ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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509話 ぴこぴこレベルアップ

「ごほうび……やくにたつ……こだね……」

 

意外と小さい声でひとりごとをぶつぶつ、顔を逸らして考え中になったらしい巨人の女の子。

 

ずっとじーっとでっかいおめめで――かわいいけども見つめられ続けるのは困ってたし、ちょうど良いね。

 

この隙に、何か手立てを……ん?

 

【Y/N】

 

【?】

 

あ、ポップアップで出てきてる文字のこと、忘れてた。

 

確かダンジョンシステムのアップデートするかどうかって聞かれたんだよね。

それがなんなのかさっぱりだけども、ほっといても消えないみたいだし……よし。

 

「えっと……Y、イエスで」

 

こういうのは、とりあえず推せば良いって理央ちゃんが言ってた気がする。

 

あ、田中君は逆で、絶対押しちゃダメって言ってたっけ。

なんでも、電話をかけたりすると怖いお兄さんたちがお金をむしってくるんだとか……そんなわけないのにね。

 

というわけで――ぽちっ。

 

なんとなく、フロートディスプレイ――ダンジョンの配信機材でコメントがだーっと流れてきてたあれみたいな半透明の板をタップするような感覚とともに、僕の返事が送信される。

 

【confirm】

 

【………………………………】

 

【セーブデータから再開します】

 

ん?

セーブデータ?

 

一体何のこと――――――あ。

 

僕の視界が一面に、暗くなっている。

そこは、あの黒い女神様のお部屋。

 

「あー、あのゲームの」

 

女神様が作ったっぽいゲーム――いわゆる戦略ゲーム、タクティカルゲームってやつ。

 

攻めてくる魔王軍を、お助けキャラらしい神様が到着するまで妨害するってファンタジックなストーリーのくせに、ゲーム画面自体は3Dで舞台は宇宙でSFで、そのギャップが不思議だったゲーム。

 

「あれは楽しかったけど、でもこんなの、今やってる場合じゃ……ん?」

 

すっかり見覚えのある場面――そうだ、敵と味方の位置に見覚えがある――僕が操作してたところまでで止まっていたそれを見ていたら、すみっこの方でちかちかと目立つアイコンが。

 

「えっと、なになに……お」

 

そういや、僕が謎のダンジョンで仲間にした子たち――あの子たちをゲームの中で「戦闘経験を積ませてレベルアップとか進化」をさせていたっけ――の何割かが、待機中ってなっている。

 

まぁあの子たちって言っても、きっと名前を使っただけだし――まさか女神様が用意してくれた箱の中でのんびりさせてたら強くなってるとか、あり得ないもんね。

 

だからほっとこうとするも……うう、気になる。

 

「……ゲームだけど……ほっといてもちかちか光って気が散るしなぁ……こっちも押すかぁ……」

 

「? まおうさま? なにしてるの?」

 

「あ、えっと……あっ」

 

――ぽちっ。

 

女の子が聞いてきてるのに答えようとして、思わずでぽちっちゃった。

ていうか視界は暗くなってるけども、見ようとすれば周囲が見えるんだね。

 

「………………………………」

 

………………………………。

 

……なにかが起きると思ったけども、そんな訳はなくって。

 

「まおうさま……?」

 

「……そうだよね。ただのゲームなんだ、なにかが起きるなんてことは――」

 

――ぴこん。

 

また新しい文字が浮かび上がる。

 

【「聖女」ユズ:status】

 

【Tamer Lv.1】

 

「ためー……あ、テイマーか」

 

そういや僕、テイマーだったよね。

最近はそういうのとは全然違うことしてたから完璧に忘れてたけども。

 

【battle results】

 

【Exp:】

 

【Tamer Lv.1→50 (local system)】

 

【Upgraded to Great Tamer Lv.1!】

 

【★の壁を突破します】

 

【congrats!】

 

【next:】

 

【Great Tamer Lv.1→50 (local system)】

 

【Upgraded to Grand Tamer Lv.1!】

 

ぴこんぴこんぴこんぴこん。

 

なんだか勝手になにかが進んでいる気がする。

ていうか言葉とかちゃんぽんだし……なによりも。

 

「んー……単語1個ずつは知ってるけど、高校に復帰したとはいえ最近は勉強からも離れてるし……なによりも僕、海外製のゲームとかしないからなぁ」

 

ぴこぴこぴこぴこ。

 

僕はただひたすらに、音と光で気持ちよくなる刺激を眺めるだけの時間を過ごす。

 

小さいころに近所の人からもらったゲームとか、よく分からないなりに子供としての本能で適当に操作してレベルアップとかしてて、そんでこういうなんとなくの楽しさとかを楽しんでた覚えがある。

 

なんだか懐かしいな。

 

【…Upgraded to Demon King Lilith (Human) Lv.1!】

 

【権能が解放されました】

 

【先行実装のため、本実装時に一部修正の可能性があります】

 

「んぅ?」

 

急に読みやすくなった……権能?

権能って、エリーさんが前に言ってた気がするあれのこと?

 

【士気可能な個体数が300→30万に拡大しました】

 

【オート指揮系統付与がONになっています】

【全体把握(管理者権限)により全戦闘範囲が可視化されます】

 

【称号「聖女」「勇者」「魔王」を正式に獲得しました】

 

【指揮下の個体を召喚し使役可能となりました】

 

「………………………………??」

 

なんだかすごいことになってる気がするけども……んー。

 

「攻略Wikiとか……無いよなぁ」

 

そうだ、あるはずがないんだ。

 

だって――「女神様が作ったゲーム」だもん。

 

 

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