ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。 作:あずももも
【これでユズちゃんが聖女だって吸血鬼っ子ちゃん魔王からも認定されたね!】
【朗報・ユズちゃん、世界に認められる聖女】
【まぁあれは聖女ではあるな】
【大丈夫? その聖女、頻繁に羽ばたくよ?】
【しかもえっちにもなるよ!】
【大サバトとか突如として起こすよ!】
【性女では……?】
【ほら、神様って言うじゃん 産めよ増やせよって】
【ふぁっ!?】
【繋がっちゃった……?】
【繋がっちゃったね……】
【草】
【※ユズちゃんはユズちゃんなので既存の宗教などとは一切関係ありません】
【あんなのが昔から居てたまるか】
【それはそう】
【世が世ならマジで崇められそう】
【草】
【ユニコーンとサキュバスと聖女っていう、絶対相容れない属性同士がなんか不思議と繋がっちゃったね……】
【草】
【草】
【なぁんでぇ……?】
【冗談言ってる場合か!?】
【だって、俺たちにできることないし】
【え、なにこの重低音】
【ちょっと待って、なんか画面が揺れてるんだけど】
――――ずずずず。
地が、揺れる。
地が――浮上する。
「っ! まさか――地上へ、出るおつもりですか魔王!」
エリーが、叫ぶ。
ダンジョン全体を――最下層から包み込み、かつ押し上げていく膨大な魔力を感じて。
『そうだ』
「何が目的で! そもそもユズ様を――――」
『ユズ……聖女の名か。決まっておろう』
大きな揺れ、地響き――そして、城とその周辺の大地と相対的に、高度を下げていくエリーたち。
「な、何だぁ!? 飛んでるのに落ちてんぞ!?」
「――いえ、これは……!?」
『そうだ。聖女と強い繋がりのある淫魔、お前たちや有翼種――聖女のため、殺しはしない。ただただ邪魔をせず、そのまま地べたで這いつくばっていろ。配下には、迎撃だけを命じておく。……あの魂の清き乙女を救えなかった、お前たちはな』
◇
――――――ずず。
「? おい、揺れてないか?」
「中継見てないのか? この地下で……何だ!?」
ダンジョンのはるか上――地上。
その無骨なゲート前。
そこで待機していた兵士たちが、激しい揺れにたたらを踏む。
「!? ――総員、待避ー!! しっ、指揮官権限で全員強制で待避する! 避難先は第2防衛戦の内側の救護班詰め所だ!」
「え? ちょ――――――」
「下にはまだユズちゃんが――」
――――――しゅんっ。
そのダンジョンの上から――周囲から、人が姿を消した。
11年前に世界がダンジョンに侵された事件から、ようやくに人類が奪還した象徴であるゲート前から――1人、残らず。
人が建て、持ち込んだ構造物と軍用車や仮設テントを残して。
だがそれらは――次第に、持ち上げられていく。
盛り上がった地面によって――どこまでも、どこまでも。
その地面は、歪んでいく。
人の作り上げた聖域が、破壊されていく。
『――この異界を起点とし、貴様ら愚かなる人間に天誅を下す。これは、侵略ではない』
――ぼこっ。
ぼこぼこぼこぼこっ――――――!
数十メートル盛り上がった地面の先端が裂け――下から、巨大構造物が頭をのぞかせる。
「数十階の階層を備えるダンジョンという地下構造物」が――地底から、昇る。
『――おい、まさか……!』
『だ、大統領へお知らせしろ! それと連合軍にもだ! ダンジョンが、ダンジョンそのものが――』
その周囲を警戒していた――柚希の動向を警戒しての連合国による24時間警戒網のうちの2機の戦闘機が、下から吹き上げる乱流に飲み込まれ――――――
『『うわぁぁぁぁ!!』』
――ぱしゅっ。
パイロットたちが射出された機体は、ほんの数秒で「地上300メートル」まで盛り上がってきた多層構造物に激突し。
『な……なんだありゃあ……!?』
『あれが……ダンジョンなのか……!?』
パラシュートが開いてほっとした彼らが、目にしたものは。
『――――魔の者による、この世界の統治だ。異論は、認めぬ。力無き者の反逆は、すなわち死を認識せよ』
――――空へ浮き上がっていたのは「地下にあるから『ダンジョンと呼ばれていた構造物』そのもの」だった。
◇
【ユズちゃんが囚われの姫になった件について】
【吸血鬼っ子ちゃんも無事ユズちゃんの虜になったか……】
【ああ、因果関係が逆なのね】
【けど……】
【ああ……】
【あの魔王ちゃんの言葉を総合するとだな……】
【吸血鬼っ子ちゃん「ユズちゃんしゅきぃ……♥」】
【吸血鬼っ子ちゃん「けど、この世界で大人気みたい……」】
【吸血鬼っ子ちゃん「じゃあ世界滅ぼすね♥」】
【吸血鬼っ子ちゃん「ユズちゃん以外要らないもん♥」】
【ひぇっ】
【ヤンデレかな?】
【ヤンデレ界での格は最上位に迫りそうだな……】
【あの ユズちゃんが誘拐されて、まだほんの2、3時間で】
【手が早いのね、ユズちゃん……】
【そんな子を堕とすだなんて……ユズちゃん、どんな手練手管で】
【素でしょ?】
【素でしょうな】
【素で堕とした以外にあり得ませんな】
【ちょうちょかサキュバスか……いや、ちょうちょだろうな】
【サキュバスなら今ごろ腰抜けて理央様だからな!】
【草】
【親衛隊も賛成します】
【親衛隊としましては、ユズちゃんが……あれは中学1年のときだったでしょうか スクールカースト的に最上位だったギャルっ子が、新学期からたったの1週間でメロメロになって】
【理央様っていう強敵と盛大なバトルを繰り広げた大事件をお伝えします】
【なお当時のユズちゃんはこれーっぽっちもみじんもかけらもまったく意識していなかったことを付随しておきます】
【たぶん今では記憶の底にも残ってないってみんな言ってます】
【あのギャル、今でも片想いして理央様とときどきバトってるって報告しておきます】
【草】
【草】
【あーあ】
【ユズちゃん、魔性の女……!】
【ユズちゃんのたちの悪いところは、男女関係なしに堕とすところだな……】
【※ちょうちょです】
【もうだめだ……】
【草】
【ひ、庇護欲だから……】
【そのせいで魔王が宣戦布告してきてるんだが】
【あっ……】
【ユズちゃん……どうして……】
【草】
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ないないのため、次回の投稿は次週の金曜日です。
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