ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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487話 仲間を集めた/脳が回帰した

「――さて。ここに来たのは、僕が『魔王』にして『聖女』にして『勇者』なんかになっちゃってるもんだから、大概の融通が利くリリスだからなんだけどさ。あと、ひらひらして迷い込んだからなんだけどさ」

 

僕は、復活させた彼らと交渉を試みる。

 

「……君たち。番の相手……探したくは、ないかな?」

 

番。

繁殖相手。

 

――彼らは、このメルヘンな世界で蠢きながら、常に他の世界を監視している。

 

自分好みの乙女を見つけるために、それはもういろんな世界を――ライブで。

 

それこそ、どこかのダンジョン配信とかでテイマーのかわいい子とか居たら、大挙して押し寄せるだろうね。

 

まぁ物理的に届かない世界もあるし、単純な相性も好みもあるから必ずってわけじゃないだろうし……なによりも、寿命が数十年――そして「乙女」な期間が長くて十数年の人間相手はマッチング事態が難しいだろう。

 

なにしろユニコーンたちは、こんなんでも魔族――引きこもってれば寿命は数百年だから。

 

だから僕は――そこを突く。

 

「種族は人間、エルフ、ドワーフ、ゴブリン、タイタンにタイタス――もちろんサキュバスにインキュバス、ワイバーンにドラゴン……それ以外にもたくさんよりどりみどり。かわいい子たちとの出会い。あるよ? 希望者には、僕から紹介したげる。君たちみたいなのが好きな純粋過ぎる子とか、いろいろとお似合いな子とか、どんな種族にも居るからさ」

 

少なくとも僕の世界――僕の住んでる国では、僕がいろいろやらかしたせいでかなり顔が利くはずだ。

 

ユニコーンの生態とかを伝えれば、絶対何人かは応募してくれるはず。

だって、人間ってのはユニコーンたちみたいにヘンタイさんな種族だから。

 

「「「きゅ!?」」」

 

彼らの目が――代わる。

 

番。

結婚相手。

 

彼らは――純血種を、他種族とのあいだでしか生み出せない宿命っていうか業を背負い過ぎている種族だ。

 

ゆえに幼体であろうとも、チャンスがあれば目覚める。

 

ちなみにおまんじゅうは、運悪く男の僕のとこに来ちゃったから幼体から先へは進めなくって、だから血脈が途絶えることは確定している。

 

まぁ進化はさせてあげられるし、そういう人生も悪くはないはずだからさ。

君は末裔になっちゃったけど、来ちゃったものはしょうがないよね。

 

「そのためには、ちょっと『滅びたはずのご主人様たち』のお願いを聞いて、やんちゃな魔王さんと戦わなきゃなんだけど……それでも、良いかな? うん、ありがとう」

 

……ひらひらしてた僕は、ずいぶん遅刻をしちゃっている。

 

「早く戻らないとなぁ……まずは女神様から頼まれてる、魔王因子持った子の保護からかな。おまんじゅう?」

 

「きゅ?」

 

「あと、チョコ」

「ぴ!」

 

ぴょんっ。

 

僕の頭を守っていたシルバースライムへも声をかける。

 

「ちょっと君たち2人で擬似的な進化してさ、それっぽい見た目になってほしいんだ。サバトしたときみたいにさ」

 

 

 

 

「頭が……痛い……」

 

配下達の懸命の治療にもかかわらず、魔王の彼女は冷や汗を流しながら荒い息を吐く。

 

「魔王様!?」

「なぜ……治癒魔法を掛けても!?」

 

【苦しそう】

【かわいそう】

【まさか、ユズちゃんのせいでそこまで思い詰めて……】

 

【もしかして:鱗粉で頭がおかしくなりそう】

 

【あー、確か魔王ちゃん、ユズちゃんと直接話したって】

【そのときからすでに、鱗粉が脳内に……】

【そして今やもう、脳みそが完全に……】

 

【草】

【草】

【今! シリアス!!】

 

【そのシリアスさんもな……ユズちゃんが遠くでらひっひらすると台無しになるんだよ……】

 

【そうか……これがバタフライエフェクト……量子ゆらぎ……世界線の変動……】

 

【草】

【草】

【あのミラーボールの中で羽ばたくと世界が変動するのか……】

【こわいよー】

 

「もう……敵わない……」

 

ぽつり。

 

熱に浮かされたような表情で、彼女はつぶやく。

 

「脳が……回帰する……」

 

――そう言うと、彼女は完全に気を失った。

 

「「魔王様!」」

 

【えっ】

【えっ】

【魔王様!?】

 

【悲報・魔王様、脳が回帰した】

 

【もうだめだ……】

【草】

【ユズちゃん……どうして……】

【ユズちゃんのせいでさっきから頭痛そうだったもんなぁ】

【おいたわしい】

 

「いかん! ここまでだと魔王様並みの敵対勢力による呪い以外には存在しない……治癒魔法は掛け続けよ! 我らは下手人を探す!」

「「はっ!」」

 

ばたばたばたと、今度こそ血相を変えて出ていく魔王たち。

一方で玉座の間が狭く感じるほどに集まってきたメイドたちが、一斉に治癒魔法を掛け始める。

 

事態は……極めて深刻になっている!

 

「たいへん……おてつだい?」

 

「い、いや! まずはこちらで可能な限りの手立てを……」

「そう……」

 

「め、女神よ! 碌な歓待も出来ず、面目ないが……!」

「へいき。まつ」

 

自分たちの主が、原因不明の昏倒。

 

魔王城のシステムは聖女に乗っ取られ――「子供のおもちゃと」して奪われ、ここから動こうにも魔王城と魔王のコアの制御が手元にない以上、彼ら配下達もできることは無い。

 

城の防衛機構を作動させることも、他の異界から応援を連れてくることも――なにも、敵わない。

 

――たったひとりの子供のせいで……ひらひらしたせいで、手詰まりだ。

 

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