ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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628話 駆ける駆逐艦

【派手ではない  が、それだけに怖かったな……核ミサイルの光】

 

【めっちゃ遠くだったし】

【それでも空に小さな太陽が生まれてたな】

【大気圏外?だからか音すら無くて現実感ないな】

【映画とかみたいな迫力がなくて……それでよかったんだよ】

【だな】

 

【※あれがもしかしたら出海道へ】

【おろろろろろろ】

【ひゅっ……】

【ユ、ユズちゃんが無事処分してくれたから……】

【それはマジで助かる】

 

【助かるどころか普通に英雄だよなぁ】

【この件に関してはユズちゃんを全肯定しても良いぞ】

【それはそう】

【搭載してた国のおえらいさんは……責任取ろうね♥】

 

「じゃあ、潜水艦さんたちはゆっくりお城の周りに降下していって待機してください。魔力を回すので、通常弾は時間で補充されます」

 

いきなりの光に恐怖したか、それともあっけにとられたか。

 

戦略弾道ミサイルに搭載されていた、使っちゃいけない兵器。

それらをまとめてぶつけたその威力は、王者でさえもひるませるらしい。

 

そりゃそうだ、しばらくのあいだ僕たちも手元が見えなくなるくらい真っ暗になるほどの明るさだったもんね。

それを、ここで無力化できたのは――ついでに魔王軍のドラゴンたちを怖がらせられたなら、よかったって思っておこう。

 

上空の魔王軍の動きが完全に停止したのを確認し、僕は黒い円筒形のお船たちを下げ始める。

 

「基本は待機で。降下してくる飛行系モンスターを、魔王城の迎撃システムと一緒に撃ち落としてください。メイドさんたちは、そのお手伝いで」

 

【潜水艦さんたち「ハイ……」】

 

【草】

【かわいそう】

【だって、本来は見られないのが仕事なのに丸裸だぜ?】

【確かスクリューとかってバレたらマズいとか聞いたことある】

【そうなんだっけ?】

 

【ふぅ……】

 

【!?】

【えぇ……】

【あの丸みを帯びたフォルムのおしり……なるほど……】

【この配信ってちょっと変な奴ばっかりだよな】

【「ちょっと」……?】

 

【当たり前だろ  サキュバスと人間のダメなところが醸成されたユズちゃんの配信なんだから】

 

【てか援軍要請に応じたはいいけど全部秘密ないなった上、ユズちゃんの助け借りないと地球へも戻れないからどんなことを言われても従わざるをえなくなってるという】

 

【あっ……】

【草】

【船なのに空中だしな】

【ユズちゃんとかいうちょうちょロリサキュバスにタマ握られるの……さぞかし興奮してるだろうな】

【えぇ……】

 

潜水艦さんたちはお城の庭に置いておいて、いざとなったらお城の防御で守ってもらう。

お城自身はそこまで反撃能力はないから、そこをときどき発射するミサイルでなんとかしてもらう。

 

これで、少なくとも当面は上空からの脅威は抑えられるはず。

 

だから、

 

「それじゃ……水上艦のみなさん」

 

ぶぉんっ――――――迎撃しているあいだにも狭まってきていた、巨大水生モンスターたちの包囲網。

 

その正面に立たせるのは……まずは。

 

「駆逐艦、フリゲート艦。名前はいろいろみたいですけど」

 

比較的小さな――小さなっていっても戦車とかよりはずっと大きい船たちが、渦から飛び出してくる。

 

「魚雷って、1本1本がとってもお高いんですよね」

 

【そうなんだ……】

【らしいな】

【でかでか砲弾って感じだからね】

【なるほど】

 

「僕からの魔力である程度補給できるので――存分に撃ちまくってください」

 

【※おばあちゃんの魔力です】

 

【草】

【草】

【あっ……】

【もしかして:もうちゅーして吸い取ったおばあちゃんのこと忘れてる】

【ユズちゃん……お前……】

 

【だが……見ろ】

 

【ああ……】

 

船同士がぶつからないよう、数を絞って――それでも出海道周辺に集まっていた数が数だから、最初に飛び出してきたのだけでも50隻くらい。

 

じゃぶんっと波を立てて着水した瞬間から全速を出して駆け出した船たちが、まるで僕たちの居る七稜郭っていう島を守るかのように横を向いて囲むような形になって。

 

その甲板に出てきた乗組員の人たちが、

 

――――――ばしゅしゅっ。

 

船の横の機械から真横に、あるいは船の後ろからななめに、たくさんの火薬の詰まった武装を発射した。

 

【おー】

【景気が良いな】

【なにしろユズちゃんが無制限に補給してくれるからな!】

【あ、主砲も撃とうとしてる】

【あれで戦車と同等以上の威力らしいな】

【へー】

 

――――――たんたんたんっ。

 

『『GIIII――――!?』』

 

突如として出現した船、そこから何か変なものを水に投げ入れたと思ったとたんに撃たれ始める水生モンスターたち。

 

【12年前、各国の海軍はそこまで活躍できなかった】

【なにしろ指揮系統は壊滅、そもそもダンジョンは陸にあったから】

【だからせいぜいが避難民の救助や物資の運搬だったんだ】

 

【だが……】

【ああ】

 

【ユズちゃんのおかげで、全世界が見守る中で活躍できるんだ……船たちが】

【船乗りたちだって、戦いたかったもんな】

【しかも弾薬も燃料も?無制限ときた】

 

【粋なことをしてくれるじゃねぇか、ユズちゃん……】

 

【でもたぶんユズちゃんはこれっぽっちもそんなこと考えてないと思います】

 

【大丈夫大丈夫  誰しもが理解してることだから】

【草】

 

【その上でもね、見せ場を作ってくれて喜んでるだろうよ  一時はユズちゃんへ向けて放つはずだった武装を、存分にモンスターへ叩きつけられるんだからな】

 

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