ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。   作:あずももも

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91話 三人でおふろ 太っちゃった?

「あー、今日も疲れたねー」

 

「きゅっきゅっ」

「ぴ?」

 

しゅるっ……ぱさっ。

 

「魔力切れになってから起きるとさー、なんか生き返った感じになるよねぇ。 熟睡の先って言うかー」

 

「きゅっきゅっ」

「ぴぴ?」

 

結局穿いて帰って来ることになった、光宮さんが好きそうなスカート……かわいい系でふりふりなのがついてるやつ……が足元に落ちる。

 

「生まれ変わったって気がして、気持ちいいんだよねぇ」

 

ほんと、僕は格好いい系が好きなのになぁ……なんでこうなんだろうなぁ……。

 

「……それに……あれ?」

 

しゅるっ……ぱさっ。

 

「きゅい!」

「はいはい、洗ってあげるから待ってねおまんじゅう……あれぇ……?」

 

すっぱだかになった僕は、鏡の前に立ってみる。

 

「……んっ……やっぱり……」

 

軽く揉んでみた胸は、少し前よりもっちりしてる。

 

ぴりっとするのは……毎朝吸い付かれてるから諦めてるけども、それにしたってちょっと肉、つきすぎじゃない?

 

「……太っちゃったかなぁ……そういえば最近、ダンジョンの帰りに毎回おいしいの食べてるからなぁ……」

 

僕は絶望に打ちひしがれた。

 

「きゅっきゅっ」

「ぴぴっ」

 

気が付いたら力が抜けてうずくまってたらしくって、そんな僕が遊んでるって勘違いしたらしい2匹がふとももとかにすりついてきてるけど、そんなのはどうでもいい。

 

「……僕、太ってないことだけが自慢だったのに……!」

 

背も低い、毛も生えてない、でも髪の毛だけはやたらと伸びる、筋肉がつかないせいでどうしてもぷにぷにしてる体。

 

そんな僕だったけども、健康診断のたびに……きっと背が低すぎるからだろうな、引きつった笑いを浮かべたお医者さんから「綺麗な体ですね」って言われてて、それが余計な贅肉が付いてないって証だって知ってたからちょっと誇りだったんだ。

 

でも、そんな誇りは埃になった。

 

「……みんなと、帰りに毎回スイーツを……そのせいで……!」

 

両手を前に突き出すと、まるで女の子のおっぱいみたいになる僕の胸。

 

しかもおまんじゅうのせいで先っぽが両方とも赤く腫れてるもんだから、ますます女の子みたいだ。

 

「……スイーツなんて、月に1回……お菓子だって週に1回食べたら良い方だったのが、今じゃ……!」

 

そうだ。

僕はとうとう、女子たちのダイエット話に参加できちゃうようになったんだ。

 

クラスの女子たちだって、ヒマさえあれば買ってきたお菓子を学校でも食べてて、放課後はみんなでどっかのお店に行くって話してるんだ。

 

今や僕は、そんな生活をしていて。

だからこんなに肉がついてきちゃったんだ。

 

「うぅ……ダイエット……ダイエットぉ……」

 

「きゅっきゅっ♪」

「ぴ♪」

 

やっぱり贅沢は敵だ。

もっと慎ましく生きていかないと……!

 

 

 

 

でも、太ったものはしょうがない。

これから1ヶ月くらいかけて痩せていこう。

 

大丈夫、ダンジョンの中って言う場所で、普段ならバイト先でただ突っ立ってるだけの時間が結構歩く時間に変わってるんだ。

 

みんなと食べて帰るのを止めて……や、止めるんじゃなくて僕はお茶だけとかにしておけば、だんだん痩せられるはず。

 

「きゅひぃぃぃ……!」

「ぴ……!」

 

ちゃぷちゃぷって、僕の腕の中で浮いてるおまんじゅうとチョコ。

 

……この子たち、モンスターなのにお湯、平気なんだね……猫とか犬も結構嫌いなんだけどなぁ、お風呂って。

 

「君たちは良いね……太る心配なくって……」

 

おまんじゅうは、どうやらタライの上よりも僕の腕の中で収まる方が好きらしく、最近はこうやっておふろの中でもお湯の浮力と僕の腕の力で……仰向けに、半分くらい浮いてるのが好きらしい。

 

やっぱこのおまんじゅう変わってるよね。

お馬さんもこうやって……お風呂に入るサイズじゃないか。

 

チョコは大丈夫かなって思ったけども、おまんじゅうっていう先輩がいるからか特に気にすることもなく、そのままお湯に浸かって。

 

1回底まで沈んだから大丈夫かなって思ったけども、すぐに浮いてきて……なんか溶けたみたいになってゆらゆら水面を漂ってる。

 

窒息してないかなって思うけど、おまんじゅうの声に反応して鳴いてるし、多分平気なんだろう。

 

なんかアルミホイルをお湯に張ったみたい。

でも微妙に形変えたりしてるし、動いてるし。

 

……そもそもスライムって呼吸……するの……?

 

目もないし口もなければ鼻もない、液体のモンスターだし……うん、1番心配なのはお湯に溶けて居なくなっちゃわないかってくらいかな。

 

テイマーとモンスターは感情がなんとなく分かるって言うから大丈夫だとは思う。

 

おまんじゅうからはいつも通りに嬉しいって気持ちが届いてるし、チョコからは……良く分かんないけど、話しかけるとなんか嬉しい気持ちが届いてくるし。

 

「変なの……」

 

ちゃぷっ。

 

伸びすぎてきた髪の毛は、とうとうお風呂じゃ前髪以外全部お湯に沈むくらいに。

 

前髪も、お母さんの髪留めを拝借してるから気にならないけども、それがなければ目が隠れる程度には長くなってる。

 

「……明日、明後日……近くの散髪屋さんに行く余裕は無いかなぁ……」

「!?」

 

なぜか、家にあったはずの自分で散髪するセットも見当たらないし、かと言って馴染みの散髪屋さんに行こうにも、バイトの時間と被って今週は行けない。

 

「なによりも……痩せなきゃ。 スイーツやめるだけだけど……」

 

いつもの癖で、両目と口をあんぐりして僕を見てきてるおまんじゅうはどうでもいいけど、とにかくこの太りっぷりはやばいんだ。

 

早く痩せて、少しでも男らしい体つきへ。

 

……ただでさえ「女子に見えちゃいますから女子の水着で……ね? そうじゃないとプール、追い出されちゃいますから……ね? ほんと、お願いしますから……」って、毎年光宮さんと行くプールで心配されるくらい胸の脂肪がやばいんだ。

 

夏までに、痩せる。

あとは中級者ダンジョンにも行けるようになる。

 

それを目標にがんばろっと。

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