ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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552話 【速報・野生のサキュバスたち、乱入する】

「………………………………」

 

僕は、大切な人たちからもらった加護を、全部使い切った。

 

「ふぅーっ……」

 

静かに、息を整える。

 

『――何だ、あの魔力は』

『可笑しい、あり得ぬ』

 

『魔王様の速やかな侵略への障壁となるとした我らの判断は正しかったが……無限に回復できるとしたら、我らでは倒せぬ』

 

『何故か連絡が取れないが、最寄りの異界から長老の方を呼び寄せている……距離を取り、待機せよ。悪戯に刺激し、情報を共有する前に我らが全滅することだけは避けねばならぬ』

 

ばさっ、ばさっ。

 

何度でも魔力が満タンになる――ように見えるおかげか、ドラゴンさんたちは僕のことを、ものすごく警戒している。

 

――★の魔力は、もう回復できない。

 

これが、正真正銘の最後。

そう思わせないように、じっと見上げ続ける。

 

「おまんじゅう。魔力使って良いから回復して……休んでてね。この後は……だから」

「きゅひっ」

 

「ゆず」

 

「あ、女神様」

 

ぴとり。

 

彼女のふわふわとした黒髪ともっちりとしたほっぺたの感触が、僕の顔を撫でる。

さっきまでは戦闘から退避してた彼女が、また近くに寄ってきて……あ、それ、僕たちの配信機材?

 

「来てて大丈夫なんですか?」

「いまはへいき」

 

「そうですか」

 

戦えない彼女がここに来ているということは、今は本当に休めるんだろう。

 

「援軍は?」

 

「むぅ……」

「……やっぱり、最低でも彼らを倒さないとですか」

 

ここまではひたすらに連戦だった。

 

そのせいで――この場所のすごく濃い魔力や僕自身の★っていう力を借りて、それを無理やり振り回していたけども、そんなのはこれで最後。

 

だから、彼らが攻撃を再開するまではしっかり休んでおかないとね。

 

【ユズちゃん!】

【さりげなくユズちゃんにお顔くっつけて自分もカメラに映ってる女神ちゃんおちゃめね】

【草】

 

【もしかして:所有欲】

【既成事実かも知れないぞ】

【やだ、女神怖い……】

【上位存在だから思考がいまいち分からんのよね】

 

【でも、さっきよりは落ち着いたねユズちゃん】

【えっちすぎなくなったから直視でき……やっぱりえっちだわ】

【草】

【えっちはえっちだけど、まだ見てられるえっちっていうか】

 

【いちいちえっちだったけど、これでどうにかロリっ子に欲情させられるっていう罪悪感を覚えずに……やっぱり無理だわ、この半裸ですらないナチュラルボーンサキュバスメディカルクリニック】

 

【草】

【草】

【そういう種族だからね……】

【これでサキュバス100%じゃないってマジ?】

【これでクォーターなんだぞ】

【なぁにこれぇ……】

 

【サキュバスハーフ?らしい、ユズちゃんの倍のサキュバスブラッドをたたえているユズねぇを見ろ  経産婦サキュバスロリの所業を思い出せ】

 

【うん……】

【えっちではあるけど……】

【そんなもんじゃなかったっていうか……】

【自分から好みの相手を捕食しないだけでとんでもなく理性的なんだなって】

【ほんそれ】

 

【「しゅき♥」→「もう逃がさないよ♥(だいしゅきなホールド」→「じゃあ孕むまで楽しもうね♥ サキュバスの力で無限に楽しめるよ♥ え? 学校の先生と生徒? そんなのしゅきの前にはどうだって良いもん♥」→「できちゃった……認知して♥」→無事ユズちゃん生まれるだからな!】

 

【by「被害者の先生」の同僚たちより】

 

【草】

【ひでぇ】

【ひどすぎる】

【サキュバスに捕食されるとか天国かと思いきや地獄で草】

【現実だと一時の快楽の後の人生の方が遙かに長いからね……】

【サキュバスこわい……インキュバス来て……】

【↑インキュバスも似たようなものでは?】

 

【失礼ですね】

【そうですよ】

 

【誰だ貴様ら!】

 

【純血のサキュバスですが?】

【インキュバスですね】

 

【ふぁっ!?】

【草】

 

【サキュバスクイーンにしてリリスであらせられるユズ様――その母上様は、サキュバスの血が半分になられたことによりむしゃぶりつきたくなる人間様の魅力を半分獲得されたのを代償に、繁殖時期になると理性が半分足りなくなってしまわれるのです】

 

【あるいはサキュバスやインキュバスの社会で育てられたら、魅了への耐性もある程度つくのですが……】

 

【聞けば、母上様は完全に人間様として人間社会で育てられたご様子です】

【ゆえに、運命のお相手と巡り会えた瞬間、サキュバスの血が人間の血を塗りつぶしたということですので、普通の淫魔族はちゃんと我慢できます!】

【ですから人間様たちとの合コンのセッティングをですねぜひともぐへへ】

 

【速報・ユズちゃんの配信、とうとう同族たちが堂々と書き込む】

 

【草】

【なぁにこれぇ……なぁにこれぇ……】

【サキュバスさんたちだよ  人間の希望だよ】

【希望(ユズちゃん】

【インキュバスさん……家に来て……】

【お前……】

 

【あの  じゃあ理央様は?】

 

【あっ……】

【草】

【……確か、ユズちゃんを園児のころから手籠めに……】

【キスとかおさわり程度だったらしいけど……】

【程度(充分やばい】

【やばいよー】

【幼児だからそれで済んだだけなんじゃ?】

【そうだよ?】

 

【あの方はナチュラルボーン人間様ですね】

【サキュバスの血は一滴も確認されませんね】

【しいていえば……ユズ様の奥底に眠る血を嗅ぎ取られた?】

【ちょうど私たちの王でしたエリー様がユズ様の匂いに絡め取られたように】

 

【あー】

【あー】

【なるほど】

【サキュバスのいい匂いでしゅきしゅきになっちゃったかー】

【草】

 

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