ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。 作:あずももも
【朗報・空母機動艦隊、出現】
【疑念・戦艦と駆逐艦が主体なら水上打撃艦隊では?】
【草】
【どっちでもいいだろ草】
【は?】
【は?】
【海軍としては陸軍に反対である】
【草】
【んなこと言ってる場合かよ草】
【配信カメラのどの方向を見ても、艦首を外に向けて艦尾をこっちに向けている戦艦たち……】
【その後方には大量の空母】
【さらに後方には、さっきまで前線を張ってた駆逐艦】
【まだやる気があると見えて前進して行ってるな】
【しかし、あの船たちは……】
【ああ……】
【正直、80年前の軍拡競争時代の戦艦たちってかっこいいとしか見えないんだけど……】
【ユズちゃんの真っ正面……】
【ああ】
【俺たちなら誰でも知ってる船だ】
【改大和型戦艦2番艦の武蔵、4番艦の敷島】
【改アイオワ級戦艦1番艦のアイオワ、2番艦のニュージャージー……か?】
【他にも……うちの国と合衆国の船が集まってるな】
【ちょうど正面が太平洋合同艦隊なのか】
【壮観だな……】
【これが観艦式か】
【すげぇ 戦艦の主砲が動いてる 演習じゃなくって――実戦で】
【え? 待って? ……戦艦の主砲って、こんな近距離でぶっ放していいものなの? 味方へも敵へも こんな密集した場所で】
【えっ……】
【あっ……】
【※それぞれの主砲は40キロから50キロまで届きます】
【※演習でも爆風で自分の甲板もダメージ受けてました】
【※周囲に小型艦が居たら衝撃波で消し飛びます】
【※過去数件、演習で大惨事が起きています】
【 】
【 】
【 】
【 】
【ユズちゃああああん!?】
「大丈夫。フレンドリーファイアは、味方同士なら起きない。だって――――『同じテイム仲間』だから」
【おお】
【なるほど】
【安心したけど……】
【つまりは、あれか? ユズちゃんさえその気なら、世界中の艦隊をいつでもお気軽にポップアップさせて目標地点のすぐそばで密集させてぶちかましてくるってことが可能ってわけだな?】
【あっ……】
【ひゅっ】
【草】
【大丈夫大丈夫 地球で最強の魔王(&姫)に対してケンカ売るバカはいないだろ】
【それはそう】
【この配信を観てやらかすんなら……まぁもう諦めろとしか】
フレンドリーファイアは、なし。
この言葉で安心したのか、それぞれの主砲――島をぐるりと50隻くらいで囲んでくれた戦艦たちが、思いっ切り遠くまで飛ばそうとしていたらしい砲塔を下げていく。
「みなさん。表面の硬かったりする、大型のモンスターを中心にお願いします」
それに応えるように、艦橋がちかちかと光る。
そして――――――
――――――――――――どぉんっ。
閃光と爆音、それに衝撃波が――世界を包み込んだ。
【 】
【 】
【 】
【 】
【 】
【 】
【 】
【 】
【みえない】
【きこえない】
【なんにもみえない】
【なんにもきこえない】
【俺の未来が見えない】
【私の過去が見えない】
【あの 戦艦の一斉射撃とか聞きたすぎて音量MAXにしたらマジでなんにも聞こえなくなったんだけど】
【草】
【草】
【被害甚大で草】
【フレンドリーファイア……してますよね……?】
【いやまぁ戦場を安全圏から観戦してる観客までは無理でしょ】
【これはさすがにユズちゃんを擁護するわ】
【珍しく肯定されるユズちゃん】
【だって珍しいもん ユズちゃんに瑕疵がないやらかしって】
【草】
「………………………………おー」
もくもくと盛大な煙がたなびく戦場。
しばらくはなんにも見えないし聞こえない状況だったけども、海風に流された煙が晴れてきて――その全貌が明らかになる。
「おー」
艦首を外へ向けた、戦艦たち。
その先には――放射状に、完全な空白を魔石がきらきらと埋める、開けた海面が広がっていた。
「……おー」
さすがは戦艦。
直接的な攻撃力だけなら並大抵の弾道ミサイルでも引けを取るほどの、とんでもない大砲を積んだ兵器。
その威力を――僕は初めて、この目で知ったんだ。
「……おー……!」
【かわいい】
【かわいい】
【かわいい】
【これはかわいい】
【くっそかわいい】
【ユズちゃんがおめめをきらきらさせている】
【かわいいね】
【かわいいね】
【そらこんな光景見たら子供ははしゃぐわな】
【こういうときは男の子っぽいユズちゃん】
【ショタよ!!!!!】
【はいはいそうだね】
【この期に及んでサキュバスをショタ呼ばわりできる胆力だけは尊敬するわ】
【ただの欲望では?】
【今、マジで一瞬だけユズちゃんが男の子に見えたわ】
【あの 戦艦数十隻が一斉射撃した光景については】
【※これを今後地球上のあらゆる海、あらゆる海岸線から30~50キロの範囲】
【おろろろろろろ】
【草】
【大丈夫大丈夫 これ見てユズちゃんに仕掛ける国とか居たら、もうどの道ほっといてもやらかして滅びるから】
【あ、空母から艦載機が続々と】
【さすがに斉射を待っていたか】
【そらそうよ……】
【フレンドリーファイアがなくったって爆風で吹っ飛ぶもん】
【ああ、戦艦たちの頭の上を無数の航空機が飛び立っていく……】
【ふつくしい……】
【ああ……】
【地球上の全主力艦艇が、互いの国家ではなく魔王軍という敵に向かって、全て同じ方向を向いている ……素晴らしい光景だな……】