ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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522話 ★を使ってみた

「――こほん。ともかく、早期に決着がつけられない以上、このダンジョンからの離脱方法を模索すべきかと」

 

「へー」

「エリーちゃん、頭良いよね!」

 

まるで先生みたいに僕たちへ優しく教えてくれるエリーさん。

 

みんなで首をかしげてたけども、すぐに先生モードになった彼女が続けてくれる。

 

……ちょうちょモードな小学校生活のときも、こういう先生がいたら飲み込みが遅いって言われなかったのかなぁ。

僕、教科書とか本からならすぐに吸収できるんだけども授業で話されると良く分からなくなってたからなぁ……さすがに高校生にもなると平気になったけども。

 

「たとえワタシなどが戦闘の指揮を補佐するとしましても、ずっとこの場で拘束され、ダンジョンの中という昼夜の変化もなければ戦場の変遷も少ないであろう状況。これへは……集中力は、持って数日でしょう。それ以降はただの苦痛でしかありません。変化がないのが戦況においては大切なのですが、戦闘のスケールはすでに人間様の魂の領域を超えていますので」

 

「あ、ゆずきちゃんゆずきちゃん、学校とかでやったよね? 長期間の冒険は危険ってやつ」

「あー、そういえば。だから基本は日帰りだしパーティー組むのも推奨なんだっけ」

 

今やすっかり生徒になっている僕たちは、エリー先生の話を聞いている。

 

「……人間様で長期間の戦場を経験されたことのある武将や兵士でも、長くて数ヶ月――現段階ではそれ以上になる可能性もございます。11年前のダンジョン事変の際に活躍されたたちは……その。数ヶ月、1年を超える戦闘でも心が折れなかった方々のみが生き延びた――そういうことです」

 

「あー」

「ダンジョンとかで飲み込まれちゃった人たちはなんにも言えないもんねぇ」

 

僕たちはうんうんとうなずく。

 

「………………………………」

 

……なぜかエリーさんから発情してる匂いがし始めたけども、なんでだろ。

 

「こほん――そもそも敵も時間経過で回復してしまいますので、迎撃もただの徒労。けれどもしなければこちらが一方的にやられ、全力で反撃してようやく拮抗状態。これが、ずっと続くのです。この正面の敵を倒す必要――こちらの巨大なダンジョン……なのでしょうか?……を必ず攻略する必要があれば止むなしではありますが、そうでなければ」

 

「撤退……どっかから」

 

「うん……そうかも。ゆずきちゃんがミラーボールの力持ってるんだから、逃げるくらいはできそうだし」

「ええ。……ワタシでも元の空間への道筋は分かりませんけれど、魔王城の秘宝そのものを取り込まれているユズ様でしたら……」

 

僕たちは、ここを捨てるべき。

それは、分かってる。

 

……でも。

 

「うがー! ちくちくしつこい」

「あしもと、きをつけてふんずける」

 

――あの巨人さんたちは、ここに居た。

 

ってことは、命のためなら連れ帰るのが理想だけども……きっと他にも仲間は居るし、住んでる場所も近くにあるはず。

そのみんなをってのは、さすがに難しいだろう……けども。

 

なんとか、できないのかな。

 

――ぴこん。

 

そう思った僕の目の前に、文字が表示される。

 

【提案】

 

【★の使用により、大規模な味方戦力の増強が可能です】

 

「星?」

 

「ゆずきちゃん?」

「神族の通信……肉眼では見えないものです。それが、ユズ様へ」

 

星――★。

 

……そういや僕、レベル表記がバグってたんだっけ。

 

【バグ――システムの不具合ではありません】

 

【高位階の魂が使用可能な、レベルのプール  現在の位階の魂が受け止められない力を保存しておく力――それが、★システム。レベルキャップです】

 

プール?

システム?

 

【翻訳中……】

 

【★を使用してレベルダウンと引き換えに、それと等価の戦力を一気に投入し、敵陣を突破可能です】

 

【ゲーム風に表現するならば、つまりはレベルを引き換えにした必殺技】

 

【現在恩恵を受けられていない分を使用するだけのため、今以上の力を求めないのならばデメリットは存在しません】

 

「あ、なるほど。分かりやすい」

 

エリーさんは言ってた。

 

ここは魔力が濃すぎるからお互いにすぐに回復しちゃって、だから最低でも何ヶ月も戦わないと押し切れないんだって。

でもそんなのは意味がないから撤退した方が良いって。

 

けども――僕は、確かに見たんだ。

 

ものすごく嫌な、怖い、嫌いな、暗い何かが、僕たちの住む場所へと進んでくるの。

そして何よりも、ここで出会った人たちも。

 

だから――――

 

【YES/NO】

 

「……もちろん、YESです」

 

――――ぽちっ。

 

僕は、半透明の画面をタップした。

 

「あっ!? ちょっ、ユズ様!? せめて何を伝えられたのか――」

「あーあ、先に押しちゃった。今度は誰が来るのかな」

 

【システムコマンドが入力されました】

 

【個体名:星野柚希】

 

【精査中:】

 

【ベースのレベルを★4→2へ――プールを使用します】

 

あれ、僕、★2とかじゃなかったっけ?

いろんなとこで戦ってきたからかなぁ。

 

【現在の戦況へ最適な魔力経路を形成】

 

【:】

 

【――血縁システムを流用し、66%効率的に召喚します】

 

血縁?

 

血縁っていうと、

 

「……お母さん?」

 

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