ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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644話 下へ向かった

上空のあらゆる場所、あらゆる高度――魔力で装填した弾道ミサイルのおかげで1万キロくらいまでが射程となったおかげで、大気は爆ぜる赤、もくもくと煙る煙の黒、そして落下していくドラゴンたちで埋め尽くされている。

 

 

【:】

 

【女神より、極秘回線で入電】

 

【questはclearの見込み】

 

【天上の戦いは、間もなく観測され勝利へと導かれます】

 

【命運を決める戦闘への貢献、感謝する――――――と】

 

【地上での戦闘はユズの魔力切れまでに終結の見込みです】

 

【この戦いは、間もなく終結します】

 

 

【おお……】

【ゆーあいちゃん……】

【女神様から連絡が来たか】

【助かる】

 

【ちらほら分からん単語は……知らない方が良さそうだな】

 

【だな】

【世の中には知らない方が幸せなことがいっぱいあるんだ  ユズちゃんのせいでたくさん知っちゃったからもうなんにも知りたくないんだ】

【草】

【草】

【ユズちゃんに壊されちゃった人たちかわいそう】

【せめてサキュバスさんやインキュバスさんたちに甘々にされる余生を……】

 

「……そっか」

 

UIさんからの連絡。

 

それは、長かった戦いが終わる兆し。

 

「………………………………そっか」

 

【ユズちゃん……】

【思えばユズちゃん、メイド長ちゃんに保護されてから休んでないもんな】

【ああ……】

【ユズちゃんだって大変だったんだね】

【疲れてたんならいろいろのやらかしもしゃあない】

【幼女に負担かけさせた方が悪いんだからな】

 

「もう、みんなして」

 

結局、僕の幼女認定は解消されていない。

 

いっそのこと、ここで全裸にでもなれば――前ならその手段があったけども、今の僕はリリスで性別はどっちにもなれるって知られている。

 

「……小さいころからずっとそうだったし、しょうがないか」

 

でも。

 

そのおかげで理央ちゃん……はともかく、女の子だって勘違いされてたからこそみんなと仲良くなれたんだ。

 

そう思えば――――――悪くは、無いのかな。

 

「……きゅひ?」

 

もぞもぞ。

 

僕の胸元で眠っていたおまんじゅうが、ようやくに目を覚ます。

 

「おまんじゅう」

「きゅひっ」

 

体を微振動させながらこっちを振り返ってきた、ふわふわの塊。

 

「魔力と体力が回復したんだね」

「きゅひっ!」

 

つぶらな瞳。

小さなツノ。

 

あと、ツノに賭けられたままになっている配信機材。

ぐりんっと僕の方へ向いたドローンカメラが、きらりと光る。

 

【     】

【     】

【     】

 

【ユズちゃん、どアップ】

【ユズちゃん、ガチ恋距離】

【やっぱかわいいわ】

【だな】

【マジで小さくてかわいい】

 

【子供特有のぷにっとしたほっぺた、でも印象的に中性的なユズちゃん】

【ショタよ!!!】

【って勘違いするちょっとおかしいやつが繁茂してもおかしくはないよな】

【草】

【正直ショタでもいけるって植えつけられたわ】

【わかる】

 

【前髪、伸びたねぇ】

【元から片目隠れだったけどな】

【ヘアピンかわいい】

【かわいい】

 

【てか普通に角とか生えてても違和感ないのがすげぇ】

【だって全人類が知ってるもん、サキュバスクォーターだって】

【しかも先祖返り?かなんかで始祖のリリスだしな】

【首から下を映されたら映像だけで魅了されるえっちな体つきだしな】

【なにもかも薄着過ぎるのが悪い】

 

【私はロリコンじゃなかったはずなのに、ユズちゃんに対しては……ちょっと頭打ち付けてくる】

 

【↑落ち着け】

【サキュバス相手なんだから罪悪感は不要だぞ】

【ちゃんと服着てたら幼女らしいかわいさだけなのになぁ】

【中身はサキュバスだからしょうがないんだ】

 

「……おまんじゅう」

 

「きゅひ?」

 

見上げてくる彼の、はるか先。

 

そこへ転移してきた、ある集団。

僕は、そこを見て――参加したくなって。

 

「おまんじゅう」

「きゅひ」

 

――――――ばさっ。

 

転移魔法で、一瞬で行くこともできる。

けども。

 

「みんなと、戦おっか。最後くらい普通にさ」

「きゅっ」

 

――――――ひゅんっ。

 

羽を力強く後ろへと押し出して、僕はそこへ向かって全力で走り出す。

 

「僕は……ちょっと、普通じゃなかったから。だから、憧れてたようなダンジョン攻略は……ちょっとしかできなかったけど」

 

目の前を、僕を見ながら堕ちていくドラゴンさんたち。

 

「それでも――僕は、ダンジョン潜りになれたんだから」

 

【ちょっとどころじゃないですけどね……】

【草】

【でもユズちゃん、最初から言ってたんだよな  ずっとダンジョンへ潜りたかったって】

【その夢は……それなりには叶ったと思うけど】

 

【でも、やっぱり】

【ああ】

【嬉しそうなユズちゃんを見るのは……いいよなぁ】

 

「あ、忘れてた」

 

僕は、UIさんが「リザーブ(解禁厳禁)」ってところにしまっていたらしい相手を――取り出す。

 

「――――――はっ! ここはどこ! あ、柚希先――――――うぇぇぇぇ落ちてる落ちてる落ちてますぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?」

 

「理央ちゃん、舌噛むよ?」

「きゅっ」

 

【草】

【草】

【悲報・避難所へ集団転移】

【ああ、耳から血を流した人々が……】

【さすがの声量で草】

 

【ユズちゃんが小さく話す子だから余計に音量上げてて、そのせいで耳がないなる視聴者たち】

 

【ユズちゃん? 理央様のときは前もって言ってね……?】

【草】

【「理央様」が固有名詞になってて草】

【おう、そうだぞ  全世界に知れ渡ったとんでもない百合っ子だからな】

 

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