ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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※大変申し訳ありません。

予約投稿がちょうちょの憂き目に遭い、なぜか1ヶ月近く更新されていませんでした。
なぜか1話も投稿できていませんでした……なぜか。

ですので最新話に追いつくまでは1日3回、8時&15時&20時の投稿です。


556話 合流

「……~~~~いったぁ……け、けど、柚希先輩……とおまんじゅうちゃんたち、捕まえたっ……!」

 

【ワープ中の魔王城のバルコニーから突如としてダイブした理央様……てっきりユズちゃん成分枯渇で狂ったかと思ったけど、まさかユズちゃんが落ちるのを助けるためだとは】

 

【草】

【草】

【ひやっとしたわ】

【それな】

 

【とうとう理央様もちょうちょに飲み込まれたのかと……】

【召喚の儀は厳にお控えくださいお前を混沌へ飲み込むぞ】

【ひぇっ】

【草】

 

「★」の大半を注ぎ込んで捨て身の攻撃をし――命中させるために飛び上がったところから浮力を失い、落下していた柚希。

 

そんな彼を「超巨大ダンジョン」の天井を越えた辺りで抱き留め――もとい頭突きをして捕まえたのは、異空間から「ジャンプ」してきた理央。

 

「柚希先輩……ずっとひとりで。あなたはいつも、そうなんですから」

 

完全に気を失った想い人をたぐり寄せ、ついでに綿の塊と液体金属を器用に受け止めた彼女は、地面に向かったままで彼を抱きしめる。

 

「たまには、私にも一緒……させてください。たとえ、最期でも」

 

完全な自由落下――いや、柚希の長距離ビームの反動で加速がついた落下。

 

加えて、はるか天上からはすべてを焼き尽くすブレスが迫り、ために強烈な下降気流が形成され、2人と2匹は地面に向かい、さらに加速していく。

 

【あああああ】

【あああああ】

 

【理央様が抱きついたせいでさらに加速してるぅぅぅぅ!! 理央様が余計なことしたせいでぇぇぇぇ!!!】

 

【草】

【草】

【笑ってる場合じゃないけど草】

【理央様の覚悟はすごいんだけど……】

 

【あの……なんかすごいモードになってるユズちゃんなら、意識さえあればなんとかなったんじゃ……】

【ていうか羽……サキュバスの羽が生えてたから、ぱたぱたとでもしたらちょっとはマシだったんじゃ……】

 

【※理央様がごっつんこしたせいで完全に気絶してるっぽいです】

【※だってツノも羽も尻尾も消えてるもん】

【※えっちじゃなくなってる……】

【※つまり?】

 

【※悲哀に酔いしれた理央様、盛大にやらかして2人で地面へ真っ逆さまへ

  2人とも助かるかもしれなかったのにな】

 

【草】

【かわいそうに……】

【どっちが?】

【え? ユズちゃん】

【だよな!】

【草】

【理央様……どうして……】

 

2人が、墜ちる。

 

その落下地点へ駆けつけるモンスターたち、空中で受け止めようと全力で表する淫魔と亜竜たち――けれども、あらゆる力で加速した彼らの撃墜を防ぐのには、間に合わない。

 

空が、紅く染まる。

 

炎の息。

龍の――古龍の、ブレス。

 

超巨大ダンジョン――地球の中でも高難易度の最下層の空間を何十と詰め込んでようやくに満たされる容積のその空間へ、その空間ですら収まり切るかどうかという巨体が放つ、魔力の塊が降り注ぐ。

 

【もうだめだ……】

【まさか、理央様のせいで……】

【なにもかもがおじゃんに……】

【ま、まあ、理央様は悲劇のヒロインになれるから……】

【言ってる場合か!? 言ってる場合か……】

【草】

 

【ユズちゃんがかわいそう】

【リストバンド、ここで通じ……ないよなぁ……】

【てことは本当におしまい?】

【画面の上がすげぇ明るくなってきたし】

【こわいよー】

 

【え? てことはひなたちゃんもエリーちゃんもおやびんも女神ちゃんもおしまい?】

 

【あっ……】

【さ、さすがに助かりそうな子は女神ちゃんがなんとかしてくれる……よね?】

 

「だいじょうぶ」

 

ぽつり。

 

配信機材のカメラを――いつの間にかに抱きしめていた幼い黒髪の少女が、墜ちてくる彼を見上げて、言う。

 

「ぼうがいまほう……かいせきかんりょう」

 

――――――――ずず。

 

炎が迫りつつあるせいかダンジョンの壁の上、天井と重なっていたであろう部分が融解していくその付近で、空間が揺らめく。

 

【ひぇっ】

【あれ……溶けてるぅ……】

【非破壊オブジェクトなはずのダンジョンが……】

【ユズちゃんの「じゅっ」とかよりやべーブレスが】

【あれ  なんか上空に黒いものが】

 

「やっかいだった。だって、おかあさまたちのじだいのまほうだったから」

 

【待て、なんかさっきから女神ちゃんが】

【なんか言ってる?】

【ダメだ、暴風とわんにゃんたちの鳴き声と上からの轟音で聞こえやしない】

【もうだめだ……】

【草】

 

「でも」

 

黒き女神の紅き瞳が、光る。

 

「ゆずがでもぷれいしてくれたから、『げーむ』をさいてきかできた。まおうのてしたをひきつけてくれたから――けいさん、かんりょう」

 

――――――――すぅっ。

 

「――てんいまほう。ないない――――――――あうと」

 

小さな体が、大きく息を吸い込む。

 

『――通常空間へ位相が復帰します』

 

少女が祈ると、裂けた空間から巨大構造物が出現する。

 

それは西洋の豪華な城を屋根に無骨な多層構造という屋台骨を構え、中心部にきらきらと輝くミラーボールが激しく回転してダンジョンを七色に照らすもの。

 

『緊急重力制御魔法を発動します』

 

『魔王城システム……「ミラーボール」、状態安定しています』

 

その下にも多層のダンジョンを構え――ついでに巻き込まれた観光用のタワーがちらりと横に生えた七稜郭という七つの要塞を庭園とした、細長い尖塔。

 

『聖女様の座標を把握しました』

 

『上部の極大炎系魔法により温度急上昇中です』

 

『地上の皆様は、衝撃に備えてくださいませ』

 

その全体から響くのは城内のメイドたちからの合図。

 

そして、

 

『魔王様――ご命令を』

 

「――『超』極大魔法、亜始原輪廻闇魔法。……倒し切れはしないだろうが――勝てぬからといって子供を見捨てるような親は、居ないのでな。そうだろう? 柚乃」

 

「ええ。……柚希。あとはお父さんとお母さんと――みんなに、任せてね」

 

柚希の巻き込まれてきた、11年前の――ダンジョンの出現という全ての起点からの因果が、収束した。

 

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