ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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526話 【速報・サバトagain?】

「――この振動と音を報告せよ!」

 

魔王が、銀髪の少女として出せる最も低い声音で、混乱する城内を鎮める。

 

「先生、真剣に怒ってくれるときと夜はこんな感じで低い声を――」

 

「柚乃、今は少し黙ってくれるかな」

「はぁい♥」

 

【草】

【ユズねぇ詳細を】

【え、でも、低いとは言ってもハスキーにもなってないロリヴォイスだったけど】

 

【もしかして:ユズパパ、ロリっ子になる前もそれなりにちっちゃい男の娘疑惑】

 

【ショタね!!!!!!!!】

 

【ショタコンが活気づいている……マジだ!】

【草】

【なおさら夜のことについて聞きたくなってきたな……】

【今そんなこと言ってる場合!?】

【だってユズねぇが!】

【ユズねぇはダブルユズの片割れだからほっとけって!】

【草】

【緊張感が……羽ばたいていく……】

 

【みんな、だまされないでね  何が……ほんっっっっとうに何がどこでどんな風に起きるか分かんないから、離れた場所の安全だと思ってるところでも可能な限りに武装とか避難用品揃えておいてね  トイレとか急いで行っといてね  警告はしたぞ、ユズちゃんに幼稚園のうち年長時代から振り回された親衛隊として可能な限りの善意で伝えたからな】

 

【ふぁっ!?】

【やべぇ】

【親衛隊が言うほどか……海外に居る家族にも伝えとくか……】

【今回のユズワールドがどこまで広がるか未知数……装備装備っと】

 

「――聞こえなかったのか? 状況を」

 

「は、はっ……そ、それがですね……」

 

柚乃が危うくピンク色にしかけた玉座が、瞬時に威厳を取り戻す。

 

……魔王に寄り添って甘い吐息を吐きながらうねうねと動いているサキュバスは、全員が無視して。

 

「魔王様、落ち着いて聞いてください」

 

「……言え」

 

おろおろと――見るものを信じられないという顔をしているメイドたちが、吐き気を抑えながらも自らの役割を完遂する。

 

「――ミラーボールがエーテル体へと昇華し、地下室の床をすり抜けてそのまま魔王城地下より急降下を開始――まもなく直下のダンジョンの底を割り、下の空中へ露出します!」

 

【!?】

【!!??】

【もうだめだ……】

 

【もしかして:やべー魔力が籠もってるらしい動力源がより高純度の何かに変化した上で、溶けて落ちてる】

 

【おろろろろろ】

【メルトダウン……ユズちゃん、嘘だよな……?】

【あっ……定点映像の方に、光り輝く球が……】

【もうだめだ……】

 

 

 

 

「あれは……」

「神々しい……」

 

「ほんの一瞬のバブルの時代  ああいうミラーボールの下で、踊ったんだ」

「バブルの恩恵なんかこれっぽっちもなかったけど、テレビでは観たことがあるんだ」

 

一気呵成にと掘りの中へ滑り込んだ人々は――膝を折り、自然に両手を合わせ、涙を流す。

彼らの目は、怪しい月の光を受けて赤く染まっている。

 

数百人による祈りが、そこに完成しつつある。

 

「楽しかったなぁ」

「ああ……」

「踊り狂った時代も、そのあとの冷たい時代も」

 

「地獄の不景気も、最期になって見ると綺麗ね……」

「今となれば、楽しい現世の旅……か……」

「ユズちゃん……俺たちを天国へ連れて行ってくれ……」

 

人々は――地面へ崩れ落ち、笑顔で崇拝している!

 

人々が、ユズワールドを信仰している!

 

【もしかして:精神汚染】

【おろろろろろ】

【もしやサバトか……?】

 

【サバトなら放送できないことになってるからまだ大丈夫】

【サバトの方がマシだったりしてな……】

【こわいよー】

 

ガチャコンッ――ヴンッ。

 

ミラーボールが――地面から突き出たダンジョンと魔王様の下に突き出たダンジョンのその狭間、空中で静止し――見えない何かに固定され、光を放ち始めた!

 

それは広がり――この世界の何割かの人間が視認した模様へと変化していく!

 

【あ、あれ】

【やっぱサバトじゃねーか!!】

【しまったサバトだ!】

【今回も乗り遅れた!】

【草】

【くそっ、こんなことならさっさと上陸部隊に志願して乗り込んでおくんだった】

 

ミラーボールから地面と水平に展開されるのは、巨大な円盤――魔法陣が刻まれた、半透明の光の円。

 

その光は七稜郭をすっぽりと覆い、ちょうど要塞の7つの先端までを覆い、上空へ地面へと光を放つ。

 

【あの範囲が転送範囲か】

【あー】

【あ、七稜郭全体が光り始めている】

【もうだめだ……】

【草】

 

【あの  なぜか範囲外の七稜郭タワーまで光ってるんですけど……大サバトのときみたく、紫色の怪しい魔力の光で……】

 

【ふぁっ!?】

【悲報・謎の転移魔法、選択式の模様】

 

【もっと早く言ってよぉ……(七稜郭タワーに避難しちゃってるリストバンドなしの民間人より】

 

【草】

【草】

【まぁなんとかなるだろ  ガンバ】

【ひでぇ】

【まぁユズちゃんのすることだし……】

 

【無意味に危険な場所へは連れて行かない……よね……?】

 

【ユズちゃんだぞ?】

【ちょうちょだよ?】

【お前はこれまでの人生で一体何を学んできたんだ?】

【今まで良く生きてこられたね】

 

【草】

【ひでぇ】

【ボロボロで草】

【ユズワールドは理不尽の塊なんだからしょうがねぇだろ草】

 

【もう諦めよう……諦めれば、受け入れられる……】

【草】

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