ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。 作:あずももも
「ぴ」
――――ぽこんっ。
空から、降ってくる。
「ぴっ」
「ぴっ」
「ぴき?」
降ってくる。
最弱のモンスターが。
「ぴぴっ」
「ぴっ」
ドラゴンっていう最強のモンスターの前へ。
……けども。
【おい……】
【ひぇっ】
【……多くね?】
【多いよ?】
【だって、ユズちゃんだぞ?】
【そのテイムモンスターのチョコちゃんだぞ?】
【ならしょうがない】
【地球を統べるサキュバスのテイムモンスターだもんな……】
【ユズちゃん覚醒前からすごかったシルバースライムが】
【むしろ覚醒前にユズちゃんを守って大活躍していた個体が】
【あらゆるスライムを……呼んでいる……】
空が、埋め尽くされる。
小さな球体に。
小さい分、大きいのよりも濃い密度で。
小さくて丸い分、上下前後左右隙間なく。
小さい集団が、大きい集団から僕たちを守るように――上空へ、膜のように展開している。
「ぴ」
「うん、大丈夫」
基本的に何も相談してこないおまんじゅうとは違って、チョコは聞いてくる。
聞かなくても、聞かなくていいことまで――「こうしても、いい?」って。
だから、言う。
「チョコの判断は、いつもすごいよ。だから……好きにやっちゃって」
「――――――ぴっ」
【:】
【スライム種】
【概算100万】
【わぁ……】
【ひぇっ】
【おそらまっくら】
【ドラゴンの群れも怖いけど、手前のスライムの群れも怖い】
【しまった、集合恐怖しょろろろろろろろ】
【草】
【あー、確かに】
【小さいのからでかいのまで、たくさんのスライム……だけど、いくらユズちゃんテイムとはいえ、スライムでドラゴンは……】
【だよなぁ】
【しょせんはスライム……上空からのブレスで一瞬なんじゃ】
【ドラゴンたちの体当たりでも潰れそうだし】
「ぴ」
「ぴ」
僕たちの真上に降ってきたスライムさんたちが――――――
「ぴっ」
「ぴ」
くっつく。
「ぴ」
「ぴぴっ」
くっついたのが、さらにくっつく。
「ぴ」
「ぴ」
「ぴ」
くっついたのがくっついたのが、くっついていく。
【あの……】
【え? スライムって合体できるの?】
【サイズがやばくね?】
【少なくともダンジョンとかで確認されてるスライムは、中の核ごとに1匹のはずだが……】
「ぴ」
「ぴっ」
大きな塊になった液体が――圧縮される。
ドラゴンほどのサイズになった巨体が、いちばん最初のサイズ――チョコサイズに。
「あ、色、変わったね」
「ぴ」
水色、赤、紫……色とりどりだったスライムさんたちがぎゅっとちっちゃくなって、真っ黒に。
「ぴ」
「ぴ」
真っ黒な小さい子たちが、お互いに吸い寄せられるようにしてくっついていく。
くっついてくっついて――大きくなって、もっとくっついて。
「――――ぴっ」
一体、何匹がくっついたのかは分からない。
分からない、けども。
「……チョコの仲間?」
「ぴっ」
空から点々と落ちてきて――
――――――どこっ。
どこどこっ。
――地面へめり込んで着地したのは、チョコと同じ銀色に輝く……シルバースライム。
【:】
【スライム種ツリー最上位種・シルバースライム】
【新規個体・総計500匹を確認】
【ひゅっ……】
【100万が……500に……?】
【……2000倍?】
【2000分の1?】
【2000匹のスライムが合体すると……シルバースライムになる……?】
【シルバースライム1体=初心者ダンジョンのスライム2000体……?】
【 】
【わぁ……スライムって合体して強くなるんだぁ……】
【え? じゃあ何か命令する存在が居ればスライムだらけのダンジョンが……?】
【ユズちゃんがひらひらしたら……?】
【全国のダンジョンの難易度が……】
【おろろろろろろろ】
【ユズちゃん……どうして……】
【シルバースライム……攻撃が通らないのって単純にレベルが高かったから……?】
【すぐ逃げられるのも、単純に最上位種ってやつだったから……?】
【………………………………】
【………………………………】
【……シルバースライムに攻撃性がないだけで救われてたんだな、俺たち……】
【基本逃げてくれるから助かってただけで、もしこれが通常のモンスターみたいに……】
【攻守すべてのステータス高難易度ダンジョンクラスのモンスターが、レベル差で先に見つけてきて攻撃してくるようなのだったら……】
【おろろろろろろろ】
「「「――――――ぴっ」」」
めり込んだ地面から、ぽよんと跳ねたチョコの仲間たち。
彼らは何メートルか跳んで、そして。
「ぴ」
僕の手のひらの上で鳴いたチョコの声に合わせ、彼らが広がっていく。
横に、横に。
薄く、平たく。
その銀色の金属が空を遮っていく。
「暗くなったね」
「ぴ」
――――――ぼわっ。
そう言ったとたん、銀色の幕が七色に光り始める。
虹のカーテンが、僕たちの上を包み込んでいく。
「おー、綺麗」
【草】
【草】
【反応よ】
【もしかして:幼女】
【内面は進化しないからね】
【ゲーミングシルバースライムバリア……こんなことがあっていいのか……?】
【ユズちゃんがそう願ったからね】
【それなら仕方がないか……】
【魔王様の命令だ、受け入れろ】
【ゲーミングシルバースライム……サキュバス……ミラーボール……何かが繋がっていくようだ……】
【草】