ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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658話 【悲報・ユズちゃん、自らの鱗粉にやられる】

「ええと、つまり……多忙を極めていたところへ柚希さんの件があり、精神的負荷が大きすぎたせいで『座』という世界へ魂となって避難していた、本物の魔王が……柚希さんのお父さんの多忙っぷりを申し訳なく思って、戻ってきた……と……?」

 

【?】

【???】

【?????】

 

【(精神的負荷に耐えきれず魂となる)】

【(死ぬわけじゃないからリストバンドも起動しないし救護班さんたちにも迷惑を掛けない)】

【(脳が……延髄に避難する……)】

 

【(優ちゃん?? 何言ってるの??)】

【(※これでもよく分かんない説明をまとめてくれてる方です)】

【(※優ちゃんがそろそろ目を回してきています)】

【(かわいそうに……)】

 

「え、ええと……そ、その際、交代するはずでした柚希さんのお父さんが肉体を動かしていた影響か、なぜか肉体が分裂した……と……?」

 

【?????】

【???????】

【んにゃぴ……】

 

【(脳が……分裂する……)】

【(分裂した脳のために肉体が分裂する……)】

【(脳が無限に分割されていく……)】

 

【(ちょうちょちょうちょちょうちょちょうちょちょうちょちょうちょちょうちょちょうちょ!! きゃっきゃっ! ぼく、きょうはばたいたの!)】

 

【(かわいそうに……)】

【(あやちゃん? 正気、保ってる??)】

【(お前の目は鱗粉でできてるのか?)】

【(草)】

 

僕の目の前には、女の子になっちゃってるお父さん。

 

お父さんが、2人。

 

「……柚希さん?」

「現実を見ましょう……? 一緒に、がんばって……」

 

そう、思いたかったのに優さんとあやさんが、優しく諭してくれる。

 

「……なぁんでぇ……?」

 

気がついたら、頬を伝う、あったかい感覚。

 

……僕、泣いてたんだ。

 

【なかないで】

【かわいそう】

【ユズちゃんもひらひらしてないときは常識側だからなぁ】

【それはそう】

【話し方とか論理的だもんなぁ】

 

【ショタよ!!!】

 

【って錯覚することがある程度には】

【誰だ今の】

 

【私よ!!!】

 

【うわぁ……】

【草】

【やべーショタコンのコメントが癒やしになる日が来るだなんて……】

【世界の終わりかな?】

 

「柚希、済まない……私たちにも分からないんだ……気がついたら目の前にこの彼女が居て、2人でどうにか情報をすりあわせただけで……柚乃、お母さんも、今の柚希みたいな顔をして動かなくなっていたよ……」

 

「先代の母上に尋ねても、返答がなくてな。聖女よ……いや、済まない、ユズよ。私が逃げ出したばかりに、こんな目に遭わせて……」

 

【悲報・ユズねぇ、やられる】

 

【ユズちゃんとユズねぇがやられるだなんて】

【それほどの悲劇が、ここに】

【もうだめだ……】

【お城のメイドちゃんたちがすげー迎撃戦続けてくれてるからなんとかなってるのか】

【メイドってすげぇ】

【ユズねぇ&ユズちゃんですら耐えられなかった理不尽を乗り越えた……だと……!?】

 

お父さんとお父さんが――違う、お父さんと魔王さんが、おんなじ顔で困っている。

 

「戦闘能力や魔力量……レベルも、完全に瓜二つのようだ。まさに分裂……だね」

「ええ。単純に我が――こほん、私が2人になったと思えば、我が軍の戦力が飛躍的に向上したと言えるのですが」

 

「……僕は、参加しないよ? 君が悪者でないのは理解してるけど」

「理解しています。お父様は勇者ですから」

 

「ところで、だ。すべてが終わったら、どうにか柚乃を説得してくれないか……? また『浮気をした』と詰め寄られる未来が見えるんだ」

「善処致します」

 

「………………………………」

 

さっきから、僕の脳みそは動きを止めている。

このまま寝ちゃいたいのに、まだ眠くないんだ。

 

【ユズちゃんが放心したままだ】

【そらそうよ……】

【死んだユズパパが復活してTS美少女になってたと思ったら、そこから魔王が分裂して生えてきたんだもんなぁ……】

 

【パパが蘇ってTSして分裂したとか、精神が破壊されてもおかしくないもんな……】

【しかも会話内容的に、肉体的な繋がりではないけど義理の姉妹みたいな関係性みたいだし】

 

【ユズちゃん、がんばれ】

【ユズちゃんへの気持ちが、今、久しぶりに真っ当なものに!】

【草】

 

【なぁにこれぇ……】

【知らないのか? ユズちゃんの影響だよ】

【バタフライエフェクトってこわいね】

【ああ……これもすべてはユズちゃんが羽ばたいた結果なんだ】

【草】

 

どんっ、どんっ。

 

空では、もはやハリネズミが針を飛ばすがごとくに無数の光が飛んでいき、魔石が降ってくるだけの状態になっているらしい。

 

どごっ、どごっ。

 

「チョコちゃん、ありがとね!」

「ぴっ!」

 

たまに鈍い音が頭上でするけども、どうやらチョコがまたがんばってくれているらしい。

 

 

【ユズが反応不可能な期間に地上の人々は転送し終えました】

 

【ユズ】

 

【現実逃避はそろそろやめましょう】

 

 

「やだぁ……」

 

僕は、首を振る。

 

――僕は、認めたくはないんだ。

肉親が、分裂したってことに。

 

【ユズちゃん……】

【気持ちは分かる】

【そんな……理央様のセクハラを思い出してもギャン泣きする程度だったのに……】

【草】

【お父さんが分裂(片方は魔王)したって聞いたら、まあなぁ】

【いくらユズちゃんでも認めたくないよね】

【ユズちゃんかわいそう】

 

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