非日常的で日常的な青春の記録を刻む物語   作:よるくろ

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ホルホシの鼻を摘みたい

 

 

「ほい」

 

 ドサッ。

 

 翌日に学校へ行き、その際に持ち込んだアタッシュケースを二人の前に置く。

 

 そのまま俺は自分の机の上に行こうとして…

 

「いや待って待って待って!?」

 

「ちょ、ま、待ってください!?」

 

 着物の袂を引っ掴まれて止められた。なんやねん。

 

「いきなりアタッシュケース渡されてどっか行かれたらこっちが困るんだけど!?説明っ、せめて説明頂戴!?」

 

「金」

 

「一言だけ!?経緯とかそこら辺省かないで!?」

 

 いや金としか言いようがあらへんし。経緯とか言われても賞金首ぶっ潰し回って稼いだとしか言えんし。とりあえず五百万は稼いだから借金とか学校の維持費に使ってもろて。

 

「えぇ…一日で五百万…???」

 

「つか先輩もホシノもそれなりに強えんだから賞金稼ぎとかすりゃ良かったのによ、なんでしなかったんだ?」

 

「…まぁ、それは考えていたんですけど…どうにも手を出せなかったというか」

 

「態々他の自治区に行って問題を起こしたらって思うと、ちょっと…」

 

 なるほど、手こずって周りに被害を出したら…的なもんか。

 

「なるほどな。分かった、じゃあ賞金稼ぎは俺に任しとけ。二日に一回は学校休んで稼いでくるからよ」

 

「えっ、勉強はどうするの?」

 

「俺が持ってる教科書は全部暗記してんだよ。テストの日は行かねえから、事前に伝えといてくれ」

 

「あの分厚い教科書全部暗記したんですか???」

 

「それほど分厚くねえだろ。二十万字程度なら容易く記憶できる」

 

 神秘を脳に回した状態だがな。

 

「アスカ…貴方前から思ってたんですけど、脳筋じゃなかったんですね」

 

喧嘩なら買うぞロリ虚乳

 

ぶっころす

 

 ショットガン片手にホシノが突っ込んでくる。

 

 俺は即座にホシノの頭へと手を伸ばし、そのまま押さえつけた。

 

 グググ…と結合する俺の力とホシノの力。

 

 フッ…とフェイントを掛けようとしたホシノの力の抜けるタイミングを見切り、俺も力を抜いて手を動かす。

 

 顔を上げたホシノの顔面に狙いを澄まし、そのまま鼻を摘み上げた。

 

「ふがーっ!」

 

「…」

 

 そのまま鼻を摘んだ手を左右にぶんぶん。

 

 鼻を摘まれたホシノはふがふが言いながらそれに抵抗できずに珍妙な格好のまま左右に振られている。

 

「…クヒヒ、楽しいなこれ」

 

「む!?ふ、ふがーッ!!」

 

 俺の言葉に憤慨したホシノが俺の腕を掴んで力一杯握り締め…意外と強いな、細腕なのに。やっぱキヴォトス人って見た目とパワーが比例してないやつばっかだな。

 

 そろそろ離してやらないとホシノがショットガンぶっ放してきそうだし、止めてやるか。

 

 パッと鼻を離してやると、ホシノは後退りしながら鼻を抑える。

 

「鼻が…」

 

「余計なこと言うからだ馬鹿野郎」

 

「途中から嬉々として振ってましたよね!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 バキャッ!

 

「うし、これで要らんもの全部処理できたろ」

 

 俺の目の前には、絶対に使わないであろう古びた椅子や机、棚などが見るも無惨に破壊された状態で積み上げられている。

 

 どうせ使わないなら、廃材にして売ってしまおうっていう魂胆なのだが、立案者である筈のユメパイセンがなんでもかんでも「まだ使えるかも」と“勿体無い症候群”が発症していたが、ホシノが羽交締めにし、俺が遠慮なく拳でぶっ壊していく光景を見せて漸く諦めてくれた。

 

 当の本人は俺の後ろでシクシクと泣いている。

 

「…先輩って、家汚そうだよな」

 

「ヴッ⁉︎い、いや、綺麗だよ?床は見えるし、机も文房具以外無いしっ、流し台もお皿一つも無いよ!?」

 

「それ生活していく上で最低限の状態だろ」

 

「…」

 

「お前も我関せずで静観してっけどお前もお前で部屋が汚そうなイメージがあるんだよな」

 

「!? いえ、キチンと片付けはしているつもりですけど…!」

 

「そこらに整備道具とか、弾丸が転がってたりとかは?」

 

「…」

 

 図星かよ。

 

 俺が白けた目線を向けていると、言葉に詰まるホシノが俺に指を刺す。折るぞ。

 

「そう言うアスカはどうなんですか!?どうせベッドの下とかにいかがわしい本とか丸めたティッシュがそこらに落ちてるんじゃないですか!?」

 

「生憎そういうのに興味は無え。机とタンスと敷布団しかねえな」

 

 後はアイツの部品か?これを家具にカウントして良いのかは知らんが。

 

 つーかやっぱ男子のイメージってそんなんなのか?俺性欲とかおくびに出したこと無いと思ってたんだが、外見から盛った猿に見えんのか?俺。*1

 

 毎日鏡で出会うが、そんな欲望に突っ走ったような容姿じゃ無いと思ったんだがなぁ、やっぱアレがデカいとそういう雰囲気を纏うようになんのか?

 

 …どうでも良いか、俺が盛った猿に見えようが俺はコイツらに手出さんし。

 

「どうでも良いけど、明日の昼には回収者が来る手筈になってっから、ちょっと昼飯遅くなるけど手伝うぞ。流石にロボットとはいえこれを運び切るのは無理があるからな」

 

「くっ…わかりました」

 

「ひぃん、先輩なのにあっちの方が先輩感ある…」

 

 そりゃ頭の出来が違うからだろ。*2

 

 

 

 

*1
どちらかと言うと人の皮を被ったゴリラ

*2
超失礼






 怒りを露にするホルホシの鼻を摘んで怒りを発散させたい。

 時には鼻フックするぞって脅したい。

 こんな感情は間違っているだろうか。
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