いや、それにしては徘徊してるロボットとかいねえな。じゃあ廃墟じゃなくて別の廃墟だったり?いやでもそんな描写は無かったよな、単に出てないだけか…?
ともかく、今の場所を知らないとな。どこか高い所に行きたい。
半分が瓦礫と化している廃墟の高い屋根を見た時、ふと感覚で「跳んで行ける」と感じた。多分、思いっきりジャンプすれば届くのか?
んなら限界まで屈んで…!
「っふん!___あぁーっ!?」
飛び過ぎィーッッ!!?*1
いや待て!待って!マジか!俺こんなに飛べるのかクソッタレが!
いいいいいやいや待て待て、メンタルは焦ってるけど、身体は思ったより焦ってない。つまりもももも問題なく着地できるっつーわけだ。んなら着地の時に神経を研ぎ澄まままませて受け身を取れば問題はなななない筈だ。
あーそうこうしているうちに地面が来る…来る…来る…ッ!
足の裏が地面に着いた瞬間に、僅かな衝撃への抵抗を残して慣性に逆らわず膝を降り、腰を曲げ、背中と首を一気に前に倒し、全力で地面に向かって力を込める。
念の為両手で守っていた首を通り過ぎて背中から着地し、そのままでんぐり返しのように転がる。勢いが収まってきた瞬間に足でブレーキを掛け、そのままの勢いで身体を起こす。
___〜〜〜助かったァ〜ッ!
「…あっ」
『………ギギッ』
助かってねぇ!助けて!
ダダダダダダッッ!!!
「んっぐっ!」
いっ……たくねえけど、鬱陶しいなオイ!卵投げつけられてるんかと思ったわ!
このままだと今の音に他のやつが寄ってきちまうかもしれんし、早く片付けねえと!
神秘の扱い方は頭ん中に入ってる、それを身体で行うだけ!
ヘイローから流れ、身体を廻る神秘を拳に一箇所に。
地を蹴り、リロードを行うオートマタの顔面に___叩き付ける!
「んなろ…ッッラァ!!!」
___『黒閃』。
呪力を思いっきり込めた拳がオートマタにぶち当たる。___黒い閃光が迸った。*2
「なんか出たァ!?」
いや、黒閃かこれ!まだ今世一発目なんですがァ!?*3
俺の黒閃を食らったオートマタは当然着弾地点は勿論、衝撃波によって全身が粉々になり、大きな音を立ててバラバラに弾け飛んでスクラップと化した。
「…ふぅ、なんとかなったか」
他のオートマタがくる前に倒せたし、次は見つからないように隠密に徹しながら高所を目指すとするか。
さー行きましょ『ギギ』
パチュンッ!
「お」
ドドドッ!
「いっつ!?」
三点バースト!?あ待って俺そういやでっけー音立ててオートマタぶっ壊したわ。ガハハ!
あーあー次々と出てくるわオートマタの面々が。銃口が全部こっちに向いてらっしゃる。正直ちびりそうだわ。
でもまぁ、ここで減らしといたほうが後々に響く事も無いかもな。パヴァーヌ編でこいつらに追いかけられる描写もあったし、危険は少しでも排除したほうがいい。
何より、ここら辺は今日から俺のナワバリだからな…ロボット風情が我が物顔で歩いてちゃおちおち寝てられんでしょうよ!
周囲からオートマタ達の駆動音が響く中、俺は全身に神秘を廻し…とりあえずで決めた最初の標的に向かって、勢いよく飛び出した。
「…なんか彼、強くない?」
「へ、変ですね。いくらチューニングしたとはいえ、ここまでの強化は施していないのですが…」
「魂の方が肉体に変化を及ぼしたとかは?」
「そんな、私が選んだのは普通の魂ですよ?それに魂が肉体に作用するなど聞いたことがありません」
「でも@li$e、あの世界の要素を取り入れたんだよね?」
「それは…」
「もしかしたら、もしかするかもよ?」
静まり返った廃墟の建ち並ぶ崩れた場所。
既に駆動音は聞こえず、先程までの戦闘音が嘘のように物音ひとつ聞こえない。
大量のオートマタが破壊された状態でそこらに散らばっている。その中で一人佇む俺。
いつもなら「なんか今の俺カッコ良くね?」とか思うだろうが、生憎今の俺は困惑で満たされている。いや、困惑と全能感だ。ただひたすらに、今ならなんでもできそうな感覚がするんだが…。
少し前まで、俺は大量のオートマタと戦っていた。身を叩く銃弾を気合いで無視して、近づいては殴り、近づいては殴りを沢山繰り返した。
初撃で黒閃を出したこともあり、全能感をフルで解放した俺はより洗練された神秘の操作で身体を強化し、初撃の五割程度の神秘で先程の一撃を出せるようになっていた。
それで、気分の好調した俺は狂ったように笑いながらオートマタをぶっ飛ばしていった訳だが。その時から決着の着いた今まで、確率的にとんでもないことが起きたわけで…。
黒閃…出過ぎじゃね???*4
今日だけで黒閃4回も出ちゃってるんすけど、運営さんこれで良いんすか?*5
流石に技術的最高難易度の技術を連続ではないとはいえ、ここまで出ると全能感よりも困惑が打ち勝つ。というより困惑しすぎて俺は呆然としてる。拳見ながら。
…ま、まぁこんなビギナーズラック今回だけだと思うし、もう気にせんでいいでしょ。はい、正気に戻った戻った。高いとこ行くぞー。
今度は飛びすぎないように、さっきの戦闘で掴んだ力加減で良い具合に跳躍する。
「っと………やっぱりここか」
着地し、手を影に遠くを見る。
遠くに見える、その近未来的なエリア聳え立つ、ミレニアムタワー。
キヴォトス随一の発展を誇る、キヴォトスの天才が集まる研究、開発を主に置いた学園、ミレニアムサイエンススクールのある証拠だ。
最新鋭、最先端と呼称される物の生産性は、他の学園を大きく凌駕する。
「さて、自分の住処の所在は分かった。次は…アビドスだな」
さて、ユメパイセンを拝むことができるのか、できないのか…拝む事ができたらどうしようかね。
まぁ…その時の自分が心のままに動くだろ。
黒閃成功確率は1d100のクリティカルで抽選しております(今回だけ)