ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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562話 【朗報・ユズちゃん、かわいい】

「――――柚希さん! ひなたさん!」

 

いつもみたいに変になってる理央ちゃんやほっぺたをくっつけてくる女神様と一緒に地面に降ろしてもらった僕は、ひなたちゃんと合流して無事を確認し合った。

 

なぜかひれ伏そうとしてきた巨人さんたちに「大丈夫です」って言ってたら、みんなから――おててが大きすぎるから指先だけでだけど、順番に頭をなでなでされたりしてちょっと気恥ずかしかったりした。

 

そんなところへよく通る女の人の声。

それに振り向くと、

 

「こんにちは教官さん。……えっと、いつぶりでしたっけ」

 

ざっざっざっ。

 

たくさんのダンジョン潜りさんたち――装備がきらきらしててごついから、きっと中級者以上だ――と一緒に、綺麗な女の人が走ってくる。

 

……あれ?

 

ひなたちゃんならともかく、なんで理央ちゃんや教官さんがこっちに?

そういや上のでっかい建物の上にあやさんも居たみたいだし。

 

「? 教官さ――――」

 

「……心配、したんですから……!」

「わぷ」

 

むぎゅっ。

 

軽装の鎧を身につけた彼女が一直線に走ってきて――理央ちゃんみたいに遠慮なくぶつかってくると思ったらふわりと、金属の装備で固められている胸元も柔らかいって感じるほどに優しく、僕を包んでくる。

 

「心配……したんですからね……! 魔王の配下に誘拐されたと思ったら不幸な行き違いだったと分かって、ですが柚希さんだけが魔力でできた装置に取り込まれたと聞いてから、ずっと……!」

 

「……ごめんなさい」

 

【!?】

【!?】

【!!??】

 

【ぶわっ】

【教官ちゃんが】

【泣ける】

【なかないで】

 

【常識的な成人女性なら心配してたよなぁ……】

【それな】

【しかもユズちゃんたちの初心者講習からずっと見守ってきた人だもんな】

 

【もしかして:ママ】

 

【ママ=母=姉=サキュバスロリゆずねぇを連想させるからそのワードは二度と口にするな禁止ワードだぞ】

 

【草】

【草】

【うん……ユズねぇはねぇ……】

【あれはママなのか……ママか……】

 

【あんなユズねぇも生物学的にはママだとかいう地獄】

【天国だよ?】

 

【寝込む前まではちゃんとユズちゃんを育ててきたという実績が存在してしまうんだよなぁ】

【寝込んでからもユズちゃんが健気にも生活費と薬代をバイトで養う程度には母親として尊敬も愛されもしていたはずなんだよなぁ】

 

【ウッソだろお前  って言いたいけど親衛隊たちのコメントとか配信で信憑性がありすぎる体験談聞いてるからなぁ】

【身近でまともな人たちからの話がね】

 

【ユズねぇとか理央様みたいに公平性とか客観性とか欠片もない情報は価値がないからね  なおユズちゃん】

 

【草】

【ゆ、ユズちゃんはちょうちょなだけだから……】

【ユズちゃんも、取り憑いてるちょうちょがおとなしくしてるときは結構まともだから……】

【でもそのちょうちょ……何かの拍子に羽ばたきます……】

【おろろろろろろ】

 

【ダンジョン配信でも、なぜかダンジョンでひらひらしてるちょうちょ追っかけたりしてたもんなぁこの幼女】

【本人は真面目なつもりでも見聞きする情報の半分くらいは壁の変なシミとか不思議な音とかちょうちょとかで占められてそう】

【草】

【ユズちゃん……どうして……】

【ユズねぇの娘だからだよ?】

【ユズパパの血で半分だけマシになったはずだけど……ねぇ……?】

 

【か、かっこいい場面は結構あったから……ショタコンが喜ぶレベルには声がちょっと低めの男の子な雰囲気にもなったりするし……】

 

【おもしれー女筆頭のユズねぇ  その娘としては破格にまともなユズちゃんだもんな、本当に  不思議なくらいに】

 

【サキュバスもびっくりのまともな育ちっぷりだもんな!】

【ユズねぇは……サキュバスの血が半分だから……】

【サキュバスの血ならしょうがない】

【やはりユズパパは偉大だったか……】

【まともな人間と2代重ねないとおとなしくならないとか】

【クォーターくらいでようやく人類に近づくのか、サキュバス……】

【草】

 

【しかもユズパパはまさかのTSロリ疑惑だしな】

 

【しまった、ロリとロリとロリが被ってしまった】

【なにか問題でも?】

【特にないか……】

【だよな!】

【草】

 

【そういやユズちゃんとこはロリ一家になるのか】

【ユズパパの行く末がわからんが、そうなるな】

【サキュバスとサキュバスと吸血鬼……興奮してきたな】

 

【感動の再会……うん、ユズちゃんだからしょうがないよね……】

 

「ぷは」

 

僕は抱きしめられていた気恥ずかしさから解放されて、恥ずかしいから髪の毛を撫でつけながら恥ずかしさを紛らわせるために周りを見る。

 

「あ。そういえば……あの建物、なんですか?」

 

【あっ】

【あっ……】

【草】

【そういやユズちゃんは知らないのか】

【そうだっけ? そうだったわ】

【あー、あの不可思議な構造物が出現したの、ユズちゃんが連れ去られたりミラーボールしたあとだからねぇ……】

 

「……七稜郭タワーです」

「あー、地理で写真と一緒に覚えたことがある……けど、そっちじゃなくって」

 

僕が指差したのは、結構高い観光名所だったはずなのに小さく見えるタワーの先にある、巨大な……タワー?

 

「あれは……なんですか?」

 

「……ダンジョンです」

 

「ダンジョンなんですか?」

「ダンジョンなんです」

 

「はぇー」

 

僕は、まるで地層みたいな――自然的な構造物を見上げる。

 

「……はぇー……!」

 

その荒々しさ、その上でくるくる回ってる光り輝く球体、さらにその上にふよふよと浮いている、もっとすごい構造物とキノコみたいな屋根。

 

「ふわぁぁぁ……」

 

……かっこいい……!

 

【かわいい】

【かわいい】

【くっそかわいい】

【そうだった、ユズちゃん、こういう反応するんだったわ】

【かわいくてキュン死するわこんなん】

【わかる】

 

【子供って素直に感動してくれるから嬉しいよね】

【わかる】

【だから休日を使ってでも子供の行きたいイベントとかに連れていくんだ】

【すごくよくわかる】

【しまった、ユズちゃんが現れたからパパさんママさんがうずき出したぞ……!】

 

【なにしろサキュバスにして恋のキューピットだからね】

 

【恋のキューピット(強制】

【恋のキューピット(肉欲】

【だ、だいたいみんな満足してるらしいから……サバトでくっついたカップルたちは……】

 

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