【急募】勇者トークンです マスターがヤンデレ精霊達に襲われない方法探してます   作:アラメシア

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なぁにこれ

「そこから離れてよ、エリアちゃん」

 

「……」

 

「どうしてそこにいるの?」

 

「っ……」

 

「風属性……?」

 

「……ごめんなさいトークンさん、今は黙っててください」

 

「お、おぉ……」

 

 

 エリアとウィンが対峙している……いや、なんでだよ。

 

 

「ウィンちゃん」

 

「なに」

 

「……ここだとあれですし、向こうで話しませんか」

 

「……うん」

 

 

 そう言って部屋を出て行く二人……で、もう一人は?

 

 

「……」

 

「? ……ごめんね〜」

 

 

 どうやら俺と同じ立場らしい。

 

 役に立たねぇなぁ俺もライナも!

 こういう時に一番切り込みそうでまず切り込まないヒータやら、そういう雰囲気を素通りしそうなアウスはこの場にいない。

 

 いて欲しくもないが、特に後者。

 

 

 


 

 

 

「ここなら、大丈夫かな」

 

「……」

 

 

 いやだ

 

 

「この際ですし、色々お話ししましょう、ウィンちゃん」

 

「……なんでエリアちゃんはいつも勇者さんと一緒にいるの」

 

「話をしているだけです」

 

「こんなたくさん、会いに来る必要、ないよね」

 

「勇者さんだって忙しいんだし、そんなに……」

 

「それは、ウィンちゃんにも言えることですよ」

 

「っ……」

 

 

 また、だ

 

 

「……エリアちゃんは、マスターさんの、ことが好き……だよね?」

 

「? そうですよ」

 

「嘘だ」

 

「え?」

 

「……」

 

 

そうだ、みんな嘘つきなんだ

 

 

「エリアちゃん、気付いてないかも……だけど、勇者さんと話してる時が一番嬉しそうに笑ってるんだよ……?」

 

「え」

 

「ライナちゃんだって、あの人と一緒の時だけ気を抜いてる、安心してる」

 

「ヒータちゃんも、言葉じゃ拒絶してるけど、内心嬉しがってる」

 

「アウスちゃんはあんなだけど……」

 

 

エリアちゃんもライナちゃんもヒータちゃんも……アウス、ちゃんも……みんなみんな、嘘つき

 

 

「確かに最初は、皆は……マスターさんを、気にかけてた」

 

「だって、他に誰も……私達を見てくれた人、なんて……いなかったから」

 

「でも……もう違う、よね……?」

 

 

 ……そして、私も

 

 

「……ウィンちゃん、やっぱり……」

 

「……そうだよ、皆が好きだったから……その、私もなんとなく好きだった」

 

「好きに……ならないと、いけなかった」

 

「だって、そうじゃないと……また、一人になっちゃうから」

 

「……」

 

 

 私だけが違う考えだったから私だけが馴染めなかったから私だけが皆に合わせなかったから   

 

 

「でも、勇者さんはそうじゃない」

 

「私のことを、見てくれた」

 

「……」

 

「皆が、誰が、勇者さんが好きになっても……」

 

「もう、譲らない、から……」

 

 

「誰にも、勇者さんは渡さない、から」

 

 

 

 


 

 

 

 

「そう言えばさ?」

 

「おう」

 

「エリアちゃんと何してたの? あんな近付いて」

 

「ただの会話だが」

 

「……え、ほんとに?」

 

「俺が嘘をつく必要があると思うか、そんなところに」

 

「そっか〜……エリアちゃん大胆だな〜

 

「……ね、勇者さん?」

 

「なんだ」

 

「んー、トークンさんの方がいい?」

 

「……呼ばれ方にこだわりはないな、俺」

 

「ふーん……じゃあ、ユークンでもいい?」

 

「……勇者とトークンから、ってか?」

 

「そ、可愛いでしょ」

 

「……まぁ、好きに呼べばいいさ」

 

「ありがと〜」

 

「いっつもだらけてんな、お前」

 

「時には休息も大事なんだよ?」

 

「そりゃごもっとも、お前らのおかげで身に沁みてるよ、そこら辺」

 

「どういたしまして?」

 

「皮肉が皮肉になってねぇかぁ」

 

「謝ったってユークン、気にすんなとか言い始めるし」

 

「む……確かにそうかもしれん」

 

「だったらこれで良いよね〜って」

 

「……俺のこと、よくご存知で」

 

「ふっふっふー、人のことを見るのはそれなりに得意だからね」

 

「器用な生き方してんのな」

 

「ユークンが特別不器用なだけじゃないかなぁ」

 

「……そんなことは、あるかもな」

 

「否定しないだけマシなのかなぁ……なんで邪魔するの?」

 

「それで悲しむ奴がいるから」

 

「それで一番傷付いてるのが、自分だとしても?」

 

「ああ」

 

「……やっぱりとっても不器用だねぇ、ユークン」

 

「やかましい。……あとユークンやっぱ辞めてくれ、微妙に反応しづらい」

 

「えぇー? いいじゃんユークン」

 

「それを別の奴に聞かれたらって考えたら、って思うとなんか嫌な予感がして来たんだよ、勘弁してくれ」

 

そこはなんとなく理解してるんだ……

 

「なんか言ったかよ」

 

「ん、なんでもなーい。じゃあ二人きりの時だけそう呼ぶね〜」

 

「そもそも辞めて欲しいんだが……?」

 

「聞こえな〜い」

 

「ダメだこいつ、早くなんとか……できねぇわ」




ミドラーシュの絵違いも可愛いですね(今更感)
やっぱり絵違いカードは良い文明ダァ……当たる当たらないは別として。
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