ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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471話 楽しいタワーディフェンスゲーム

ぴこぴこ、ぴこぴこ。

 

「……えーっと、時間稼ぎのユニット……モンスターの養殖場……これかな。コストが安い……や、えーっと? 『味方の魔王』の仲間だから安いってやつ」

 

ぴこっ。

 

数千匹単位のモンスターが、転送されていく――らしい。

ゲームの画面上では、ただぴこっと現れただけだけども。

 

コストが低くて――つまりは戦力にあまりならないけど、時間稼ぎをできる戦力としてはこれがちょうど良さそう。

 

ちょっと待てばすぐ次のを送り込めて、悪い魔王の軍隊、その中でも弱い集団へちょっかいをかけられるとのこと。

 

……どうやらボスは魔王でも、味方にも魔王とかが居るらしい。

 

へー、お姫様を助けるのに協力してくれる、良い魔王さんって居るんだね。

あ、なんかその良い魔王さんにもカーソル合わせるとポップアップしてる。

 

なになに?

 

「勇者を依り代にした若き魔王」「魔王位階序列一桁」「幼体だが現地の人種族と休戦、及び共闘態勢を構築済み」「『比翼』と『聖女』の協力を得たら『勇者』を召喚できる」……ふーん、なんだか強そう。

 

あ、でも、この子もコストは「半神」とかに比べると安いんだ……強そうなのに。

 

「………………………………」

 

おもしろい。

何にも分からないのがおもしろい。

 

けど、分からなさすぎて……そうだ、中古のゲーム買うとついてるあれは?

 

「あの、これって解説書とかありませんか?」

「つくってない……」

 

「え、これって手作りなんですか?」

「てづくり」

 

「クリエイターさんですか?」

「それほどでも」

 

あ、なんかちょっと照れてる。

 

「すごいんですね」

「がんば」

 

ふいっと顔を逸らされた。

 

……引きこもりとか言ってたけど、ちょっと恥ずかしがり屋さんなだけみたい。

 

「タイムリミットのターンまでに……お、これなんか良い感じ」

 

僕は、援軍一覧の中に「眷属」とか「半神」とか「被造物」とか、どう見ても強そうなのを見つけた。

 

「……あ。召喚コストが高い……」

 

数自体は結構あるのに、なんだかやけに高い。

少なくとも今の段階だと召喚は不可能だって。

 

「よわいのから」

「ですよね……ゲームですもんね……相手を倒した魔力でこっちを強くしないとですよね」

 

しょうがないや。

 

ゲームってそういうものだもんね。

最初から簡単だとつまんないもんね。

 

「……あ、さっきの子たちも送れるんだ」

 

選択肢には――「ないない中モンスター:レベル1」。

 

その中を見ると、「さっきの子たちが居る」。

 

……あれ?

 

けど、これはこの子が作ったゲームで?

 

なのに、今さっき閉じ込めた――じゃない、中にごはんとかあったし、毛布とか敷いてあったからきっと居心地は抜群なはずだ――テイムしたばかりのモンスターたちが?

 

「れべるあっぷしておくれる」

 

……そんなはずないよね。

うん、きっと「そういう設定」なんだ。

 

「ん。コスト安いし、あの子たちもヒマそうだし送ったげよっと。がんばってくるんだよー」

 

ぴこっ。

 

知らないあいだに夢中になった僕は――また時間を忘れてのめり込んだ。

 

しょうがない。

なぜかはよく分からないけども、このゲームをしてあげたらこの子が僕を――

 

「あ、名前とか聞いても良いですか? 僕は柚希です」

 

「ん」

 

黒髪を伸びしきった少女が、その真っ赤なおめめで僕を見る。

 

「――――――のーむ」

 

ノーム。

 

……もしかして、この子……精霊さん?

よく見たら黒い羽とかあるし……僕の仲間だったりする?

 

 

 

 

【      】

【      】

【じょばばばば】

 

「あの……魔王様? あれは一体……?」

 

「……ダンジョンが、転送されていく……? いや、待て、いくら何でもあれほどの速度で制御は……」

 

1つ、また1つ。

 

地の底から浮かび上がった構造物――ダンジョンが1つずつ、重低音を奏でながら飛翔していき――光った後に消滅していく。

 

【もしかして:ユズちゃん、あのミラーボールの中で地上のダンジョンないないしてる】

 

【草】

【草】

【なぁんでぇ……?】

【ダンジョンが減るのはありがたいことだけどさぁ……】

 

【あの  もう現在の社会はダンジョンが大前提で構築されてるので……その  手がつけられないの以外は持っていかれたら経済崩壊するんですけど……】

 

【悲報・出海道でダンジョン潜りの俺、失職】

【草】

【あーあ】

【11年前にも崩壊したから……】

 

【※11年前→世界規模の災害  今回→ユズちゃん単独犯】

 

【あっ】

【草】

【ユズちゃん……どうして……】

【魔王ちゃんが放心状態に】

【エリーちゃんが吐きそう】

 

【※あやちゃんと優ちゃんが抱き合って泣いてます】

【※ひなたちゃ――様が誰かに電話してます】

【※理央様もまた放心中です】

 

【あーあ】

【かわいそう】

 

【教官ちゃんは?】

 

【隅でさっきから吐いてる  んでライオン顔の魔王さん(雌)からお白湯?もらってる】

【オーガさんな魔王(雌?)も見た目から信じられないくらい優しい手つきで背中撫でてる……】

 

【かわいそう】

【やさしい】

 

【雌ライオン顔でおっぱいがある二足歩行のケモ】

【オーガか……ミクシブにイラストあるかな……】

【↑どうなっても知らないぞ、マジで】

 

【草】

【業が深いな、人類は……】

【滅ぼされても文句は言えないもんなぁ】

【※海外の方がもっとやべー沸き方してます】

【規制ってね、されるとかえって悪化するからね】

【人類の業はおしまい!】

 

【それもこれも全部何が何までユズちゃんのせいなんだ】

 

【やっぱあの子、理央様に封じ込まれてるべきだったんだって】

【そうだよ、自分のこと好き好きな百合っ子からセクハラされてたら害はなかったんだよ】

【もうだめだ……】

【草】

 

【理央様の株価が青天井】

 

【大丈夫? 絶対そのうちナイアガラするよ?】

【空売りしとくか……いや、成立しないか……】

【草】

 




定期のないない(治療)のため、次回の投稿は次週の金曜日です。

更新が止まるこの期間、ぜひ他の小説、またはプロフより他のコンテンツをお楽しみくださいませ。
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