ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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551話 最後の★を使った

UIさん。

 

女神様が用意してくれた、ゲームでのアシスタントキャラみたいな存在。

 

けども人間とは違う女神様が作った存在だ、ただのプログラム――僕の知る初期段階の人工知能――AIとは違って、明らかに心配する気持ちが届いてくる。

 

「その加護ってのは……お父さん、ですか?」

 

【直近10年ほどで魔王から与えられた力、そしてサキュバス――失礼、身体スキャンの結果インキュバスと習性――インキュバス?――混乱――困惑――エラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラー――】

 

「………………………………」

 

……UIさん、君も僕のことを女の子扱いするんだね。

 

いいよいいよ、慣れてるもん。

 

【シャットダウン――再起動――淫魔族としての祖先からの力】

【それらが貴方を、ユズを「死の淵」から2回まで救うはずの加護】

 

【いざとなったらその場から生還できるだけのあらゆる魔法を行使可能な魔力を魂へ後付けで貯蔵する、プール】

 

【それらが完全に消失します】

 

「……そう、ですか。おまんじゅう、もうちょっとがんばってね――上上下下左右左右BAって動いて。テンポ良く」

 

「きゅひっ!?」

 

ごぉぉっ、ごぉぉっ。

 

僕たちの反撃が止まったと気づいた彼らが――たぶん続々と増えてるんだろう仲間たちと一緒に、さらにたくさんのブレスを投げつけてくる。

 

【ひぇっ】

【こわいよー】

【攻撃が多すぎる】

【あんなに黒焦げになってるのに……】

【ユニコーンもかなりやられてるのにがんばってるな】

【ユズちゃんも必死でしがみついてる】

 

【偶蹄目  がんばれ】

【偶蹄類  ユズちゃんを無事に帰したらセクハラの罪は見逃してやる】

【駄馬  馬刺しにしないでやるからがんばれ】

 

【淫馬  うちの牧場の牝馬を紹介してやるからがんばれ】

 

【馬鹿、あいつは人間の美少女と美女なら誰でも良いだろ  こんなのでも良いっていう、ちょっと特殊過ぎる性癖を持ってるかわいい子を探し出してやるからやる気出せ】

 

【草】

【とうとう淫獣すら応援される事態に】

【感動した】

【さっきからひたすらセルフジェットコースターしてるからな】

【羽と魔力?使って空中で急停止と加速と回転を繰り返すとかやべぇ】

【おまんじゅう……それがお前の本気なのか……!】

 

「……この通り、敵は僕たちを追い詰めた気になってます。今、魔力を全回復させて……ぶっ放して、少なくとも数を減らして。僕たちがいくらでも回復できるんじゃないか――そう思わせでもしないと、だめなんです」

 

おまんじゅうがかくかくっと空中を蹴り、羽を動かして――それでもちりちりと毛先が焦げるほどにブレスは熱い。

 

だって炎だもん、かすらなくても僕たちを暑がらせて熱がらせて弱らせてくる、原始的だけど強力な攻撃――それが乱れ撃ちだもん。

 

「それに、あれらは魔王さん――新しい魔王さんで、とっても大きな軍勢を連れて地球に向かってるんです。僕は、来るときに見たんです。……せめてここで、1匹でも多く倒しておかないと、みんなが危険なんです」

 

剥がされた天井の先は、果てしない漆黒の空間の先に無数の小さな光。

 

星々――宇宙。

 

彼らは、ただの先兵なんだ。

せめてそれくらいは倒して、情報を持って帰らせちゃいけない。

 

「だから――お願いします。最後の★、使ってください」

 

【:】

 

【女神ノームより許可が下りました】

 

【ユズの★を、使用します】

 

――――――ずくんっ。

 

「んぁっ……!」

 

おなかの奥底――女性なら子宮がある場所。

 

リリスモードのときに知ったけど、インキュバスな僕がサキュバスに変身すると、そこに本当に子宮ができるらしい場所。

 

そこへ、最後の熱が注ぎ込まれる。

 

「あぁぁぁぁ……っ!」

 

ひときわに強い魔力が、僕を貫く。

 

びりびりと熱くって痺れてもどかしくって――リリスモードなら知ってる感覚が、僕の体を数秒だけ痺れさせる。

 

これまでの僕が、みんなから「ちょっとおかしい」って言われるほどに魔力を使えてた元凶。

 

僕の、切り札。

 

――魔王さんとお父さん、そしてお母さんの祖先からもらってた大切な宝物を、僕は、使う。

 

僕が今、大切にしたい人たちのために。

 

【      】

【      】

【      】

 

【えっち】

【えっち】

【あれはえっち】

【これはえっち】

 

【まーた謎の魔力回復か】

【リリスこわい……】

【えっちだから?】

【えっちだから】

【草】

 

【なんでこうなってるかはさっぱりだけど、ユズちゃんなら基本的にギャグ的存在として全ての因果から解き放たれてるから納得できる不思議】

 

【草】

【それはそう】

【ちょうちょ時代からずっとだよな】

【ちょうちょにリリスが合わさって無敵なんだぞ】

【聖女と性女の両刀だからな、ユズちゃんは】

 

【けどさ  ユニコーンにまたがりながら弓なりに体を反らして口を開けてて  カメラが離れてるから声とかは聞こえなくなってるし映像も荒くなってるけど、それがまた……】

 

【\123456789】

 

【!?】

【冗談みたいな数字が投げ込まれてて草】

【だってえっちだもん】

【ユズちゃんの配信だから不思議でも何でもないんだぞ】

 

【あ、ユズちゃんたちが元気になって急上昇してく】

 

【笑っちゃったけど、あの不思議リカバーもそれなりに大変っぽいし……がんばれ、ユズちゃん  がんばれ】

 

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