ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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647話 真上を見上げた

【ユズ】

 

【1%ほど対空攻撃の精度が落ちています】

 

【地上戦への被害が想定されます】

 

 

「そうなんですか……分かりました」

 

「きゅっ」

 

ちゅんっ。

 

おまんじゅうからビームを出してもらいつつUIさんからの要請を受け取る。

 

「このドラゴン、結構強いです……ねっ!」

「りおちゃんがんばれー」

 

理央ちゃんが最前線でくるくる動き回っているのを眺めていた僕は、上空を見上げる。

 

「UIさん。防空の穴、僕たちの真上にできますか? それなら対応できそうです。こう、処理が遅れてるほかのところへ回す形で……なんとか」

 

 

【ハイ……】

 

 

「?」

 

UIさん、ときどきなぜか変な返事するんだよね。

なんでだろうね。

 

【草】

【大変だったかー】

【ゆーあいちゃんかわいそう】

【でもユズちゃんが助けてくれるし……】

【大変な元凶はユズちゃんなんだけどね】

【草】

 

「……柚希さん?」

 

「あ、今から僕、ちょっと真上に攻撃するので援護射撃、できないと思います」

「え? え、ええ……。……正直過剰戦力ですから問題はないかと……」

 

「柚希先ぱ――見てない!?」

 

「りおちゃんうるさいってば」

「おろろろろろろろ」

 

【あっ……】

【理央様のシャウトが優ちゃんの三半規管を直撃】

【草】

【優ちゃんかわいそう】

【あれを真横で浴びたらなぁ……】

【モンスターがスタンするほどの威力を真横で浴びて本当にかわいそう】

【モンスター(超高レベルのドラゴン)ですら効く攻撃を……おいたわしい……】

 

少しだけ持ち場を離れる報告を、同じく後衛からの遠距離攻撃担当のあやさんにしておいたから大丈夫のはず。

 

なにかあれば、あやさんか優さんが伝えてくれる。

だから真上を見続けてても問題はないはず。

 

理央ちゃん?

 

あの子はいつも騒いでるから、大切な話とそうじゃない大半の区別がつかないし……楽しそうに戦ってるままでいいんじゃないかな。

 

「まおう」

 

「? ……あ、ちょうどいいですね。ちょっと僕たちを乗せてください」

 

ずしん、と近寄ってきてくれていた巨人族の彼女。

この子たちって言葉が苦手な分、察してきてくれるんだよね。

 

その大きな手のひらに乗せてもらって――僕たちは、何メートルか射程を補助してもらう。

 

【でかいな……】

【ひなたちゃんのときもそうだったけど、とにかくサイズ差がやばい】

【しかも巨人ちゃんも幼女っていうね】

【巨人の幼女とか性癖壊れる】

【大丈夫  もう壊れた】

 

 

【怒】

 

【巨人族から当該人物へのメッセージ、3万ほど】

 

【処理が2分間2%低下】

 

【怒】

 

 

【ひぇっ……】

【草】

【一瞬で来てて草】

【こわいよー】

【地味にダメージでかわいそう】

【てか巨人族って人たちも普通に観戦してて草】

【そら魔王様の配信だし】

 

【魔王様(魔王サキュバス女王ユニコーンちょうちょ聖女ロリ魔王姫百合キラー祖母捕食済みユズちゃん】

 

【草】

【だから長いってば草】

【サキュバスさんとか巨人さんとか比較的人間と共存できて好感度高い系の種族が常に監視しているんだぞ  発言には気をつけような】

 

「あ、もしできるんなら手をもうちょっと丸めて……そうそう、あ、そんな感じです」

 

両手で作ってもらった足場、その先の太くて長い指で作られたななめの壁。

 

その角度を調整してもらった結果、僕たちはリクライニングのイスに座ったあの感じになっている。

 

「おー、空が真下にー」

 

一面の、暗い空。

無数に爆ぜる火花と、それ以上にぽつぽつと黒く染めている粒。

 

【おろろろろろろろ】

【ひぇっ……】

【ユズちゃん(おばあちゃん)の魔力で無茶苦茶な戦力になってるだけで、敵はそれ以上に無茶苦茶だぁ……】

 

【ユズちゃん……どうして……】

【まだ何もしてないだろ草】

【しいていえば俺たちのせい】

【違うぞ、異種族の特殊性癖持ちたちのアタックのせいだぞ】

【そうかな……そうかも……】

【アタックの強さは生物界において有効ではあるからねぇ……】

 

【で? どうするのユズちゃん】

 

「よし。――おまんじゅう」

「きゅい!」

 

「角だけ変身した状態のでっかいのにして」

 

「きゅい――――――きゅっ!?」

「え、できるでしょ?」

 

僕の胸から飛び出そうとしていた彼が……1回納得したのに、なぜかぎゅるんっと首を回して目を見開いてくる。

 

「きゅっ!? きゅっ!?」

「体全部よりは楽でしょ?」

 

【草】

【「ね? 簡単でしょ?」】

【天才はいつだってそう言うんだ】

【ユニコーンが今二度見してたぞ草】

【あー、今のユズちゃんは淫魔族の始祖の力使えるからー】

【もー、誰でも簡単にすごいことができるって勘違いしちゃってー】

 

「きゅ……ひぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛……っ」

 

にゅにゅにゅにゅっ。

 

おまんじゅうの角が――普段の小さくてもこもことした体に似合わないサイズへと延びていく。

 

「おー」

「ぎゅう゛う゛う゛う゛う゛」

 

【草】

【駄馬が断末魔を】

【すっごく大変そう】

【さすがにこれはかわいそうかも】

【そうかな? そうかな……?】

【草】

【同意されてなくて草】

【淫馬の所業が所業だからね……】

 

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