非日常的で日常的な青春の記録を刻む物語   作:よるくろ

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続きから

 

 

 

 ユメパイセンが卒業した。

 

 卒業式は柴の大将を始めとしたアビドスに親身になってくれた大人の方々に御来賓してもらい、答辞や卒業証書の授与などは俺たち一年生が請け負った。

 

 終始パイセンは号泣していたが、この日のために練習していたであろう作法は完璧に熟せており、涙でぐちゃぐちゃになっていた顔以外はアビドス生徒の卒業生として恥ずべきじゃない生徒だったと言える。

 

 かく言うホシノも卒業式の終わり際には号泣しており、俺も卒業式が終わった後には心の中で咽び泣いていた。肉体面では神秘で表情筋を無理やり固定していた。

 

 パイセンは、連邦生徒会に所属した。

 

 将来を見据えてキヴォトスの外に出るのかと思えばそうではなく、未練がましいと言っていいのやら、パイセンは未だアビドスの為に働く事にしたらしい。

 

 目的は、連邦生徒会でのアビドスの発言権の補助。上に立つことができれば、あの人はアビドスへの全面的なサポートをすると言っていた。

 

 それがいつになるかは分からないが、未来を据えて考えるとそれは大きなプラスとなる。

 

 全くあの人は…どこまでもアビドスの事を愛しているらしいな。

 

 実を言えば誇らしい。

 

 それに、もっと大きな出来事もあったりした。

 

 それは、ウチの学校に一人新入生が来るんだと。

 

 まだ四月ではなく、三月の終わり際である時期に突然入校を希望した生徒がいるとホシノから聞いた。

 

 曰く、そいつはかつてのアビドスで有名な鉄道会社、ネフティスの令嬢だとか。これまた個性的なやつが入ってきた。

 

 完全には信用していないけど、善人なのは間違いないから入校を許可した。ホシノ()()()()の御言葉だ。因みに俺は副会長。

 

 それに伴いホシノの口調も穏やかになり、万が一後輩達を怖がらせないようにユメパイセンを真似た口調にするらしい。俺の前で実践してくれたが、違和感があり過ぎて腹抱えて笑ってしまい、ショットガンの銃床でタコ殴りにされたのは良い思い出だ。

 

 既に俺の知る原作とはかけ離れて行くが、これはこれでより良い未来に繋がると確信している。

 

 さて、心の内で独白を続けるのはやめて、そろそろ仕事に集中するとしよう。

 

 今日は、賞金稼ぎであるAbydos()への初めての直接依頼の日。つーか俺は何でも屋じゃないんだが…まぁ名を売るためにはスルーできねえか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜side 小鳥遊ホシノ〜

 

「賞金稼ぎ、ですか」

 

「うん、そうだよ。二日に一回位の頻度で行ってるね」

 

 私の前に座る、今年の新入生である十六夜ノノミちゃん。まだ入学したわけではないから正式な生徒じゃない。

 

 少し前に会ってから思ったけど、中等部でそのデカさは反則だと内心で思う。身長も去ることながらで、隣同士で歩いていた時は丁度私の頭の位置にある、私の頭ぐらいの大きさのある()()に何度目を奪われたことか。

 

 アスカも私のような反応をするんだろうか?いや、ユメ先輩の時は普段通りだった気がするし…もしかしたら先輩だったから平常心を保っていただけで、心の中では興奮していたり?ないか。

 

 私では…まぁ絶対ないか。

 

 下を見下ろして、絶望感に内心で嘆く。何故私には成長期が来ないのだろう。来たとしても何故仕事をしなかったのだろう。

 

 いや、今はそんな事はどうでもいい。とかく、もうすぐに迫っている入学式まで、この子を見極めなければいけない。

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