ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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583話 【お姫様抱っこされながら国際情勢を教わるお姫様なユズちゃん】

「話は戻しまして、私共の魔王様は全魔王を名乗る存在の中でも……かなりの穏健派でございます」

 

「へー」

 

「それはもう圧倒的に――魔族の中では人間様に近い上、人間様に依存する必要のある吸血鬼という種族の都合もありますけれども。それでも、力を持つ魔族――先ほどのピラミッドで申しますとその上も上、斜面が欠けても残るでしょう先端の部分に位置する勢力としては、奇特にも人間様ほか他種族を理由なしに敵対視も支配も望まれません」

「ほー?」

 

「どの種族とでも可能なら緩やかな同盟や連合を組み、必要ならどの文明位階のそれとでも融合を行い――他の魔王勢力が束になっていちゃもんをつけてきたときのために必要な戦力だけを維持しつつ、内部では魔法と科学の研究や文学、芸術を推進しております。基本は専守防衛をモットーとしております」

 

「おー……?」

 

すらすらすら。

 

速すぎて全部は聞き取れなかったけども、あの魔王さんがすごくいい人ってのはよく分かった。

 

【わかってそう?】

【わかってなさそう】

【声からしてまったく理解できてなさそう】

【草】

 

【つ、疲れてるから……】

【遠足の帰り道で突然授業されたようなもんだからな! しかも口頭だけでな!】

【それならしょうがないな!】

 

「その御心に惹かれ、配下へと加わっております魔王様方も多数――ええ、ずっと前の魔王様方の代から、いらっしゃいます」

 

「つまり……すごく大きくなって落ち着いてる大帝国なんですね」

 

「はい、3代ほど前から極めて安定しております。周辺地域との紛争も、少なくともこちらからしかけたことはございません」

 

【かしこい】

【これはかしこい】

【ユズちゃんがちゃんと反応してる!!】

【草】

 

【※地球なんか比較にならないほどの規模の話をしています】

【大丈夫大丈夫  ユズちゃん、その大帝国のお姫様だから】

【そうだったわ……】

【家庭教師役のメイドちゃんに教えてもらってるお姫様だもんな!】

【だから、たとえ辺境だったとしても、そのユズちゃんの生まれ故郷は滅ぼしたりしないだろ? だから安心して良いぞ】

【なるほど】

 

「そしてユズ姫様は、直系ではなくとも魔王様に連なる王族の姫でございます」

 

「……僕が、お姫様……」

 

お姫様?

 

……お姫様。

 

「………………………………」

 

【この顔は……なんだ?】

【わからん……】

【????】

【草】

 

【納得行ってそう?】

【納得行ってなさそう】

【よくわかってなさそう】

【なるほど、わからないから困ってるのかユズちゃんは】

【草】

 

【まぁ分かりにくいよなぁ、TS美少女になったユズパパの時点で】

【本人にとっては特ににな……】

【自分たちの身代わりに散ったはずの父親が、気がつけば銀髪紅眼美少女になってる上に魔王ちゃん様だもんな……】

【こんなん誰でもわからないし、わかったらそいつはなにかがおかしい】

【草】

 

「魂で申し上げますと……4分の1。所謂クォーターではございますが、極めて濃い魔力……なのでしょうか?……あるいは先祖返りにより、将来はさぞかし高名な魔王様となられるでしょう。ええ、きっと」

 

「……?」

 

クォーター。

 

……確か僕、サキュバスとしても……いやいや、インキュバスとしてクォーターだとか。

 

………………………………。

 

えっ。

 

けど、そうなったらお母さんのお母さんって、本物のサキュバスさん?

 

え?

 

「ごめんねぇゆず、お母さんね、おばあちゃんから捨てられちゃった子供だから、お年玉とかもらえないのよぉ」ってお母さんが言ってた、そのおばあちゃんがサキュバスさん?

 

………………………………。

 

……あ、でも、そうなると?

 

お母さんのお父さん――居るはずのおじいちゃんって、人間……?

 

【お】

【クォーターがここでもまた】

【サキュバスの血もクォーター、魔王の血もクォーターか】

 

【……これ、偶然? サキュバスでもあって、魔王一家でもあるって】

 

【さぁ?】

【おろろろろ(先行入力】

【草】

 

「姫様はどのような魔王様になるおつもりでしょうね」

 

「いえ、なるつもりはないですけど……」

 

「申し訳ございません、少々性急に過ぎる質問でしたね。まだ実感は湧かないでしょうし……なによりも、お父様であらせられる勇者様の庇護を不要とされた当代の魔王様は、最低でも千年は玉座を降りるつもりはないはず……大変失礼しました」

 

や、違くて。

 

そういう話じゃなくってさ。

 

その前に、僕……男なんだけど。

 

………………………………。

 

………………………………………………………………。

 

「メイドさん」

「何でございましょう姫様」

 

【お】

【どうしたユズちゃん】

【質問は偉いぞユズちゃん】

【わからないことをわからないままにしないのはえらいぞ】

【ほんそれ】

【視聴者たちが完全に保護者の視点に立っている】

 

【けどユズちゃん……だいたいこういうとき、いっつも変なことばっか言うけど、さすがに今は……】

 

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