ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

496 / 597
493話 世界の中心で愛を語らう2人

抱擁は1分も続いただろうか……そっと、吸血鬼の外套が動く。

 

「ぷはっ。先生に生えたおっぱいで窒息するところだったわ」

 

「す、済まない……」

 

「ずるいわぁ。私の、あんなに育ててって言ったのに、結局これだもの」

「済まない……」

 

柚希の姉にしか見られない柚乃は、一応は経産婦。

 

柚希よりは当然ながらにして「ある」ものの、それでもやはり小学生に見られるほど小さい彼女の胸元は、一応服の外からかろうじて分かる程度の膨らみ。

 

対して魔王のそれは――初登場時ならまだしも、女神により急激に育てられたためにたわわなそれは、柚乃のそれの10倍――いや、それ以上の体積を誇る。

 

それを押し上げながら文句を言う柚乃。

それに申し訳なさそうに平謝りする魔王。

 

【????】

【育てる???】

【なぁにこれぇ……】

【唐突にユズねぇが魔王ちゃんといちゃつきはじめた】

【考えるな、感じろ  感じてもどうせなにもかも無駄だがな】

【草】

 

「先生が居るのは嬉しいけど……でもぉ、さっきまでの魔王ちゃんは?」

 

「意識を渡してくれている。私が目覚めたため、一時的に席を譲ってくれているようだ。体の中で、意識同士で意思疎通ができている」

「ありがたいわねぇ」

 

柚乃と魔王のあいだで何事かの会話が繰り広げられる。

 

【??】

【???】

【んにゃぴ……】

 

【もしかして:ユズワールド】

【ああ、怪異だもんな……】

【もうだめだ……】

【あー、魔王ちゃんもとうとうユズワールドに取り込まれたかー】

 

【それでわけ分からん会話になってると】

【この中で誰ひとり理解していないからな】

【理解できるやつはね、救護班のお世話になってるんだよ……】

 

【なんとか自力で復帰できる人は耐えてください(憤怒】

【こちとら百鬼夜行  自体じゃなくて、それでびっくりしたり追い出されてきたモンスターのせいでケガした人とかで野戦病院してるんだぞ(怒髪】

 

【しまった! 救護班だ!】

【いつもお世話になっております】

【かわいそうすぎる】

【草】

【うちのユズちゃんたちがいつもいつもごめんなさい】

 

「……魔王様が……?」

「一体何が……」

 

「……! もしや、先代が器とした勇者の魂か!?」

 

「先代様は、勇者のことを見込みのある人間だったとおっしゃっていた……ならば、あるいは!」

「なるほど……!」

「つまり、この状況は……!」

 

状況をにわかに理解したらしい配下の魔王たちやメイドたちがざわめき、一気に騒がしくなる玉座。

 

【????】

【??????】

 

……それに対し、口を開けたままぽかんとしている理央を始めとした人類側。

 

「さいかい」

 

――ぱちぱちぱち、と、小さな拍手で――無表情な中へほのかな祝福をたたえている女神。

 

状況は――依然として混沌としていた。

 

【かわいい】

【かわいい】

【女神様が褒めてるよ】

【おててぱちぱちしてるよ】

 

【かわいいね】

【かわいいね】

【この場で唯一の癒やしだな……女神が……】

【本来なら明らかな異物なのに、今や最も安心できる存在……そうか、これが女神……】

 

【でも、今「再会」つったか? この黒髪ながながロリ女神っ子】

 

【なんのこと?】

【わからん……】

【んにゃぴ……】

 

【大丈夫大丈夫  理不尽の塊に比べたらはるかに救われるんだ】

 

【分かる】

【わけが分かんなくても道理がないよりははるかにマシだよね】

【超展開でもギャグじゃないってだけで魂が解放されるんだ】

 

【父さん……爺ちゃん……今からそっちへ行くよ……】

 

【おい待て早まるな急に理不尽系ギャグから羽ばたくな】

【真面目な人ほど辛いんだ……周囲が支えてやれ……】

 

【救護班です!! くんな!!】

 

【草】

【草】

 

ざわめく周囲へも気がつかず、2人は見つめ合い――彼らの「子供」についてを話し始める。

 

「ねぇ先生。柚希がね、羽ばたいちゃってるの」

 

「うむ……あの子は昔から、目を離すとすぐどこかへ行ってしまったからな」

 

「ええ……ほんの一瞬目を離したら消えちゃって、1時間くらいみんなで探したら絶妙な死角になっている花壇でちょうちょを見てたり」

「さすがに出たらすぐ前に立っているはずの柚乃に合流するだろうと男子トイレに連れて行き、先に行かせたら柚乃と追いかけっこをしていたり」

 

「大変だったわねぇ」

「大変だったな」

 

「………………………………」

「………………………………」

 

思い出にふける2人――しかし、周囲は未だに理解ができない。

 

それもそのはず、2人は抱き合ったまま、まるで恋人のようにささやき合っていたのだから……その会話は、そばで食い入るように聞き耳を立てているメイドたち以外には届かない。

 

【とりあえず良い雰囲気】

【とりあえずえっち】

【分かる】

【唐突な百合……うむ】

【\30000】

 

【おっぱいで押されてるユズねぇのほっぺたがえっち】

【おっぱいの方が弾力性あるのか……】

【ユズねぇ、今は元気でも数ヶ月前までは病床に居たらしいし】

【このおっぱいでも吸って元気になって……】

 

【\50000000】

 

【!?】

【おっぱい星人はね、紳士なんだよ】

【えぇ……】

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。