ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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508話 突撃した巨人さんたち、斬新なUI

――ざっ。

 

彼らは僕たちの来た方向へ向き直り――やっぱりスケールは違いすぎるけども、ここはまるで「ダンジョン」みたいに、今話し込んでいた部屋の先の通路を警戒し、次々に武器を構え始める。

 

「まおうさま、こっち」

 

「ゆうしゃっていってた」

「せいじょっていってた」

「さきゅばすっていってた」

「いんきゅばすともいってた」

 

「………………………………」

「………………………………」

「………………………………」

「………………………………」

 

「………………………………?」

「………………………………?」

「………………………………?」

 

「のうが……かしこくなる……」

「これが……しんかのひじゅつ」

 

「よ、呼び方はなんでも良いですから! みなさんもまずはみなさんの安全を第一にしてください!」

 

――巨人さんたちは、ちょっとのんびり屋さんだ。

 

まぁあれだけでっかいし、僕の戦ってきたようなモンスター相手じゃ――それこそ魔王って名乗ってた空飛ぶウナギさんくらいにしか苦労しないんじゃないかな。

 

大きさっていうのは、それだけで有利なんだ。

そして彼らは100人近く――数でも有利。

 

だから、安心して僕たちは隠れていれば――いや。

 

「……この人たちが全力で戦ったら……余波で、ぷちっとされないかなぁ……」

「きゅひ……」

 

僕は、ちょっぴり心配になった。

 

――――――ぴこんっ。

 

「?」

 

そのとき、どこかで聞いた音が僕の目の前から聞こえた。

 

なんだっけ、これ。

確か、つい最近に何回も聞いたような……あっ。

 

「……女神様のゲームの」

 

【Dungeon System】

 

【Update】

 

「……ダンジョンシステムのアップデート……なんだこれ」

 

僕は、目の前に現れたシンプルな文字列を熱心に観察してみる。

 

「! きた!」

「よくりゅう……どらごん」

 

「まおうさまのてした?」

「わからない」

 

「でもまおうさま、めがみさまつれてくとき、おそわないやくそく」

「やくそくやぶった?」

「そんなぁ」

 

目の前でぴこぴこちかちか光る文字列。

 

まるで「ゲームのUI――ゲーム内の情報パネルとかに出てくる文字」みたいに――

 

【現在、一部のユーザー限定で先行実装を開始しています】

 

あ、普通に文章も出てくるんだ。

僕、こっちの方が分かりやすいかも。

 

【User name :「聖女ユズ」は対象ユーザーです】

 

【インターフェースのシステムをアップデートしますか?】

 

【Y/N】

 

「……まるでゲームみたい。あの女神様のいたずらかなぁ」

 

「――めがみさまをうらぎる、わるいまおうさま」

「もうまおうさまよびしない」

「ただのどらごん」

 

「そう、ただのどらごん」

「おれたちをふたつのしゅぞくにわけた、わるいどらごん」

「めがみさまをおよめさんにもっていく、わるいどらごん」

 

「たたかう」

「たたかう」

 

「ずっとずっとむかし、しんぞくとたたかったあいて」

「じいさんもじいじいさんも、じいじいじいさんもいってた」

「いつか、かならずさいせん」

 

「たたかって、めがみさまたすける」

「まもってくれるまおうさまなら、あたらしく、ここにいる」

「まだようたいだけど、すごくつよい」

 

「めがみさまの、ともだち」

「こどもはたいせつ」

「ともだちもたいせつ」

 

「やさしい」

「かわいい」

 

「だから」

「まもる」

 

「つうろへいく。おれたちひとつめが、さきにでる」

「わかった。ふたつめはうしろからしえんする」

 

「「「――――――OoooooOOOOhhh――――――!」」」

 

――どぉん、ばぁんっ。

 

巨人さんたちはずっと先までどすどす走って行っちゃって、おかげでこの近くは落石もないしおしりが浮くほどの振動もなければうるさくもなくなって安心。

 

……いやいや、聞く限りモンスターの襲撃――それも「魔王」ってのが襲ってきてるらしいし、安心してる場合じゃないんだけども。

 

そもそも僕、宇宙空間?をこっちに向かってきてるものすごい数のドラゴンたちを見たんだ……あれがきっと、魔王。

 

まだミラーボールの中は出てないと思うんだけども、この巨人さんたちを置いて戻れない。

だから今は、

 

「まおうさま?」

 

「あ、居たんだ」

 

上から降ってくる声に顔を上げると――さっきの女の子が腹ばいになって、僕を見下ろしている。

 

……この子なりに1番目線を降ろしても、それでもまだ、彼女のおめめは僕の頭の上にあるし、おめめのサイズは僕の頭よりもでっかい。

 

くりくりとしたおめめ、ぼさぼさだけどリボンとか着けていて女の子特有のおしゃれをする感覚はしっかりとある様子。

 

サイズだけが全然違うだけで、頭が寒そうな一つ目さんたちとは違って僕たち人間とそっくりな見た目の、女の子。

 

「じー」

 

ちょっと怖いけども……これだけ配慮してくれてるんだ、間違いなく良い子に決まっている。

がんばれ僕、男だから怖がってるのを悟られちゃいけないんだ。

 

「へくちっ」

 

あ、ぐっておなかに力を入れたらくしゃみが出ちゃった。

 

「……かわいい。たべちゃいたい」

 

「!?」

 

食べられる……!?

 

「大丈夫、ごはんじゃない」

「そ、そうですかぁ……」

 

し、信じよう……っていうか信じるしかないよね。

 

「……いんきゅばすになれる……つまりは、おす……おすは、はらませてくれる……」

 

うーん。

 

……この子たちの飼育代とか、帰ったときにどうやって説得しよう。

 

や、僕、良く分からないうちにちょっとおかしな額の貯金通帳になっちゃったから、よっぽどじゃないかぎり養えるとは思うんだけども……うーん。

 

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