ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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653話 ゲーミングミラーの盾

『GAA?』

 

対空射撃――火属性魔法へドワーフたちが使う金属を纏わせるような、酔狂な魔法の嵐が収まってきたのを見て大気圏へ突入、炎を纏いながら突撃してきたドラゴンたちは、首をかしげた。

 

地上一面が――敵の、事もあろうに彼らの生まれ故郷……龍族の中でのごく一部しか恩恵にあずかれない高貴なの地の表面を踏み荒らす愚かな人間どもに、魔族の反逆者が居るはずの場所。

 

そこが七色に輝く鏡のように――さながらゲーミングミラーとなっていたのだから。

 

『GA!』

『GA? ……GAっGAっGAっ!』

 

だが、彼らはそれを見て嗤った。

 

――なんでもあれらは、よりにもよってスライム、下等な魔族ですらない魔物の集合体だという。

 

腹がよじれるほどに笑いながら防御魔法を最大級に展開し、そのまま地面へ加速――――――数万の同胞とともに、隙間なく激突。

 

単純な質量を利用した攻撃手段は、嗤った程度では止まらない。

止める理由もない。

 

だから、彼らは衝撃へ備えて限界までバリアを展開する。

 

それでいいはずだった。

人間を根こそぎ始末すれば、あとは横から鉄の塊を焼き尽くせばいい。

 

単純明快な論理は、あと少しで敵うはずだった。

 

――――――だが。

 

「――――――ぴ」

 

何かが、鳴いた。

 

それに反応する時間もなく、龍たちはばさりと最後の加速をして地面というクッションで生還しようとして、

 

『!?』

『GAAAA――――――!?』

 

――――――ことごとくにひしゃげ、その意識は星の中、あるいは様々な生まれ故郷の巣へと舞い戻った。

 

 

◇

 

 

どごっ。

 

ぐしゃっ。

 

七色に光る盾から、硬いけど柔らかいものが潰れる音が響く。

 

【うわっ……】

【ひぇっ】

【グロ注意】

【もう遅いよぉ……】

 

【しまった  配信を満喫するための音響環境が、さながら俺自身が現場で大量落下死を聞いているサラウンろろろろろろろろ】

 

【草】

【草】

【あーあ】

【ま、まあ、想定はできないから……】

【できるやつがいるとしたら――そいつはちょうちょの仲間だからな】

 

「チョコ? あの子たち、大丈夫そう?」

 

「ぴっ」

「そ、よかった」

 

さすがに密集して衝突したらしい場所は、多少めり込んできている。

 

けども――僕たちの頭の上は、これまでのチョコが守ってくれたみたいに安心感のある天井になっている。

 

「……ゆ、柚希先輩……? あんな数のスライム召喚して……こんなことして、大丈夫なんですか……?」

 

「あ、うん。……うーん」

 

僕は、僕を支えてくれている理央ちゃんの質問を聞いて、考えて。

 

「わりとぎりぎりかな。みんなを維持する魔力、考えたら」

「……よかった……これでもへっちゃらじゃなくって」

 

「?」

 

【朗報・理央様】

【悲報・ユズちゃん】

 

【理央様、ぎりぎりで人間の感性を保ってる】

【ユズちゃん、ぎりぎりで人間の感性失ってる】

 

【セクハラ三昧で罪状無限だが、ユズちゃんには理央ちゃんが必要か】

【どうやらそのようだな……】

【つまり?】

【お似合いってことだ】

 

【ユズちゃんに同情ばっかしてたし過去の所業は同情するしかなかったけど……これからのことを考えると理央様は必要か】

 

【でも理央様だよ?】

【大丈夫大丈夫  そこを固めてくれるのがみんなだよ】

【おお】

【重婚の成果がここに】

 

【なんてことだ、あの百合重婚が伏線だったとは】

【感動した】

【草】

【なんでも無理やり繋げてて草】

 

 

【:】

 

【突撃部隊、消失】

 

【ユズ、魔力量が危険水域です  スライムたちのテイムを解除してください】

 

【戦闘に参加する方々も、重要度に応じて召喚元の座標へ転送を開始します】

 

 

「あ、はい。みんな、ありがとね」

 

「「ぴっ」」

 

ぱぁっと、空が明るくなる。

 

いろんな色できらきらかっこよかった空が、奥行きを取り戻して――

 

どすんっ。

 

「あ」

 

「きょ、巨大な魔石が降ってくるぞ!」

「またかよ!?」

「各パーティーで防御陣形を!」

「ユズちゃん相手だからな……受け入れよう……」

「あっ……盾役がもどってっちゃった……」

 

さっきとは違って、ほんの10メートルくらいから降るだけの魔石。

 

でも、その魔石はひとつひとつがとっても大きくって――だから、地面に落下するとめり込むほどで。

 

「ふんぬぁ――――――!」

 

どごぉっ。

 

「すごい」

「大盾で弾けるんですね……あれ……」

 

ひなたちゃんが巨人の子に持ち上げられながらかざした盾で、あやさんたちを守っているらしい。

 

「おー」

 

【草】

【ぅゎょぅι゛ょっょぃ】

【幼女 on 幼女 つよい】

【なぁにこれぇ……】

 

【ひなたちゃんたちはユズちゃんのパーティーメンバーだからな  ずっと戦ってきたし、獲得した経験値でのレベルがやばそう】

 

【あー】

【あー】

 

【流石はひなた様でございますな!】

【これで日向家も安泰だと一般市民の私も思います!】

 

【使用人の方々!!】

【草】

【あいかわらずにネットに疎くて草】

 

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