ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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3章 珍しいスライムさんをゲット
62話 お肉パーティーとお風呂


「お、おおおおおお母さんどうしようどうしよう……」

「あああああ慌てないのよゆず、慌てないの、お肉は逃げないわ……!」

 

「……きゅい……」

 

ダンジョンといろんなことでテンションがおかしくなってた僕。

 

帰り道、スーパーで食材買おうとしたときに「今日くらい豪華で良いんじゃないですか? 初任給ってやつみたいなもんですよ?」って光宮さんにそそのかされたんだ。

 

あれは悪魔のささやきだったんだ。

や、あのときの彼女の目つきは小悪魔だった。

 

だって、そんなのを目の前に――特売のお肉が並んでいるところで言うから。

しかも、平べったくって1枚がでっかいお肉が。

 

「半額……半額……」「お肉……お肉……」「じゅわっと肉汁が……」って耳元でささやかれ続けて、気が付けばカゴに一緒の野菜とかを放り込まれてた僕に、抗うすべはなかった。

 

なかったんだ。

 

「で、でででででもこれ、2人の1食でい、いいいちまんえん……!」

「だ、だだだだだ大丈夫よゆず、お店で食べたらこの何倍になってドリンク代も請求されるわ……!」

 

「きゅ……」

 

僕たちは戸惑っている。

だって、万超えの食事なんて……1ヶ月分の食事代だもん。

 

普段は近所の人からもらったりするお米やお野菜とかとスーパーの安いのでうまくやりくりしてるのに。

 

あと、普段はお母さんが具合悪くってろくに食べないから、実質1人前と半人前くらいだし。

 

「お、おおおおお母さん焼くよ焼いちゃうよ、1枚換算何百円の薄くって平べったいお肉を……!」

「れ、れれれいせいによゆず、お肉は逃げたりしないわ……!」

 

「きゅひ」

 

ああ。

 

こんなときに光宮さんが来てくれてたら、上手に焼いてくれてたのに……シフトあるからって帰っちゃったから。

 

うぅ……光宮さんのいじわる。

あとで食べる前の写真、送りつけてやるんだから。

 

 

 

 

「ふわぁぁぁぁ……」

「ふわぁぁぁぁ……」

「きゅひ……!」

 

お肉を1口……お箸で半分に千切れる柔らかさのそれをほおばったお母さんが、田中君が持ってるようなえっちなマンガに出て来る顔してる。

 

田中君はそういうのが好き。

だって家に遊びに行ったとき、あちこちに落ちてたもん。

 

興味深くって読んでたら怒られたっけ。

あれがえっちなのっていう顔なんだ。

 

なんで女の子たちがあんな顔するのかさっぱりだけど、男と一緒に裸になるとああなるんだよね。

 

でも、今はただ食べてるだけのお母さんは、そんなえっちな顔してる。

 

しょうがないよね。

だっておいしすぎるもん。

 

おいしくてもえっちな顔ってのになるんだ。

 

「んぅ……ゆずぅ……」

「おかあさぁん……」

「き゛ゅ゛っ……」

 

自然と出る涙、真っ赤になる顔、にやけちゃうほっぺた。

多分僕も、今、おんなじ顔してる。

 

だって僕はお母さん似で、よく姉妹に間違われるんだもん。

だからきっと、僕も多分えっちな顔してるんだ。

 

でも男のえっちな顔なんて需要無いはずだから大丈夫。

 

お母さんのはあるだろうから、早く再婚相手見つけてほしいなぁ。

 

「うぅ……こんなの、もう10年ぶりよねぇ……」

「僕はもう初めてだよぉ……おいしいよぉ……」

「……! ……!」

 

食べるたびに流れる涙。

きっと、食べてる味はちょっとしょっぱい。

 

「ゆず……嬉しすぎておかしくなっちゃうから、野菜で気を確かにするのよぉ……」

「うん……がんばる……がんばるよぉ……」

 

「………………………………き゜ゅ゜……」

 

 

 

 

「……お母さん、生きてる……?」

「生きてるわぁ……」

 

僕たちは何回も意識を飛ばしつつお肉を平らげた。

1万円を平らげたんだ。

 

「お母さん汗びっしょり……」

「ゆずも……」

「   」

 

涙と汗でぐしょぐしょになってる体も、おいしさの後で気だるくてなんだか気持ちいい。

 

「このままお風呂入ってくる……気持ち悪いし……」

「あ、じゃあ私も……」

 

「    」

「    」

 

「………………………………」

 

「……!?」

 

僕たちはふらふら歩きながらお風呂場へ。

 

「おかあさぁん……つえ、なくて平気ぃ……?」

「だいじょうぶよぉ……言ってるでしょぉ、妙に元気なんだってぇ……」

 

「きゅっきゅっ」

 

ばさっと服を脱いで洗濯カゴへ。

隣ではお母さんもおんなじことしてる。

 

「……ゆず、すっかり女の子ねぇ……」

「だって、おまんじゅうに吸われて乳首痛いし……お母さんと光宮さんにぱんつだって……」

 

「きゅきゅきゅきゅ」

 

ああ、お風呂、入れといて良かったぁ……。

 

「……ゆず?」

「? なに?」

 

じゃばあー。

 

2人で狭い湯船に浸かって、ほぅっとする。

 

「きゅひ」

 

……ついでにおまんじゅうも、いつの間にかお風呂に入ってきてて、いつもみたいにお湯に浮かべたタライの上で、こっち見てる。

 

「……その……おっぱい、大丈夫……?」

「え? あ、うん。 おまんじゅうに噛まれたからちょっと痒いけど……季節の変わり目とか、いつもあることだし」

 

お湯でしばらくとろけてた僕たちは、だんだんと普通になってくる。

 

真正面に座ってるお母さんは、普通を通り越して心配そうな顔をしてくる。

 

あー、うん。

 

男のおっぱいがこうなってたらねぇ……小学校のころの光宮さんみたいだもんね。

 

「それにしては……その……」

「毎晩噛まれてるからねぇ……虫刺されみたいになってるんだ。 赤くて膨らんでるけど、ちょっと腫れてるだけだよ」

 

しかもいちばんじんじんするとこを刺された感じになってるから、いちばんじんじんじくじく痒いんだ。

 

「……下は……ちゃんとついてるわね……」

「もう、お母さんってば。 今朝も光宮さんと見たでしょ」

 

普通の家は、男子は、こういう話をお母さんとしないらしい。

さらに言えば、お風呂にも入らないらしい。

 

友達に「高校生になっても一緒に!?」ってびっくりされてようやく知ったんだ。

 

でも。

 

僕にとって、たったひとりの家族だから。

 

光宮さんの家族やご近所さんたちも優しいけど、でも、やっぱりお母さんは特別なんだ。

 

あと、お母さんってこと除けば僕のお姉ちゃんみたいな見た目だし。

僕を何歳か成長させた……いやいや違う違う、あくまで女の子として成長した場合にってことで。

 

「? ゆず?」

 

うん。

 

どう見ても高校生女子だもんねぇ、お母さん。

 

光宮さんの制服、似合いそうだし。

光宮さんより胸が小さいから大丈夫なはずだし。

 

「……それにしても……おひげもそうだけど、お毛毛も生えないのは私の遺伝のせいなのかしらねぇ……」

 

「下は別にいいけど、ひげさえ生えたら男に見られるのになぁ……」

「ぎゅい」

 

「……お母さんはこの見た目だから、男の人捕まえるの苦労したわぁ……お父さんも、捕まえたけど逃げちゃうし……」

「止めてよ、ロリコンのお父さんなんて気持ち悪いし」

 

「きゅい゜!?」

 

お風呂でのんびり。

 

こういうのも、たまには良いよね。

 

 

◆◆◆

 

 

新章に突入です。

柚希くんは、べとべとの何かを捕まえます。

 

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