ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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571話 魔王城に入った  いつぶりなんだろう

たったったったっ。

 

「魔王様――いえ、姫様にとっては御父上に御母上でございますね――は、中央の尖塔、その最上階に居られます」

 

「現在魔王城は戦闘第三形態での迎撃モードへと移行しており、途中から建物自体が不自然に折れ曲がっておりますが、特殊な魔力で防護していますために移動には差し支えはございません」

 

「足元の床が無い場所でも魔力フィールドで問題無く歩行できますのでご安心くださいませ」

 

かんかんかんかんっ。

 

いくら説明されてもよく分からないけども、とにかく女の子になっちゃってるらしいお父さんがお母さんと一緒に、この上に居るらしい。

 

走る僕のすぐ横をメイドさん――僕を連れてきたお姉さんだ――が、その後ろに理央ちゃんたちにその他のメイドさんたちが、靴を石畳に反響させている。

 

「防衛戦はもう直に敵の魔力切れにより収束すると見られます」

 

「魔王様の魔力からすれば容易なことです」

「さすがは魔王様です」

 

「へー、すごいですねぇ」

 

「「「ヴッ……」」」

 

【かわいい】

【かわいい】

 

【みんなで全力で走るかと思いきや、ユズちゃんがそんなに速くないせいで結果的に駆け足になってるだけの集団で草】

 

【ユズちゃんがね……懸命にぽてぽてって走ってるからね……いや、かわいいんだけどさ……】

【ユズちゃん?? せめて駄馬くらい誰かに預けよう??】

【ただでさえぽてぽてなのに胸元で白馬の馬鹿を抱っこしてるもんだからさらに遅くなってて草】

 

【草】

【草】

【ユズちゃん……どうして……】

【ま、まあ、ユズちゃんはずっと戦ってたから……】

【魔力切れ起こしてすやすやしてないだけで偉いから……】

【ちゃんと起きて鳴いているだけで褒められるべきだから……】

 

【ちょうちょになってない時点でとんでもない賞賛を浴びるべきだもんな!】

 

【草】

【そういやなってないわ草】

【なってたろ、さっき  メイドちゃんたちを巻き込んで会話のテンポが狂ってたぞ】

【大丈夫、今はひなたちゃんを始めツッコミが居るから】

【ツッコミ不在は……恐怖だったからな……】

【おろろろろ(思い出し嘔吐】

 

胸元には――かっこいい白馬から小さいクッションみたいに戻って寝ているおまんじゅう、ポケットの中にも同じくチョコ。

 

2人とも、限界までがんばってくれたんだもんね。

 

……けど僕、なんでそこまで眠くないんだろう。

 

「ちょうちょ」

 

「?」

 

ふわり。

 

……羽が生えているのをいいことに、女神様やエリーさん、おやびんさんたちが飛びながら着いてきている中、女神様が真横まで来て話しかけてくる。

 

「ちゅうわちゅう」

 

「中和?」

「ん」

 

「柚希先輩……お話しして速度、さらに落ちてます……」

「やはり柚希さんごと抱き上げた方が……?」

 

「いえ、上での戦闘自体は問題ないとのことですし、私たちはそれを信じて体力を温存した方が……」

「んー、みんな怖くなってないからこのままでいいんじゃないかなぁ」

 

理央ちゃんたちの話し声。

 

……こうしてみんなの声を近くで聞くって、すごく幸せ。

 

けども、中和ってなんだろう。

 

【速報・ちょうちょ、中和できる】

 

【なぁにこれぇ……】

【ちょうちょだよ?】

【そんなの分かってるわ】

 

【え? ユズちゃんのちょうちょ……やろうと思えば止められるの……?】

 

【もっと早く言ってよぉ女神ちゃん……】

【もはや手遅れだよ女神ちゃん……】

【この女神も既にちょうちょに汚染されているんだ……思い出せただけでも感謝しないとな……】

【まじかよ女神ちゃんめっちゃかわいそうじゃん】

【草】

 

 

 

 

たったったったっ……角を曲がって別の廊下。

 

「あ、ここ、ごはん食べたところだ」

 

「その通りでございます。戦闘終結の暁には魔王様や配下の魔王様方とともに晩餐などいかがでしょう」

 

「……そういえば僕、ずっと何も食べてない……」

 

「饗宴は三日三晩開催のスケジュールですので、幾らでもご堪能いただけます」

 

僕はちょっとおなかが空いた。

 

【草】

【ユズちゃん、ご飯いただいたの? お礼言った?】

【今度手土産持ってかないとね】

【ノリが完全に友達の家とかに泊まった子供へのそれで草】

 

【元々はユズちゃんのせいとはいえすっごくがんばったらしいから、ごはんくらいはいいんじゃないかな……うん……】

 

 

 

 

階段を登った先。

 

「あ。ここ、お風呂があったところだ」

 

「後ほど湯浴みは如何でございましょう」

「姫様のお身体の隅々までを私共でご奉仕ぐへへへ」

「しっ……奥方様方を排除し、かつ、あの魅了をどうにかせねば私共が三日三晩ぐっちょんぐっちょんでございます」

 

「……あの、私たち、聞いてるんですけど」

「ひなたさん……? そんなに怖い顔をしてはいけませんよ……?」

 

【ひぇっ】

【じょばばばば】

【悲報・ひなたちゃん、嫉妬で怖くなる】

【賢い幼女が怖い幼女になってしまった】

 

【ああうん、理央様は怒り方が理央様だし、あやちゃんとか優ちゃんはそこまで怒るの想像できないけど、ひなたちゃんはね……】

【この色ボケメイドども……ひなた「様」をあまり怒らせない方が身のためだぞ……  いやマジで】

 

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