奴隷虐待してみた 作:ヤンデ・レー・メーン
「……うん、このぐらいか」
俺は奴隷に掛けていた治癒と水と火……長いな、自動洗浄魔術を指パッチンで解除した。見栄えを意識した解除方法。意外と労力使う。ここから更に、こうしてああして……乾燥魔術っと。
「ぁ……え……?」
泡の中から現れたのはすっかり見違えた奴隷だった。
肩口まである
粗末な布越しだが、全体的に細く、出るとこは出ている、子供とはとても思えないスレンダーな体。首に提げている金属がどうしても場違いに思える。
身についていた汚れは全て洗い流し、大小内外様々な傷も全て治っている。
体中に悪性の異物っぽいものがあったが……多分にあれが奴隷を蝕んでいた病だろう。もちろんこれも治した。
それにしてもさあ……なんか、すっごく……可愛くない?
虐待
俺は思わず大きめの指パッチンで乾燥魔術を解除した。
「さて、これから自分がこれからどうなるか……分かるよなァッ!?」
俺は凄んだ。そんな俺に奴隷はぱちくりと両目を瞬かせた。
ん? もしかして、怖がってない……?
そんな馬鹿な。俺はたった今体中隅々まで洗われるという屈辱的なことをした張本人だぞ。いや、金髪の十歳が凄むも何もないけどさ。
もっとこう、怯えるか憤るかしないの? してないなぁ……。
「……あの」
「喋った」
思わずそう言うと、奴隷はびく、と体を縮こまらせた。声も綺麗なのな。さぞ良い悲鳴が聞けるだろう。
「なんだ?」
「……ぅ、その、ありがとうございました」
「ぇ、あいや、どういたしまして……?」
俺は想定外の言葉を言われテンパった。
き、君ってこれから虐待される相手にお礼を言えちゃうの……? それとも俺のこと、やっぱり怖くない……?
……まあいいさ。これから俺という存在の恐ろしさをとくと味わえばいいのだッ!
俺は早速指パッチンしてあるものを取り寄せた。
それを部屋にある机に浮かべて運ぶ。
「まだ初日だからな……お前にはこれだッ!」
黒パンと塩っぽいスープ。食事兼虐待である。奴隷……奴隷ちゃんを洗っている最中に魔術で作った。
黒パンはすごく硬い。なんというか、食べ物じゃない。それが分かる硬さである。だが、田舎ではこれが普通に食べられているらしい。やべぇ。
塩っぽいスープ。これは単純に不味い。黒パンをこれにつけることでただの黒パンが『クソ不味いふやけた塩っぽい黒パン』になる。こちらも田舎では常食されているらしい。やべぇ。
ククッ……俺はどちらも試食済み……! 取り敢えず毒ではない……!
俺は値高そうな椅子を引きながら奴隷ちゃんを見た。
奴隷ちゃんは驚いているのかパン&スープを見て口をぽかんと開けていた。
それから遠慮気味に座って、ゆっくりと、まず湯気の立つスープをスプーンに掬って、飲んだ……!
「っ、熱っ!」
わざとアツアツにして飲めないようにする。こんなこと世の虐待スキーなら誰でも思いつくだろう。
苦しんでる苦しんでる。いいね。いいぞ。
俺は奴隷ちゃんの後ろに立ってガン見していた。一般人相手ならば不審者だが奴隷だから関係ない。
苦しんでいる姿を眺めていると、自分の中にあるストレスがどんどん抜けていくのを感じる。くぅー!
奴隷ちゃんは熱いのを頑張って頬張り、嚥下すると、下を向いてぷるぷると震え始めた。
くぅー! 「これからもこんな恐ろしいことが続くのか」って震えてる感じかな? それともあまりの不味さに? とにかく素晴らしい。
はぁ、虐待って最高だな!!
「どうだ、俺が恐ろしくなってきただろう。パンも食え……! 食うんだよォ……!」
俺が催促すると、奴隷ちゃんはこくこくと勢いよく頷いて、がっつくようにパンに手を伸ばした。
そして、そのまま口元へ、
……へ!?!?!?
「待て待て待て待て!?!?」
俺は指パッチンするのも忘れて即座に魔術を起動した。
鍛えに鍛えられた魔力操作技術は空間に作用し、奴隷ちゃんの手を空中で止めることに成功した。当の本人は「あれ? 手が??」みたいな顔してる。
危ねえ……奴隷ちゃんがさっきの俺みたいになるところだった。
何なんだ!! 奴隷ちゃんもしかしてこれの食べ方知らない!?
「これは! そのままはダメ! スープに浸して食べるんだよッ!!」
もう、このアホーッ!
次回は奴隷ちゃん視点に移ります。