ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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609話 【速報・ロリサキュバス、召喚される】

「柚希? お父さんは今な、お母さんの魔力も借りて城の防衛機構を作動させつつ、隙あらば上空からブレスを撃ち込んでこようとしている無数のドラゴンたちへ牽制射撃を続けているんだ。早く戻してくれ……ここから登ると時間がかかる」

 

「そうなのよ、ゆず! お父さんったらそれはもう凜々しくてかわいくて!」

 

「柚乃、今はそんなことを話している場合じゃないんだ」

「でもせんせいのかっこかわいさも伝えないと! ゆずったらあなたのこと、すっかり忘れちゃってるんだから!」

 

「んー……」

 

お父さん――厳密にはお父さんを器として生成された別の子、いわゆる異母兄弟って存在の肉体の魔王と、そんなお父さんの腕を取りながら主張の激しいお母さんを無視し、僕は肝心のお相手を「血縁システム」からたどる。

 

【ユズねぇ、お前……】

【てかユズパパたち、めっちゃ大切なお仕事してた】

【全然見えないからわからなかったけど、なるほどな】

【あ、カメラ上空  今までは粒ほどのサイズだったドラゴンたちがちょっとだけど大きく……近くなってる】

【ひぇっ】

 

【え? この瞬間も撤退しながらの戦いを余儀なくされてるところにたくさんのドラゴンが乱入するだって?】

 

【しかもそれがかしこくなった?らしい?あるいは予想外の方向へ羽ばたいてる?ユズちゃんのせいで?】

 

【草】

【やはりユズちゃんはユズちゃんだったか】

【なんか安心したよ】

 

【お前らよく考えろ  ユズちゃん、今「ユズパパたちを召喚した」んだぞ……? 記憶のロールバックから立ち直ったと思ったら、急に】

 

【え?】

【あっ……】

【なんか知ってる風にさくっとな……】

【……オーバーフローして、精神年齢がずっと先に……?】

 

【あるいは0歳児より「前」……とか……?】

【前世……いやいや】

【ひぇっ】

【もうだめだ……】

 

【この感じ  ちょっと前のサバト並みに次なにやるか分からない、あの恐ろしさだ……】

 

「んー」

 

ごそごそ。

 

僕は精神を集中させ、僕の魂と繋がる流れの中を探り探り。

 

「………………………………居た」

 

その目的の人物へ、手が届く。

 

軽く引いてみると抵抗はない。

どうやら寝ているかリラックスしている時間だった様子。

 

ちなみにお父さんはかなりぐいぐい引っ張り返したし、お母さんは無抵抗だった。

 

お父さん以上に頑固だったらちょっとめんどくさかったけども――――――――とぽんっ。

 

雫が落ちるように、その姿が出現する。

 

僕やお母さんとそっくりな顔。

そっくりな体格の、少女の姿をした存在が。

 

それはそうだ、だって「血が繋がっている」んだから。

 

【!?】

【ふぁっ!?】

【え、ユズねぇ!?】

【違う! 俺らのユズねぇはTS銀髪美少女パパにくっついてる! ユズねぇの偽物――誰だ貴様!!】

【草】

【草】

 

【ワイン瓶片手にへべれけになってる姿はユズねぇだけどユズねぇなら絶対ユズパパに張りついてるから別人だな!】

 

【なぁにこれぇ……】

【ユズちゃんがどっかから召喚した子だよ】

【ユズちゃんより年上でユズねぇ未満の女の子……しかもサキュバス衣装……】

 

【これはえっち】

【これはサキュバス】

【これはユズちゃんの関係者】

【草】

 

――女装している僕、いや、お母さんとそっくりな女の子の姿。

 

その子は、こくりとワイン瓶を煽ったあと――

 

「……だから私は後悔してると言ってるだろう……精気を吸うためだけの、あの人間の男。奴を……本気で好いてしまい、周囲の反対も訊かずに捕獲し攫ってツガイ――夫婦のままごとをしていたのだと。幸福な時間を過ごしていたと思ったら高々数十年で奴は老いてしまい、最後は頼まれて精気を吸い尽くして楽にせざるを得ず。せめてたった1人産んだその子だけはと、記憶を消した上であの男の元の住処へ戻したことに……ひっく」

 

【え】

【えっ?】

【幼女が急に生い立ちを語り出した!?】

【草】

【なぁにこれぇ……】

 

【あ、この子、泥酔してるわ】

 

【酔うといつも同じ話する人って居るよね】

 

【それ、俺のことだ……】

【それ、私のお父さんのことだ……】

【それ、取引先の社長さんのことだ……】

【それ、しらふのときの俺のおふくろのことだ……】

 

【草】

【草】

【同じ話って聞かされるとうんざりするよね】

【わかる】

 

【しかも毎回微妙に変わるんだよね】

【わかる】

【しかもしかも話し慣れてるからすらすら語るんだよね】

【すごくよく分かる】

 

【ワイン瓶をラッパ飲み……あ、こぼした】

【えっち】

【えっち】

【おへそを伝うワインで……ふぅ……】

 

【これは酔っ払いだな  とても目の保養になるしかわいいからうんざりしないタイプのな!】

 

【でも、この子は誰なのユズちゃん……?】

【なんとなく予想できちゃったからこそ聞きたくないし聞きたいよユズちゃん……】

【分かる】

【ユズちゃん&ユズねぇとそっくりな姿……サキュバス……つまり……】

 

【あ  画面外でエリーちゃんが泡吹いて崩れ落ちてる】

 

【「エリー? 変なモン食ったのか? うまかったか?」】

 

【草】

【草】

【おやびんちゃんはそのままで居て……】

 

【エリーちゃんかわいそう】

【かわいそう】

【あー、エリーちゃんも気づいちゃったかー】

【精神がまともなサキュバスは大変だな……】

 

【なにしろユズちゃんが何しでかしたのかをすぐに理解できるし、その重大さとかも理解できちゃうからな……】

 

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