ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。 作:あずももも
「ありがとー、ゆずきちゃんのおばあちゃん!」
「ひ、ひなたさんっ! ええと……柚希さんのお婆様? 助けていただき、心からの感謝を……」
「いや、何。孫の嫁ならば、お前たちは私の孫も同然。婆扱いの方が嬉しいぞ」
「そ、そうですか……お、おばあちゃん……?」
さっきまで、僕たちのそばの地面で……まるで普段のおまんじゅうみたいに悶えていた優さんたちが、すっきりした顔で立ち上がっている。
【おお】
【優ちゃんたち、復帰】
【あやちゃんはまだ顔が赤いか】
【ひなたちゃん……こんな幼いしゃべり方をしていながら、さっきまで……ふぅ……】
【ひなた様への劣情は市中引き回しの刑でございます】
【失礼、現在では許されないのですね】
【では】
【貴方様のご自宅へ伺わせていただきます】
【爪で許して差し上げるとの寛大なお言葉を頂いております】
【 】
【ヒュッ……】
【ごめんなさいごめんなさいごめんなさい】
【もうだめだ……】
【あいかわらず速攻で反応する使用人の方々】
【そらお嬢様だからね……】
【後】
【どなたかひなた様へお伝えくださいませ ご当主様が「今まで一度も『おばあちゃん』などと呼ばれたことはない……」と凹んでおりましたので、帰省の際にはぜひお呼びくださいませと お婆様呼びで慣れていたはずのご当主様が盛大にしょげておりますので】
【草】
【草】
【それくらいご自分で連絡してください使用人の方!】
【まぁここの方が確実に伝わる感はあるけど、全世界に公開しての家族チャットはちょっと……】
「……ふぅ。なんでもないからね、ゆずきちゃん!」
「あ、はい」
「え、ええ! 少しばかり……そう! 暑くて!」
「そうなんですか?」
「そうです。ほら、私も全身鎧ですし」
「なるほど」
さささっと僕のところへやってきた3人。
「……ああ、あと、この娘も居ったな。よっと」
「――――――はっ!? ゆずきせんぱぁぁぁぁ――」
「せいざ」
「はい……」
そういやすっかり居ること自体を忘れていた理央ちゃんが、どこからともかく飛び出してきて――そのままの勢いでずざざっと膝から着地。
「……痛くない?」
「すごく……痛いです……!」
「ち、治癒魔法を……」
【草】
【よかった……突発性難聴になる視聴者は出なかったんだ……】
【もうとっくになってるけど】
【えっ】
【草】
【早く治癒魔法で治してもらえって】
【だって、ユズちゃんの配信……トイレに行った隙にとんでもない展開になったりするし……】
【お前には、立派なスマホがあるじゃないか】
【………………………………!!】
【草】
【生活の方が大事だからね……?】
【まぁユズちゃんの羽ばたき具合で世界情勢すら変わるから気持ちは分かる】
【突発展開サバトとかあるしな!】
【おいやめろ】
【詠唱はお控えください】
【草】
「……それにしても、大変でしたね」
「ええ……で、でも、柚希さんのお祖母さんのおかげでもう大丈夫ですから」
「ん? それは違うぞ?」
「えっ」
「えっ」
【えっ】
【えっ】
【おい待て】
【もうだめだ……】
ひそひそ話をしていた優さんとあやさんへ、おばあちゃんが話しかけている。
「強力な淫魔族の催淫魔法とは、停止はできても消失は敵わないのでな。ましてやユズは始祖帰りをしておる……私の方が経験も歳も上だが、単純な威力で負けている。感覚遮断魔法で一時的に封じるだけで精いっぱいよ」
「え?」
「え?」
【えっ】
【えっ】
【サキュバスの力で、既に祖母越え……だと……!?】
【ユズちゃんがやばすぎる】
【これまでの所業で納得しかできない説明だわ】
【でも……感覚遮断……?】
【猛烈に嫌な予感がしてきたな……】
【唐突にえっちな予感がしてきた】
【だってえっちの宝庫な種族だもん】
【そうだったわ……】
【草】
【感覚遮断魔法……実在していたのか……】
「つまりは……だな」
ちらり。
おばあちゃんが――なぜか温度と湿度が高くなった目で、僕を見てくる。
「お前たちの体へは、今この瞬間にも――ユズに対する劣情が増幅され続けておる」