕事してたの?」っていうことほど大切なんだって。

 

地味だし達成感もないし、誰から褒められることもない。

 

けども、僕は――ダンジョンの適性が出なければ、そういう仕事をするつもりだったんだ。

 

「お仕事、これからもがんばってくださいね。ここでのそれがちょっとだけ楽になるように、僕たち、がんばってきますから。……あ、そうだ」

 

僕はふと、お母さんから教えられたのを思い出す。

 

そうそう、こんな感じでお母さんのぶりっ子ボイスを意識して、小学生に見られたときのお母さんのぶりっ子みたいに肩上げて首かしげて幼い感じの笑顔にして――――

 

「――お兄ちゃん、お姉ちゃん。だーい好きっ♪」

 

軍人さんたちへの、縁の下への日ごろのお礼として――僕なりの「かわいい」をあげてみた。

 

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