ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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563話 【悲報・ちょうちょ】

「へー。僕がいろんなとこ行ってるあいだ、そんなことになってたんだぁ。へー」

 

「柚希先輩……」

「りおちゃん、元気出して。ゆずきちゃんだもん」

 

「ゆず……めがみ。せんぱい? ちょうちょ……?」

 

僕は、ひととおりの話を聞いた。

 

なんでも、僕がメイドさんたちに助けられてから――メイドさんたちはそういう目的で僕をお城へお迎えしてくれたし、お風呂に入れてくれたし真上見ててくれたし、すけすけな魔王様とお話しできたし寝心地のいいベッドでぐっすり寝させてくれたし、不思議だけどおいしい食材と料理を満喫したしお城の中を探検したし、不思議な玉を見せてもらってその中も探検できて楽しかったけども――地球ではいろいろあったらしい。

 

あの魔王さんが、僕がいじめられてるって勘違いして地球を滅ぼそうとして僕たちが潜ってた大規模なダンジョンごと空に飛び上がったり、それで出海道を封鎖して支配したり、たくさんのモンスターを召喚したり、あちこちのダンジョンをめきょきょって持ち上げて恐怖させたり、けども理央ちゃんたちがお城に乗り込んで丁寧に説明してくれた結果として誤解は解けて仲直り、冒険してる僕を取り戻そうとしてたら勝手に玉が動き出して――目の前のでっかい構造物がこっちに来てると。

 

「いいなぁ……僕もそっちに居たかったなぁ」

 

「柚希先輩、本当に聞いてました!?」

 

「うん、だいたいは」

 

「……うぅ、柚希先輩がそう言うときは3割くらいしか聞いてないとき……」

「りおちゃん、胃薬もってきてるよ。お水いらないやつ」

 

【草】

【草】

【理央様の苦労が光る】

【おいたわしい……】

【これはおいたわしい理央様】

【ああ、ユズちゃんを幼女にして絡め取ろうとしていた所業を暴露されるまでの理央様への反応が懐かしい】

【草】

【ひなたちゃんがマジで天使】

 

【理央様の簡潔な説明を聞いて、なのに肝心なポイントをことごとく外してるユズちゃんで草】

 

【このサキュバスユニコーンちょうちょ聖女ロリ魔王姫め……】

【それいつもどうやってるの?】

【予測変換の辞書に登録してるけど?】

【草】

【草】

【これはプロのリスナー】

【ユズちゃんの配信には速報性が求められるからね】

 

ごぉぉぉぉっ。

 

僕たちの頭上――高層ビルの上辺りのお城からは、オレンジの光と熱波が降り注ぐ。

 

「で、これは魔王様がやってるんですか」

 

「たぶん……」

「だと思います。魔王様は……その。柚希先輩の義母様と……」

 

「どうでもいいけど、理央ちゃんたちがお母さんのこと呼ぶとき、なんかちょっと前までと違うよね。こう、込められてる感情っていうか」

 

「……柚希先輩? 私たち、一応……法律上も夫婦――パートナーで、柚希先輩のお母さんは義母様ですよ……?」

「んー、でもお母さんはそういうの、あんまり好きじゃないと思うよ?」

 

【なるほど】

【ユズねぇだしなぁ】

【サキュバス相手に嫁さんからの気づかいなんて必要なさそうね】

【草】

【まぁ、そうねぇ……】

【理央様、ユズちゃん関係以外はまともだから……】

 

「でも、あの魔王様が僕のお父さんってほんと?」

 

「あ、はい。柚乃さんがそう言ってたので」

 

お父さん。

 

ミラーボールの中で、過去の光景で観たお父さん。

 

……それが、あんなにすけすけだし女の人の発情したもわっとした匂いを振りまいてた人に?

 

いやいや、そんなことあり得ないでしょ。

だってお父さんは、

 

「でも、お父さんは男の人だよ?」

「あ、えっと、そうなんですけど」

 

「そもそもお父さんは10年前ので死んじゃったし。あ、いや、違うんだった。あのね理央ちゃん、僕、ちょっと10年前にタイムスリップしてあの日に飛んで、僕たちの町がモンスターの侵攻で焼け野原になって町の人がみんな食べられちゃった場面にたどり着いて、わーってなってたらお父さんが魔王さんに命を捧げてて、代わりに死にそうになってたお母さんとぼんやりしてた僕を助けてくれて、ついでで死んじゃったはずの町の人たちを全員生き返らせてくれたってところに行ったんだけど。あ、そのあと飛び回ったら隣町に行ってモンスターの群れを倒して学校の人たちにサキュバスだけど受け入れられて、よく分からなかったけどお母さんがお父さんを捕食したって聞かされてね」

 

あれ?

 

……ああそうだ、リリスモードを解除しちゃうと僕の思考能力も記憶力も落ちるんだった。

 

「柚希先輩……」

「ゆずきちゃん、落ち着こうね。お話ししたいこといっぱいあると思うけど、だんだんよく分からなくなってきてるみたいだからゆっくりお話ししようね。ひなたたち、ちゃんと聞くからゆっくりお話ししようね。だいじょうぶだからね」

 

「あ、うん。ひなたちゃん、ありがと」

 

【?????】

【?????】

【なぁにこれぇ……】

【ユズちゃんの妄想  だと良かったね……】

【でも違うよね……】

【たぶん本当のことだろうね……】

 

【え? このちょうちょ、ミラーボールの中で過去へ跳んでやらかしてた?】

【どうやらそのようだな……】

 

【草】

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