ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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671話 強襲と――メスガキ

どぉん、どぉん。

 

かなり暗い空――夜中よりは明るくって、お父さんとお姉ちゃんが燃やした月が真っ赤に燃えていて……あ、普通に明るくなってるね。

 

【きれー】

【わー】

【たーまやー】

【かーぎやー】

【かきごおりー】

 

【神社……川辺……花火大会……浴衣……いいとこまで行ってヘタレたあの夏……】

 

【おいやめろ】

【ばかやめろ】

【あああああああああ】

【脳が……NTRの被害に遭う……】

【草】

 

【告ってもいないのに寝取らるとかほざいてて草】

 

【は?】

【お? やるか?】

【万死に値する】

【開示請求してもいい?】

【草】

【こんなことで迷惑掛けんなよ草】

 

【BSS(僕が先に好きだったのに……)】

【WSS(私が先に好きだったのに……)】

 

【あああああああああ】

【あああああああああ】

【草】

【なぜか阿鼻叫喚になってて草】

 

「――ふむ。ここは婆の力を見せるときだな」

 

首が痛くなるくらい見上げてたら、おばあちゃんがよっこらせっと立ち上がる。

 

……今の動作だけはおばあちゃんっぽいね。

 

でもどう見てもお母さんだけどね、おばあちゃん。

お母さんと血が繋がってるってことは確実だね。

 

つまりこの人は僕のおばあちゃんってことは間違いないんだ。

 

「ユズ。ユズの嫁たち。ユズの周りに集まっておれ」

 

「? なんで?」

「それはだな――――――」

 

――――――ぶんっ。

 

おばあちゃんが立ち塞がった先――空の、あらゆる空間。

お姉ちゃんとお父さんが花火を飛ばしている、それよりもずっと近く。

 

比較的近い空間が無数に揺らいで――――――渦ができて。

 

「あ、転移魔法……」

「うむ。彼奴らめ、魔力の少ないこちら側へ狙いを絞ってきている」

 

【え?】

【あっ……】

 

【しまった、ユズポケットだ!】

 

【草】

【草】

【エアポケットみたいな言い方するなよ草】

【あー、空白地帯ってことね】

 

【確かに、ユズちゃんが軍隊とかダンジョン潜りとか景気よく召喚してた魔力はもう無いし、魔王の中の魔王なお姉ちゃん&お姉ちゃんのコピーの肉体にTS受肉したユズパパ……脳よ、まだ羽ばたくな……くらいしかドラゴンのバーゲンセールに対抗する力は無いか  よし、頭蓋骨をこじ開けていいぞ  ちょうどいい……現世の苦痛には疲れたんだ……】

 

【草】

【ひぇっ】

【つぎつぎと脳みそが羽ばたく配信か……斬新だな……】

【ダメだこいつ、精神がやられている】

【ユズワールドだからな!】

 

【あ、てか今、魔王軍本拠地に居るの、オンリーユズファミリーか】

 

【オンリーユズファミリー?】

【オンリーユズファミリー】

 

【オンリーユズファミリーとは?】

【オンリーユズファミリーってことだよ?】

 

【草】

 

【そっか、地上のみなさんは帰ったし、ユズちゃんのパートナーたちとユズちゃんとユズちゃんのパパママとユズちゃんのお姉ちゃんとユズちゃんのおばあちゃんとユズちゃんのテイムモンスターだけなのか、ここに居るの】

 

【「ユズちゃん」がゲシュタルト崩壊してくる】

 

【「ユズちゃん」】

 

【ひぇっ……】

【やめて、こわくなってきた】

【草】

【と、とにかくユズちゃんと愉快な家族と仲間たちだけがいる戦場でメイン戦力が離れてる隙を狙われたってことで  あれ? 普通にまずくね?】

 

一瞬で膨らんでいく、僕たちを取り囲んでくるドラゴンたちの群れ。

 

さっきまでなら、おまんじゅうをぎゅっと抱きしめたらなぎ払える数。

でも、今の僕はすっからかんで。

 

「ゆずきちゃん……」

「柚希さん。いざとなったら、即座にリストバンドを」

「今すぐに私たち全員の分を押した方が……?」

 

『『『GRRRR……………………!!』』』

 

――ドラゴンたち。

 

魔王軍の、精鋭部隊だろう高レベルの気配がする軍団。

 

かなり時間が経ってから来た彼らは……雰囲気的に、どこかの最前線で戦っていたところから全力で駆けつけた。

きっと、そんな感じなんだろう。

 

「ぴっぴっ」

 

「       」

 

ずりずりずりずり。

 

急な敵のポップにお遊びを中止したらしいチョコが、かなりの速度でおまんじゅうを引きずりながらこっちへ向かってくる。

受け取ったおまんじゅうをがんばって絞り出せば、ひと薙ぎくらいは……。

 

【悲報・駄馬、無事タタキに】

 

【真っ白でふわふわなのが唯一の長所だったはずのユニコーンが薄汚れてる……】

【ばっちい】

【チョコちゃん! そんなゴミ捨ててきなさい!!】

【草】

【ひでぇ】

【でも冗談言ってる場合じゃなくなって】

 

「……おばあちゃん。お父さんたちに知らせるか、それか」

 

僕は、なけなしの魔力を空へ放とうとして、

 

「ユズ、安心しておけ。婆に任せれば、何も問題はない――――――こほん」

 

けれどもおばあちゃんは、変わらずに僕たちの前に立ったまま、たったひとりで――もはや全周囲を取り囲まれて真上すら見えなくなっている大群を前に、大きく息を吸って。

 

「…………なーに? お兄ちゃんたち♥ そんな数揃えないと、こーんな小さな女の子すら倒せないの? マジだっさー♥ 魔力の残り香、くっさー♥ キッモー☆」

 

【えっ】

【!?】

【ふぁっ!?】

 

【速報・ロリババア、メスガキへ変貌する】

 

【もうだめだ……】

【草】

 

【ああ、理解したわ  これは間違いなくユズファミリーの一員だって】

 

【一員っていうか生産者っていうか】

【元凶っていうか】

【ユズ・オリジナルっていうか】

【草】

【草】

 

【あの、ちょっと待ってください  おばあちゃんの突然の性癖崩しに入所者さんたちがいっせいに興奮して……あ、血圧とか脈拍とかが上がりすぎて次々とリストバンドで……】

 

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