ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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581話 最終決戦へ――テイマーとして、行こう

「エリーさんとおやびんさんは、飛べる子たちをすぐに飛ばせてバリアの内側で迎撃態勢にしてください。無理はしないで、危ないって思ったらすぐにお城かダンジョンに引っ込んでください」

 

「承知しました」

「よく分かんねぇけど、ユズの頼みなら!」

 

ばさばさっ。

 

魔力切れの人以外が、淫魔族の人たちと亜竜の人たちが飛び立つ。

 

「教官さん、すぐに下の人たちに連絡を。……七稜郭の土塁に沿って作ってあった防衛線で、警戒してくださいって。持ってきてる戦車?とかの武装は、最初から全力で使ってくださいって。でも、危ないって感じたらすぐにダンジョンへ避難してくださいって。ダンジョンの中は、多数の敵を少数で防衛するのに向いていますから」

 

【ユズちゃんがめっちゃ早口】

【たまーになるよな】

【ほんわりぽわぽわちょうちょじゃない……】

【ユズちゃんだってやるときはやるんだぞ】

【ていうか……え? そんなにたくさんおかわり来るのぉ……?】

 

「……! りょ、了解です……! ……みなさん、配信で観ているから伝わっていると思いますが……」

 

教官さんや、一緒に来てくれていた軍人さんやダンジョン潜りさんたちの表情が引き締まる。

 

「あやさん。さっきのすごい杖……まだ使えますか」

 

やっぱり見慣れないローブ姿の――まるで熟練の魔法使いさんみたいな格好になっているあやさんを見上げる。

 

「きゅひひひひ……」

 

【でかい】

【でっか】

【でっっっっ】

【ふぅ……】

【ちょっとぶりに映ったと思ったら挟み込んでるおっぱいで……ふぅ……】

 

……その、お胸に杖とか挟むと、おまんじゅうみたいな子が反応しちゃうからやめといた方が良いんじゃ……。

 

「その杖を使えば、遠くを攻撃できますか」

 

「え、ええと……」

 

「問題ないと報告致します、姫様」

「私共が魔力を直列と並列を併用して供給致しますのでばんばん撃てます聖女様」

「この方の素養はそれなりでございますので、補助さえすれば問題ありませんユズ様」

 

「姫様?」

「聖女様?」

「それとも……何でしょう?」

「ユズ様は淫魔族を纏める王、すなわち魔王でもございますが?」

「ちょうちょ経由で精霊族にも縁がありそうでございますね」

「しかも勇者様の御子であり、ご本人も勇者様でございます」

 

「………………………………?」

「………………………………?」

「………………………………?」

 

【草】

【草】

【悲報・メイドちゃんたち、混乱する】

【あーあ】

【属性か多すぎるんよユズちゃんは……】

【ユズちゃんだからね……】

 

「とにかく、使えるんですね。あやさんも、大丈夫そうですか?」

 

「は、はい……! 上位の魔法は使えませんけど、使ったことのある魔法だけなら……威力を上げれば、遠くへも」

「それで大丈夫です。ケガだけはしないでくださいね」

 

きぃぃぃん。

 

あやさんの持つ不思議な杖が、やる気にあふれている。

 

「杖さんも、無理はしないでくださいね。魔力切れってつらいから」

 

【草】

【かわいい】

【「杖さん」て】

 

「……柚希さんこそ、ですからね」

「はい」

 

あやさんの、優しい微笑み。

包容力ってこういうものだっていう表情。

 

……お母さんにも、あやさんを見習ってほしいよ。

 

「優さん、ひなたちゃん――理央ちゃん」

 

ぎゅっ。

 

「……きゅひ?」

「ぴぴ?」

 

胸元では、完全に目を覚ましているおまんじゅうたち。

すごく疲れているから、もうさっきまでみたいにはできないけども。

 

「最後かも、しれませんけど」

 

――――――くらっ。

 

世界が、傾いた感覚。

 

【位相が同期します】

 

【「ミラーボール」へ接続・・・重力方向を統合します】

 

【ミラーボール以下は地表が南方向――突き出した塔の方向へ7%傾いていることを考慮に入れてください】

 

UIさんが、次々と情報をくれている。

 

――女神様、ノームさんが僕たちのために残してくれた、情報面で助けてくれる存在。

 

「みんなで」

 

これだけお膳立てされたなら――男なら、だるいし眠いしおなかも空いているとしても、戦わないなんて選択肢は、ないんだ。

 

「ダンジョン攻略――外に開いたバージョンのダンジョンを、攻略しましょう。それが、最終決戦だって、女神様が言っていました」

 

僕も、全部を使い果たしている。

 

「★」っていう特別な力も、もうなくなっている。

 

でも――いや、だからこそ。

 

「僕は、普通の攻略をしたかったんです。普通に、戦いたかったんです。特別な力は要らなくって、普通ので良くって。普通にダンジョンを、みんなと一緒に冒険したかったんです。だから」

 

「「「わおにゃこけぶひー!!」」」

 

「……だから、ただのテイマーとして」

 

僕の気持ちに応えて――魔力もろくに供給できてないのに、ついてきてくれた子たちが群がってくる。

 

「下に、降りて……みなさんと、大規模パーティーでの攻略――全方向から敵が来るからタワーディフェンスではありますけど」

 

「! 柚希、空間が――――――」

 

お父さんの声。

 

――――――ぐんにゃり。

 

空が、変わる。

 

真っ白で無機質で真っ直ぐだった周囲の光景が、紫の瘴気で包まれた荒野へと変貌していく。

 

『『『GAAAAA――――――!!』』』

 

響いてくる、無数の声。

 

でも、大丈夫。

 

だって、ノームさんも言ってたもん。

 

「僕たちが力を合わせたなら――『絶対に、勝てるんですから』」

 

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