ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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672話 【朗報・メスガキロリおばあちゃん】

「淫魔族が単独の戦闘ではよわよわだって知ってるでしょー? なのにそれだけ数を揃えないと怖くて戦えないんだー? こんな淫魔族の子供に対してー? あはっ……お兄ちゃんたちのメンタルってばお兄ちゃんたちがよく馬鹿にしてる人間の子供よりもよわよわなんだー? だっさー♥」

 

『『GRRRRR………………………………!!』』

 

「なーに? 『尊き龍族、それも高貴な血筋の我らを愚弄するか!』だって? うわぁ……今でもまだ居るんだぁ、生まれだけでそんなに鼻膨らませてかっこつけてるのって……あ、ごっめーん♥ それくらいしかアピれるところないんだもんね? はいはい、高貴な御方たちでかっこいいでちゅねー♥ 人間でいえば家柄とかお金とか腕力でしか雌にアピれない、なっさけない男とおんなじでちゅねー♥ そんなのはお兄ちゃんたちがなんにも努力しなくても手に入れてるものなのにー♥」

 

「?」

 

僕は、おばあちゃんの後ろ姿を観察する。

 

……この人、おばあちゃんだよね?

 

「てかさぁ……図体がでかくって力があってぇ? あと生まれた星とかでエリート扱いされてもさぁ……お兄ちゃんたちってば、もうお兄ちゃんたちの魔王様が作り上げた大帝国に蹴散らかされて今にも滅びかけてるよわよわな地域に出張って、弱い者いじめしてるだけでしょ? それでそんなドヤれるの? うわだっさぁ、きんもー☆」

 

おばあちゃんが、どう聞いてもおばあちゃんが発しない言葉を発している。

 

「……?」

 

誰かが乗り移ったとか、そんなことじゃないよね?

 

【ユズちゃんが首をかしげている】

【普段よりも角度が厳しいね】

【いつもに増して頻繁に左右に傾いてるね】

 

【お口も開いてるね】

【普段よりもいっそうに空いてるね】

【表情もこれ以上なく不思議そうだね】

【普段以上にな】

 

「え、なに? どう考えても一瞬で殺せる淫魔族に対して、なにそんな魔力叩きつけようとしてるの? うわっ……子供相手にそこまで本気出すんだ? へー? どっかの最前線攻略部隊のお兄ちゃんたちってもっとプライドとかあるかと思ったら……なっさけないんだぁ♥ あ、聞いて止めるんだ? 言葉で勝てないんだぁ♥ あーあ、ざっこ♥ 自分の意志で決められないざこざこお兄ちゃんたちなんだぁ♥」

 

【朗報・言葉責め】

 

【※最低でも数十歳のサキュバスです】

 

【だから?】

【何か問題でも?】

【かわいいは正義では?】

【然り】

【ふぅ……】

【分かる】

 

【我が生涯に一片の悔いなし  \84965747】

 

【!?】

【ふぁっ!?】

【どこぞのお爺様orお婆様!?】

【悲報・サキュバスロリババア、全財産を投げ銭させる】

【もうおしまいだよこの星】

 

【だからネットに疎い世代が配信とかにハマるとまずいって言ってんだろ!! この惨劇を見た視聴者はすぐに両親や祖父母、入所者のみなさんのところに駆けつけろ!】

 

「でもぉ……」

 

おばあちゃんの声が、挑発するものから一転……穏やかになって。

 

「わたし、怖かった。お兄ちゃんたち、大きくて強くて雄臭くってかっこよくて……怖い龍族だもん。……でも、怖くなくしてくれて……嬉しいっ」

 

「うわぁ……」

 

きゃぴっとした声に、僕は反射的に僕の両腕を抱きしめた。

 

ぶつぶつぶつ、さぶいぼがぶつぶつぶつ。

これは……お母さんがきゃぴってしてるときの、あの拒否感だ。

 

【草】

【草】

【ユズちゃんが】

【ドン引きしてる】

【だって自分のおばあちゃんがメスガキだぜ?】

【かと思ったらすっごく媚びたかわいい声で甘えてるとか】

 

【そういやユズちゃん、誰1人として経産婦で母親だと信じなかったユズねぇが俺たちに褒められてるとき、やけにやさぐれたり今みたいな顔してたっけ】

 

【あー】

【あー】

【自分の母さんや自分のばあちゃんが若く見られて舞い上がってるのを見た子供の反応でしかないな】

 

【子供じゃなくてもつらいよ?】

【思春期なら捻じ曲がるよ?】

【大人になってもつらいよ?】

【入院先とか介護先で目撃してもつらいよ?】

【ボケててもな……世話してくれる若い相手に恋するんだよ……自分の母親がな、自分より年下の相手にな……】

 

【草】

【地獄で草】

【じょ、女性は幾つになっても乙女だから……】

【ただしそれは子供が見るものではない】

【それはそう】

 

【今回ばかりはユズちゃんがかわいそう  ユズちゃんを助けるための演技であっても】

【このノリノリな会話が……演技……?】

 

「……あはっ、ざぁこ♥ お兄ちゃんたちはわたしたちの敵でしょ? ほら、さっさと攻撃してよ。……わたし、お兄ちゃんたちになら……いいよ?」

 

あ。

 

ぶわっ――――――おばあちゃんから、すごい濃度の淫気……フェロモン。

 

それが、またこれもすごい精密さで――この場でたぶん僕しか気づかないほどに散らされて隠され、拡散されながら……けれども確実に、僕たちを取り囲んでいるドラゴンたちの1匹1匹へ染みこんでいく。

 

……あー、そっか。

 

おばあちゃん、サキュバスだもんね。

 

エリーさんはこんなことできてなかったし……しいていうならリリスになっておっきな魔法を振りまいたときの僕ならなんとか追いつけるかなって感じの、すっごく高度な魔法だ。

 

なるほど、これで男を堕とすと。

 

………………………………。

 

あ。

 

そうだった、思い出した。

 

小さいころからの、僕……うん。

 

性別は逆だけど、このフェロモンを……理央ちゃんに、ずっと浴びせてた……だからあの子は、あんなことに……。

 

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