ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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544話 援軍が来た  ――――――敵の、援軍が

見渡す限りの白い壁、天井に床。

 

そこに数百の仲間。

そのみんなは、お互いに喜んでぴょんぴょんと跳ねている。

 

「……よかった。ようやく勝ったんだ」

 

【ユズちゃんの声が聞こえる!!!】

【かわいい】

【本当にこの声がくっそかわいいんだ】

【ロリなのにどこかショタっぽい音色がたまらないね】

【それな】

 

【よかったね】

【本当にな】

【全部の戦いも経緯もなんも分からないけど、かなりの激戦だったのは見て分かるもんな】

 

【なにしろユズちゃん、髪の毛も乱れてるし汗で前髪が何本か張りついてるし、聖女さんな衣装に隠れてないお肌は汗で光ってるしおなかで息してるし、鼠径部も見えてるし……ふぅ……】

 

【えっち】

【えっち】

【これが聖女ですか?】

【性女だよ?】

【ふぅ……】

【サキュバスだもん、しょうがないよ】

 

【インキュバスよ!!!】

 

【はいはい】

【しっしっ】

【どっかいけ】

【草】

 

【この期に及んでユズちゃんのことショタと思い込んでる異常者が】

【お、思うだけなら個人の感想だから……】

【まぁ信じる人はごく少数派だしな!】

【しかし幼児体型過ぎるせいで、一部では骨格的にショタかもって】

【こんな色気のあるショタがいてたまるか】

【そうだよ】

 

【第二次性徴の前だと女の子も骨盤狭いんだぞ】

【まぁそのへんは個人差大きいから】

【ちっぱいとはいえおっぱいもあるんだぞ、さすがに男扱いはかわいそうだよ】

【そうだよなぁ】

【ショタコン共はげに罪深き存在……】

 

【………………………………】

【ふふ……】

【駄目だ……まだ笑うな……】

 

【?】

【なんだこいつら】

【ユズちゃんの配信だから変なのはほっとけって】

【そうそう、ちょうちょの方がすごいから】

【草】

 

すっごく疲れたけど、戦いはもうおしまい。

 

あとはどうにかして帰るだけ――それだってきっと、女神の子が手助けしてくれる。

 

あ、でも、援軍が来るって言ってたけど……まぁいっか、「僕たちだけで勝っちゃいました、ごめんなさい」って言っとけば。

 

「じゃあみんな、もうすぐ――――――」

 

――――――ずおっ。

 

「――――――え」

 

【?】

【どうしたユズちゃん】

【ちょうちょでも居たのかなユズちゃん】

【草】

【ひでぇ】

【いや、なんかそういう表情じゃない気が】

 

頭上。

頭の上。

真上。

 

なにもないはずの天井にものすごい圧力がかかった気がして、僕が上を見上げると。

 

――――――めりめりめり。

 

天井が、ひび割れていく。

 

【!?】

【ふぁっ!?】

【あの……ダンジョンの天井って、非破壊オブジェクト……】

【だよな……?】

 

【待って  この光景……去年うちの世界にぶらりと来てたちょっとおかしな金髪ロリ女神がドラゴンに襲われたときのにそっくり……】

 

【おろろろろろ(先行入力】

【なぁにこれぇ……(先行入力】

【待って  理央様たち、もうすぐ到着するんだけど】

【え、じゃああの亀裂は理央様たちが?】

【あー】

【なるほど】

 

【びっくりした  そうだよな、ユズちゃんはギャグ存在だからそんなことにはならないよな】

 

「ゆず」

 

女神様が、ぽつりと言う。

 

「えんぐん、きた」

 

【援軍……やはり理央様たちか】

 

【もしかして:七稜郭&七稜郭タワー&輝き散らしてるミラーボール&ダンジョン&その上の魔王城がドッキングした摩訶不思議な構造物、上から落ちてきてる】

 

【草】

【草】

【ああ、やはりユズワールドか……】

【ユズワールドこわい】

【なにしろ理不尽ギャグだからな】

 

【え? じゃああれが落っこちてきたらユズちゃんたち、ぺちゃんこ?】

 

【えっ】

【あっ】

【……ギャグ展開だよな?】

【そうだと言ってくれ】

 

【モンスターたちは魔力で助かるからともかく、ユズちゃんとひなたちゃんは】

【にげてー】

【天井が降ってきたら逃げるもなにも……】

 

援軍。

 

援軍?

 

上から来てる「なにかとてつもなく大きいもの」が、援軍?

 

でも――なぜかものすごくおなかが怖くなる感覚がするんだよ?

 

「……本当に、援軍なんですか」

「ん」

 

こくり。

 

うなずく黒髪の彼女は――けども、普段の眠そうな表情を硬くしていて。

 

「――――――えんぐんだけど、てきのえんぐん」

 

「えっ……」

 

【!?】

【え】

【まって】

【敵!?】

【敵って……なにが?】

【理央様たちじゃなくて敵!?】

【じゃあまさか、これも魔王とか】

 

「あたま、まもって」

 

――――――めりめりめりめり。

 

天井が、めくれる。

 

めくれた先は、なんにもない真っ暗闇。

 

その中から――――――ぎょろりと、ワイバーンさんたちが人間形態じゃなくかっこいい爬虫類的なワイバーンの姿のときで見慣れてる、ちょっと前に空飛ぶヘビさんでも見たような鱗に囲まれた、ダイヤみたいな形をした瞳が。

 

とんでもなくでっかいそれが、やっぱりワイバーンさんたちやヘビさんで見慣れたお鼻と一緒に、のぞき込んでくる。

 

「……ドラゴン……」

 

僕の体から、力が抜ける。

 

ただでさえ戦い続けて疲れ切って、ほっとして、やっと理央ちゃんと会えるって思ってたから。

 

でも、

 

「ゆずきちゃん……」

 

――――ひなたちゃんが来てくれてるんだ。

 

僕が、守らないと。

 

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