ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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65話 初心者ダンジョン攻略……なのに反抗期なおまんじゅう

「おっはよ……わー! ゆずきちゃん、今日はパンツルック? かっこかわいい!」

「ありがとー! やっぱりズボンの方が動きやすいって思ってさー」

 

週末。

僕たちは、今度こそ初心者らしくダンジョンに潜ろうって集まった。

 

「シャツもお似合いです。 その野球帽もスポーティーで」

「夢月さ……あやさんもありがとっ」

 

「……ぎゅい」

 

今日は、光宮さんと1時間くらい早く到着。

 

「やめといた方が良いと思いますけど……」とか言ってる彼女を振り切って男らしくズボンを購入、その場で着替えて完璧だ。

 

「初心者ダンジョンだから、今度は大丈夫だって思いますけど……走らなきゃいけない場面とかあるかもしれませんし。 ね?」

「……ま、そうですね。 ダンジョンは基本、動きやすい服が推奨ですし」

 

「ぎゅい」

 

「ええと、今日は理央さんが……」

「はい、今日は3人で攻略してもらって、私は最後尾でバックアタックの警戒くらいです。 ……この前、柚希先輩が危なかったですし」

 

「でも、初心者ダンジョンなら」

「この前は……危なかったのに、間に合わないとこでした」

「……はぁ、分かったよ……」

 

配信を観返した光宮さん、しばらく真っ青だったからなぁ……この前ので、僕が真後ろのクマさんに襲われかけてたの。

 

うん……確かに、あのときおまんじゅうが居なかったら、今ごろ僕はどうなってたか。

 

そんなわけで、今度こそ初心者による初心者ダンジョン攻略。

光宮さんはその付き添いってことにするらしい。

 

「でもいいのー? それだと、りおちゃん、損するんじゃない?」

 

「ううん、良いの。 確かに今回限りならそうだけど、パーティーって組み始めてしばらくはそういうものだから。 私だって、最初はみんなにキャリーしてもらってたもん」

 

「誰でも初心者の時期はありますからね」、って優しい光宮さん。

 

……多分、初心者ダンジョンだとしたって、彼女だけソロで潜ればそこそこは稼げるはずなのにね。

 

それに、光宮さんならきっと、モンクだから適性レベルの階層ならソロだってできて、きっと人気になれるし。

 

「……理央さんご自身がそうおっしゃってますから、甘えておきましょう? ひなたさん」

「……うんっ! 早く強くなって横に並べるようになるからね!」

「うん、待ってる!」

 

わいわい姦しい3人。

それを見守る、男らしい僕。

 

今日の僕はひと味違うんだぞ。

とりあえず見た目はかっこ良くなったんだぞ。

 

「ぎゅい」

「……もー、おまんじゅうったら機嫌直してよー。 そんなに今朝のご飯気に入らなかったのー?」

 

おまんじゅうも好き嫌いがあるらしく、野菜も何種類か出すと選り好みする傾向が出て来た。

 

……まぁ、おとなしいし悪いことしないし、良い子すぎたからちょっとくらいは手が掛からないとつまんないし?

 

「よしよし、元気出しなー」

「……ぎゅい……」

 

「……柚希さん、今日も可愛らしいですねぇ」

「うん! 赤ちゃんあやしてるお母さんみたい!」

「……あれで格好いいつもりらしいのが……はぁ……」

 

 

 

 

「ということで、今日こそは初心者ダンジョン行きます!」

 

【お】

【始まった】

【ついに枠を用意しての配信か……成長したね】

【ああ……】

【今までのは全部、ユズちゃんのミスで配信だったからなぁ……】

 

あ、そう言えば……家で配信の練習してたのも、なんか配信されちゃってたみたい。

 

それを光宮さんから教えられたときは息が止まりそうになって泣いちゃったけど、2人で観直してみたら僕の個人情報的なのはほとんどぼかされてたからひと安心。

 

今どきの技術ってすごいね。

 

「メインは柚希先輩、ひなたちゃん、あやさんの3人。 私は万が一のバックアタックの警戒と、荷物持ちですね」

 

「今日はばっさばっさ斬るよー!」

「私も……魔法のスキル、上げて行きたいです……」

 

「僕もおまんじゅうのレベルを……上げたいんだけどなぁ……」

「ぎゅい」

 

【あれ?】

【おまんじゅうちゃん、ご機嫌ななめ】

【そんなことあるんだ】

【テイムされたモンスターだからな】

【へー】

 

【機嫌悪そうでもユズちゃんのお胸に顔うずめてるユニコーン】

【このユニコーン……!】

【そういや今日のユズちゃん、ズボンね】

【なんか新鮮】

【女の子の私服って感じで……ふぅ……】

【お前……】

 

「1階層とは言え、中級者ダンジョンでモンハウ乗り切ったみんなですから、初心者ダンジョンならなんとかなります。 とりあえず隊列組んで、あとはわーっと行ってみてください。 危なさそうなら引き留めますから」

 

「そうだね、僕たちはひなたちゃんに着いていこう」

 

そういうことで、早速にひなたさん-あやさんと僕が左右に-光宮さんって言う隊列を組んで歩き出す。

 

【無難な陣形になったな】

【ひなたちゃんの負担がちょっと多そうだけど、そこは離れすぎなければ】

【後ろから2人の援護が届く距離だしな】

 

【バランス良いな】

【これで、難易度上がってきたら理央ちゃんがひなたちゃんの隣だろ?】

【特殊技能系は居ないけど、まぁアイテム使えばなんとかなるし】

 

「……ぎゅい」

 

 

 

 

「ちょっと数多いの当たった!」

 

「ひなたちゃんはこの前みたいに大剣で防御! あやさん、僕たちで!」

「ええ、削りますっ!」

 

それから30分くらい。

最初はちまちま出て来るモンスターたちをひなたさんが。

 

最初はスライムばっかり。

 

進んで行ったモンスターの種類がちょっと増えてきて、ようやく歯ごたえが出てきて。

 

それに慣れてきて、部屋に入ったら数匹のモンスターが近づいて来たタイミング。

 

これまではひなたさんだけだったけど、数が増えてきたから今度は僕たちの番ってこと……なんだけど。

 

「ファイヤーボール! この数なら私だけでもまだ……ですが大丈夫でしょうか、柚希さん」

 

「ごめんなさいごめんなさい! ……おまんじゅう! おまんじゅうってば!」

 

「ぎゅーいー!」

 

何回顔をこっちに向けてもぶんぶん振って、ぐるんってそっぽ向くおまんじゅう。

 

【草】

【イヤイヤしとる】

【ユニコーン、イヤイヤ期】

【反抗期か?】

【この前はあんなに言うこと聞いてたのに】

 

【この前の戦いで、ユニコーンだけレベル爆上がりしちゃったとか?】

【いや、テイマーってよっぽどレベル低くても反抗されないって……】

 

「おまんじゅう! 帰り道に高級お野菜買うから!」

「ぎゅーいー!」

「もー! なんでぇー!?」

 

いっくら頼んでも、ぶんぶん振っても、絶対に僕の顔見てくれないおまんじゅう。

 

そのあいだにもモンスターたちはひなたさんに押し寄せて……あやさんが倒して行ってるのに。

 

「……あちゃー、やっぱりー……」

 

いざとなったら光宮さんがなんとかしてくれるはずだけど……なんでおまんじゅう、おへそ曲げちゃってるのぉ?

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