ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。 作:あずももも
「………………………………」
ごぉぉぉっ。
上空で、火球が爆ぜる。
ダンジョンの天井、その上の空間で起きてるはずの爆発なのに、うぶ毛がちりちりするくらいに熱い。
けど、これくらいなら――――――
「! おまんじゅうっ!」
びーっ。
僕たちがレーザーを撃ち出したと同時に火球が爆発し、その奥から炎の柱がおかわりでやってくる。
――ふたたびに僕たちの攻撃が衝突して大爆発。
「……ドラゴンさんたちの、上空からのブレスもこうやって防げはするみたいだけど……」
【残りMPは89%です】
「……思ったより余裕って言っていいのか、それとも……」
【つよい】
【ユズちゃんが普通に強かった】
【ぅゎょぅι゛ょっょぃ】
【でもサキュバスだよ?】
【サキュバスロリは嫌いか?】
【大好物だが?】
【草】
【ていうかあんな大技使って余裕って】
【ユズちゃん……成長したんだね……】
【空飛ぶくらい強くなってるしえっちになったね】
【お前ら……】
【悲報・理央様たち、やっぱ到着できてない】
【あっ……】
【あーあ】
【こんな事態ならしゃあない】
【むしろ、到着しても役に立てるかどうか】
【敵がでかすぎるんよ……】
「……ユズ様」
「エリーさん?」
必死すぎて周りが見えていなかった僕は、宙に浮かぶドラゴンさんたちを見上げて威嚇しながら、彼女へ視線を向ける。
「――ワタシ共も、全員でターゲットを絞ればユズ様並み……にはなるかと。全員で、ユズ様お一人分には。ユズ様のおかげで顕現できていますが、ワタシたち魔族は空間から魔力を得られますので、多少はユズ様の魔力消費を軽減しつつ攻撃の補助が可能かと」
「ありがとうございます」
数十のみんなが――さしずめユニコーンライダーってとこかな?――1か所にまとまっていて、僕の返事を聞いてからすぐに攻撃のためにユニコーンさんたちと魔力を絞っていく。
「それなら、魔力を何%かでも節約して攻撃頻度を2倍にしての迎撃戦ができますね」
【節約見込みは22%です】
「あ、2割も減るんですね、魔力。へー、やっぱりみんなが魔力を吸えばちりつもなんだ」
「ちりつも」
ばさっ、ばさっ。
女神様が僕の真横で浮遊している。
【かわいい】
【どっちが?】
【どっちも】
【エリーちゃんは?】
【えっち】
【ふぅ……】
【草】
【女神ちゃんがカメラ持ってるからねぇ……】
【カメラ係:女神】
【ぜいたくすぎる配信で草】
【近づいてくれると分かるけど、ほんとユズちゃんの色気やばない?】
【あれ、リップ……してないよなぁ】
【口元がえっち】
【お化粧とかしてなくてもえっちなのがサキュバスだからね】
【幼児体型なのがさらにえっちなんだ】
【ほんそれ】
【おかげで「第二次成長前はショタもロリも似たようなものよ!」とかのたまうお姉様方が、ユズちゃんに生えてるとか勝手な属性着けてきゃっきゃしてる……】
【もうあいつらしょっぴけよ】
【行動力を考えるとロリコンのお兄さんたちより凶悪だからな……】
【呼んだ?】
【しっしっ】
【おまわりさんこちらです】
【草】
【全員からえんがちょされてるショタコンの女王め……こんなシリアスにも活気づきやがって……】
◇
「きゅ……」
「「「ヒ――――――っ!!」」」
びーっ。
何度目かの対空攻撃のおかげで、さっきからこちらへの被害は無し。
落ちてくる魔石に関しても、できるだけ遠くの敵を倒すようにしてるおかげでダンジョンの「外」へ落ちていくらしく、最初以外はひやっとすることもない。
「申し訳ございません、ユズ様……ワタシ共の魔力が」
「あ、はい。すごく助かりました」
へろへろと地上へゆっくり墜落していくユニコーンさんたちの上で、サキュバスさんたちもまたへろへろになっている。
エリーさんだけはユニコーンさんに乗っていないから元気そうだけどね。
……この中で、僕の次に強いんだからエリーさんこそユニコーンさんに乗れば強いのに……なんで嫌なんだろ、乗るの。
あと、さっきからエリーさんに女神様が抱きついて抱っこさせてる。
……飛ぶのすらめんどくさいの? 君……いや、いいけどさ……戦えないっぽいし……。
【がんばった】
【えらい】
【疲れた顔がさらにえっち】
【わかる】
【インキュバス様……♥】
【力を使い果たしたサキュバスたちって……えっちだ……】
【それしか感想ないの??】
【草】
【ユズちゃんが明らかに押してるからね】
【そうそう、ユズちゃんはちょっとおかしい幼女でもあるんだからもう大丈夫だろ ちょうちょしてないし真面目にえっちな戦いしてるから】
【おいやめろ】
【フラグは立てるなって言ったでしょ!!】
【詠唱はお控えください】
【あ、空】
【あっ……】
――――――ぼぉっ。
またブレスが来たから、僕たちも疲れてきてるけども負けずに反撃して――――――
「? 手応えが……?」
びーっ。
僕たちの放ったビームは、確かに宙へ飛んでいってブレスに命中したはず。
なのに……今までとは違って相殺されず、そのまま彼方へと飛んでいく。
「なにが――――――」
「ぴっ!!」
チョコの叫び声に気がついたのは、さっきまでよりもずっと細い――けども、10本以上のブレス。
「まさか……僕たちの連射速度を把握して、攻撃を分散……チ、チョコっ!」
――――――ごぉぉぉぉっ。
今までの10分の1くらいの細い火柱が――見づらい角度になるよう移動していたのか、何方向から迫ってくる。
あっ……これ、もしかしてピンチかも?